トランジットとダシャーが招いた弾丸ドライブ─当てもなく奥多摩を訪ねる
- 鹿村文助
- 6 日前
- 読了時間: 6分
更新日:5 日前

4日前の11月13日
またしても懲りずに私の「遠くへ行きたい病」が熱を上げ始め
自宅から片道100km超の東京都西多摩郡奥多摩町まで下道のみ使って走り詰めた


当日はあいにくの曇天で
「行くなら前日がよかったなぁ」と
しっかり乗り古した自前の軽の運転席で独りボヤいていた

埼玉県入間市の西側を通り抜けるあたりから
次第に「最果てに向かう秘境の道すがら」を体感し
青梅市に入って遥か彼方に大岳山や御嶽山が見え始めると
交通量もまばらな平日昼間前の青梅街道は
心持ちが老け気味な私に新鮮な憧れや憩いを蘇らせてくれた




古里( こり )駅を通り抜けると
どんどん山岳( 大岳山・御嶽山 )の麓に近づき始め
景色が仙境めいてきた
山の裾野に敷かれた車道を走り
とうとう青梅線終点の奥多摩駅に到着してしまった

駅舎とバス停がある位置から少し奥に進んだ道沿いに設けられたコインパーキングに駐車し
徒然なるままに私は周辺を物見遊山した

駅前を一望してから私は奥多摩駅に背を向けて
駐車したコインパーキングに戻るように歩いて
更にその奥に掛かった橋からの絶景に見とれていた

橋の下を流れる日原川は
同じ関東でも秋らしさが乏しく半端に暑い私の地元とまるで違う時節の風流さが溢れている


当日の気温は13時の頃で14度ほどだったが
それでも日原川から十数mほどの高さに掛かった橋で顔に感じる空気は
立冬から一週間程度とは思えぬほど冷たく爽やかだった
14時にならないくらいのタイミングで帰ることにした私は
思いつきで選んだ帰途の渋滞ぶりに驚き呆れ果てて
帰宅できる1時間前からすっかり疲れてしまっていた
( 所沢市から都内に戻り東に抜けて行くのは完全に失敗だった )
早朝5時に起床し
午前7時半頃から18時半に亘って走り続け
独り鄙びた小旅行を終えたこの日の私のダシャーは
「木星-土星-ラーフ-水星-木星期」になって二日目だった



まず乗り物を用いた移動にまつわる出来事といえばD16であり
ダシャーを照会してみるとまずまずの絡み方が見て取れた


マハーダシャーロードの木星がラグナに住む今は定期的に「遠出病」が発作を起こす頃で
その木星がアスペクトする土星は5室で定座しながら4室に逆行してまた定座したようになり
まさに「乗り物」の4室でシャシャ・ヨーガを仮想的に繰り出している
その土星の5室目にラーフが住んで水星は対向の射手座からアスペクトバックし
水星が住むのは射手座なのでディスポジターは木星となって全てのダシャーが通っていた


高揚した月の住む牡牛座をラグナとして見直すと
定座の土星は月から10室目でズバリ「家の外」を意味するハウスでシャシャ・ヨーガになり
土星にアスペクトされる木星は8室11室支配で6室に住むヴィーパリータを作り衝動を催す
面白いのは月の8室目で生じたスーリヤ・ブッダ・ヨーガで
月から見た太陽こそが4室支配で乗り物の表示体になって2室にアスペクトし
同時にアスペクトバックする水星は機能的にも吉星でかなり強い「冒険心」が現れる
射手座から起こるアスペクトバックなのでそれは一種のエクストリームスポーツを暗喩し
水星のディスポジターになった木星は8室対6室のヴィーパリータで暴力的な直情を醸し出す

夢を求めて三千里
「だってそこに道があるから」と
訳の分からない慕情が感涙になって溢れるが如くである
単純にラーシを覗くと


よく考えるとマハー・ダシャー・ロードの木星は4室支配で車を意味していたのに加え
木星のディスポジターの土星は3室でアスペクトバックする「遠足・出張」の表示体で
その土星のディスポジターは「乗り物」の4室に住む火星( ラーフのディスポジター )だった
火星は金星に次ぐ「乗り物の表示体」でそれだけでも納得できるが
火星と相対した定座の水星は10室に住むラグナロードとなって外出時の私自身を指し
しかも6室から4室( ≒乗り物 )支配の木星にアスペクトされる
本当に無駄や矛盾が一切見られないまま鮮やかにダシャーの絡みが整合し
その日その時の私の様態を見事に説明できている
なおかつ

当日のトランジットは木星が双子座へと逆行し始めており
双子座から起こる木星のアスペクトと魚座から起こる土星のアスペクトで
射手座がダブルトランジットになっていた
クドいようだが
射手座は私のラーシで「乗り物」の4室目に位置する
のみならず

トランジットの木星が双子座に逆行して私の水星と太陽に重なり
トランジットの土星は水瓶座に逆行することで獅子座へと仮想アスペクトを起こし
私の太陽がダブルトランジットされていたことになる
( 更にトランジットの土星は本来の位置で乙女座と対向しラグナも励起されている )
私の太陽は12室支配で10室に住んでディグバラを獲得した猛威ある座相で
ラグナと12室がダブルトランジットされて「10室の表示体」の太陽が励起された結果
私は何を思ったか特に何の目的も無く109㎞ほど向こうにある奥多摩町へ突っ走っていた

バカまっしぐらにも程がある
未だ自己破産の法的処理が終わってもいない立場で
定職に就かずじまいの独身男( 39歳 )がこんなことをしているのである
私のように
なっては
いけませんよ?
気を取り直してナヴァムシャを見てみる


木星はラグナから7室( 未知の土地・遠方 )にアスペクトバックする10室の支配星で
木星からアスペクトされながら逆行する土星は「乗り物」の4室に踏み入って
そこに住む金星( 乗り物の表示体 )は水星との星座交換で定座並みになり
ラーフのディスポジターとして水星( 私自身を意味するラグナロード )に働きかけ
水星は4室乙女座で高揚したようになってラグナの木星と仮想的に絡んだ配置を作る
こういう時は決まって「12室で高揚したラーフのディスポジターの金星」が悪フザケをし
ラグナロードで4室も支配した水星が12室で目を開けたまま夢を見ているのである
そしてお待ちかねの大トリを飾るナディアムシャだが─


ラグナロードの土星と相互アスペクトする木星は12室で定座する3室( ≒移動 )の支配星で
3室魚座にラーフが住むことでディスポジターはまた木星になり
減衰した水星と木星はケンドラの位置関係になってそれは月から見た4室目と7室目だった
だから私は急にマイカー( 4室 )に乗って外出( 7室 )し
往復218㎞の距離に9時間ほどを費やして身も心も絶頂( ≒射手座 )していたようだ

私はどこに行きたいのだろう
眠らず走り尽くした異郷の地で真新しい夜明けを迎えたい悲願は
おそらくこのまま1Kアパートの窓際で静かに流転する夢となって大晦日の闇に消えて行く
私のように
なっては
いけませんよ?
以上





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