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「被爆医師」こと故・肥田舜太郎氏のラグナ検証








6日で広島に原子爆弾が投下されて77年となり

長崎も本日で原爆が投下されて77年となった

今回は私の個人的な回想から掲題の人物を検証してみたい



5年前の2017年3月20日

日本全国の被爆者のために奔走し続けた高名な功労者がこの世を去った





その名は肥田舜太郎(ひだ・しゅんたろう)

終戦間近の広島市で軍医の職務を勤める最中に原爆の火と光をその眼で見た当事者である





肥田医師は1917年1月1日に広島市で出生したとされる

早稲田大学付属高等学校に入学し

都内で貧困層の児童が託児所で不衛生な環境下に置かれていたことを知り

義憤心から医師となる決意を固めた来歴を持つ



その後に現在の日本大学医学部に合格し

児童の健康な成育を守るため「小児衛生研究会」を発足し

学生ながら託児所の運営を部分的に介助していたが

戦火の機運が増大し続ける時の政府から「自由主義的だ」として同活動を禁じられる



軍閥を嫌悪する感情が芽生えた肥田氏は太平洋戦争開戦後にも堂々と反戦運動に取り組み

医学に専念したいその意思を訴え続けた結果として懲罰招集を受けてしまう



しかし肥田氏は入所した予備士官学校でも学校長に自分だけ敬礼しない不屈の根性を見せ

校長が肥田氏を元医学部生であると知ると貴重な医師要員であるため軍医へ異動させた



昭和18年(1943年)に日大医学部を卒業してから1年かけて陸軍軍医学校も卒業し

陸軍少尉の職位で地元広島市の陸軍病院(現・広島赤十字病院)に赴任し疫病予防に従事した



そして1945年6月中頃に軍医中尉となり

近隣の安芸郡戸坂村(現・広島市東区戸坂)に陸軍病院の分院併設が実施され

分院造成作業部隊の責任者と主治医を兼務する日々を送る



その約50日後に肥田氏はあの歴史的な悲劇の蛮行に立ち会うこととなったのである









8月6日の午前8時15分当時─

肥田医師は戸坂村に造設された例の分院から往診で近隣の農家を訪ね

その家で心臓発作を起こしてしまった子供に注射を打とうとしていた時だった




「カッと目の前が真っ白に光った」

 強烈な爆風に正面から襲われ10メートルほど吹き飛ばされた。立ち上がり、広島市の方角を眺めると、大きなキノコ雲が見えた。「なんということだ!」。背筋が寒くなるほどの恐怖を感じ、その場に倒れ込んだ。

 陸軍病院の分院があった戸坂村には多くの被爆者が逃れてきた。「血みどろの被爆者が道路や軒先に、足の踏み場もないほど横たわっていた」。続々とやってくる患者を休む間もなく治療した。



ここから肥田医師の自らも被爆者として苦しみながら被爆者の実相を伝える人生が始まった



肥田医師のあまりにも劇的な運命はジョーティッシュでどのように写し取られるべきか

氏の多くの経験に少しでも整合する厳しいレクティファイを自己流に試みた結果が

以下のチャートである









肥田氏の顕著な性格としては「子供と弱者に対する懸命な慈善精神」であり

大半の医師に必須となる3室に対するケートゥや火星の絡みという要件も不可欠だ

9室12室支配の木星がラグナに住んでディグバラの威力を得る配置が

自己犠牲的な奉仕の志向となって「子供」の表示体の木星で表意されるのである



肥田氏の情報を精査したところ現役時代の氏は内科医だった事実が判明した




(↑氏本人の講演を文字起こししたもので冒頭に「内科医の肥田です」と挨拶している)



外科医ではないにしても触診等で患者の身体の病的異常を認知したり

注射するのに適した血管の部位を目視で選定したりする技能が大前提で

ナヴァムシャの3室(手技)でラグナロードの火星が高揚し

逆行の土星が逆行した位置でその火星と対向する仮想の配置が

かなり強い緊張感で職務に当たる氏の姿勢を表意しており

ラーシも3室双子座にケートゥが住み水星は10室山羊座で高揚の火星とコンジャンクトする



ラーシを牡羊座ラグナでナヴァムシャが蠍座ラグナであると想定すると

どちらもラグナロードは火星で山羊座に住んで高揚のヴァルゴッタマである





火星に対してはラーシで土星がそのまま対向し

ナヴァムシャでも土星が逆行した位置で火星と対向してしまうため

本来なら医業者にあるまじき辛辣過ぎる薄情な性格を作るが

肥田氏の最大の長所は木星も牡羊座でヴァルゴッタマになる所見だ



特にナヴァムシャの木星は牡羊座が6室になり

木星が住むと勤勉で奉仕精神も備わった慈善家的性格を与えることになる



その木星が10室獅子座の逆行土星にアスペクトして

高揚並みの吉意で土星を緩和する奇跡的な配置により

本来なら悪影響の方が強い10室在住の土星に正しい目的意識を与えている



また

土星のディスポジターの太陽は11室乙女座に住んでおり

環境整備や衛生管理等の保全的役務に適した職業(≒太陽)を意味し

後年に医師としても東日本大震災後の原発問題を論評した氏の功績を示している





最も客観的に職業を指し示すダシャムシャは

3室支配の土星が逆に減衰してしまうが月から見た7室目に金星が住み

土星を高揚させる星座の支配星(金星)が月のケンドラに位置してニーチャ・バンガとなる



木星はラグナロードとなってまたもヴァルゴッタマの高威力な吉意が実り

両隣を凶星に挟まれたパーパ・カルタリであってもラグナにアスペクトバックし

常々かなり緊張感がある実務(5室)を強いられるが堅固な覚悟で対処していく様子だ



この木星(と土星)には10室乙女座から火星もアスペクトして異様なハードワークを意味する



火星自身は5室12室支配で機能的吉星となり

12室蠍座に住んだ水星と星座交換して定座並みに強くなってラーフとコンジャンクトし

医師に相応しいピリピリとメリハリある火星対水星の絡みが起こり

なおかつ7室10室支配の重要な水星は「病院」の象意がある12室で星座交換するので

おそらくは蠍座ラグナが肥田氏のダシャムシャとして確実だと言える




軍閥権力に刃向かいながら被爆するまでの金星期の経験








肥田氏の十代は五・一五事件や二・二六事件などで日本が帝政的になっていく過渡期だった



次第に物々しくなる社会で氏の当時のダシャーは金星期であり

私的な喜び事がどのようにして医業へと向かう立志へと育っていったのかは重要だ





金星は本来のラグナから見て2室7室支配で8室に住む



何か強い興味を以て没頭する(8室)時期であり

7室を支配して8室に住む吉星のため

ややもすると異性との秘めた関係という所見にもなる



しかし氏本人は勉学に勤しみ早稲田大学の付属高校に進学し

そこでも音楽や登山を好んでいたとされる



ラーシでは金星以外の配置をよく見れば分かる良い影響が起きている



まず金星のディスポジターの火星は金星をラグナにした3室目で高揚し

水星もコンジャンクトして学業と趣味に対する強い意欲を示している



この時に火星は6室を支配してコンジャンクトする水星は8室を支配し

3室山羊座で6室対8室の絡みが生じてしまいつつ

そこへ対向の9室蟹座から土星がアスペクトバックしており

「喧嘩をしない程度に周囲と距離を置く生真面目な性格」だったことが分かる



6室8室の絡みに土星が蓋をするだけでなく

逆行して8室双子座に伏在しケートゥとコンジャンクトするようにもなり

10室支配で2室に住む太陽と対向する仮想の配置から働きかけ

氏本人の行い(≒太陽/10室)に理性的な抑制を与えていたようである



従ってそうした向学心が心の内奥で生きていた氏の意識下では

「暴かれないでいる未知の問題」に段々と興味が実り

氏は出会うべくして都内の貧困層の幼児らが置かれた保護に欠けた環境を垣間見る



「金星-月期」の頃のいずれかである




金星の住む蠍座から5室目には9室支配の月が住んで有意な絡みが起こっている






金星は肥田氏のラグナのナクシャトラの「バラニー」を支配し

金星自身のナクシャトラは水星が支配する「ジェーシュタ」で

月のナクシャトラも水星が支配する「レーヴァティ」となり

水星は金星のディスポジターの火星が住む山羊座で火星とコンジャンクトし

ナクシャトラ間の絡みが「金星-月期」のダシャー上で深い相関になっている



月は本来のラグナから12室目となることも手伝ってか

肥田氏は世俗の常識に従属することをとにかく拒むようになっていく人生で

ラグナも「向こう見ずな異端児」の性格を司るバラニーであり

ディグバラでヴァルゴッタマの木星が住んでいるからこそ氏は誠実な反体制者だったようだ



善良な反骨心で自らを練磨する肥田氏の人生を方向づけたのが

若年期の主要な「金星-土星期」であり

その後に世界へ向け自らについて語ることになる被爆の体験は

土星期の次の水星期においてであり

ラーシの水星が土星と相対することから

「金星-土星期」の結果は「金星-水星期」の経験だったとも言える



「金星-土星期」は

配置上で吉意の絡みが起こらなければ相当に運気が悪影響を持つ時運とされ

肥田氏の金星と土星はラーシ・ナヴァムシャ両方でトリコーナの相関になってはいるが

土星がラーシでは10室11室支配となりナヴァムシャでは3室4室支配で機能的凶星である





従って土星の影響はそもそも凶意が優るので

ダシャー同士の絡みがあったとしても

氏にとっては自由な経験が重ねられる本望の時にはならなかったようだ



反戦反軍閥の気骨を見せながら軍医となり

陸軍入営以前からの願望だった医師の資格取得は叶えられたが

その処遇は日本陸軍から強いられたものであって

純粋な自己実現的喜びと極端な現実的理不尽とが相半ばする奮闘の青年期だったのである





ナヴァムシャでは

土星がそのままの位置から天秤座に3室目のアスペクトを起こし

10室目のアスペクトを牡牛座にも与えることで

金星にほぼ完全な一方的抑圧をもたらし続けていた所見になり

機能的にも凶星の土星は獅子座に住んでおり

即ち普遍的な社会全体を支配する太陽の象意を帯びた土星は

間違いなく鈍重愚直な日本陸軍の上官たちを指している





特にダシャムシャではその腹立たしくもどかしい心情が明示されていて

金星は最も悪辣な6室11室支配で土星も2室3室支配の機能的凶星のペアで

土星は金星のディスポジターでなおかつ不本意にも両者がケンドラの絡みになり

「金星-土星期」が終わらない内は

本音と建前とを行ったり来たりする律儀な面従腹背の日々だったことが分かる





「金星-水星期」はナヴァムシャで明確なケンドラの絡みがある配置で

ダシャムシャは一見すると絡みが無いが

水星が火星と星座交換して金星から9室目に伏在するようになり

トリコーナの相関が生まれているように配置が働く



ダシャムシャのトリコーナの絡み合いであるが

水星は星座交換で10室乙女座に伏在して高揚並みの潜在力を帯びるため

いよいよ本懐だった医師としての実務に全身全霊で取り組めた時だった



しかしその自由な経験の所有は

「金星-水星-金星期」が始まって1ヶ月と1週間ほどで不意な途絶を迎えた








言葉になどし切れないあの日のあの瞬間である



肥田氏の3室に惑星集中が生じ金星は氏にとってマラカで土星も両チャートでマラカである



肥田氏の3室(寿命)には12室()の表示体であるケートゥが住んでおり

そこに金星土星ラーフが惑星集中した配置は

説明する必要がないほどの危害が氏の生命に及ぶことを意味する



のみならず





ナヴァムシャも氏の同分割図と異様なシンクロを見せている



ラグナが同じで氏の7室(マラカ)に6室支配の火星と機能的凶星(=マラカ)の土星が住む



カルマ的な真の因縁がある場合

おそらくはこのようにラーシ・ナヴァムシャ両方で有意な相関が見られるらしい



なおかつ原爆投下時のラーシは全く奇遇なことに

アメリカ合衆国建国図とも近似した配置になっている



ラグナは同じで11室の惑星集中まで似通っている



日本は戦後の正式な独立回復時のチャートが射手座ラグナで

つまり建国図にとっての7室は惑星集中の双子座であり

マンデンの定義において7室とは「迎え撃つべき外国からの脅威」とされる



広島市への原爆投下のラーシは11室惑星集中で

即ちそれはアメリカの建国図同様に

他者への強い暴力(11室は6室から6室でその本質)を意味する



歴史的な蛮行はやはりジョーティッシュで可視化した場合に

明確な整合のあるカルマ的意志となって形になるのである



また

念のため肥田氏が被爆したダシャーの「金星-水星-金星期」を

氏のD8でも確認しておきたい



8室でダシャーの経験が完結し8室の表示体たる土星がコンジャンクションする



まさにD8の本質たる「逃れられない悲劇的経験」が如実に示されている

やはり肥田氏は1917年1月1日13時45分頃の出生で正しいようである



なおかつ肥田氏のナヴァムシャを見て気付いた所見上の示唆がある



蠍座ラグナでマラカとなる金星は「科学技術による人工物」を意味するラーフが伴っている



金星とケンドラの絡みを起こす水星は減衰していても8室11室支配でマラカに準ずる



そもそも2室は「絶命」を意味するマラカのハウス(3室から12室目)で

2室にマラカの金星が住むこと自体が極めて重い致命傷的経験を示しているし

そこに「科学と工学の粋を集めた産物」という象意のラーフがコンジャンクトするのは

即ち原子爆弾の熱波と放射線を全身に受けて未知の傷病に苦しむことを意味している

(厳密には肥田氏は原爆炸裂後の市内に進入したため火傷を負わず放射線被曝のみである)



肥田氏は被爆後に白血病を発症し車椅子生活にまで陥ったほどだが

後に透析治療で快癒を遂げ講演会では立位で1時間以上も弁論できる回復ぶりだった



医療占星術で「血液」を意味する火星はナヴァムシャにおいても土星からアスペクトされる



ラーシ・ナヴァムシャ両方で土星は必ず機能的凶星のため

アスペクトを受ける火星はその象意の「血液・筋肉」等に強い病的異変を生じるのである



しかし氏のラーシではラグナにヴァルゴッタマの木星が住んで

ラーシでもナヴァムシャでも機能的吉星となって

氏の健康状態を強くカバーリングし復調力を与えたことで

実に100歳ちょうどまで氏を生き永らえさせたと言える



如何に木星の影響力が重要か明確に体現して見せた実例が肥田氏その人である




日本共産党に入党した太陽期と市議会議員になった月期




被爆患者と接触し診断をすると、患者を診ること自体が反米活動でありけしからんとして、アメリカ軍に逮捕されたことが3回あった。1940年代終わり頃、広島に検査だけして治療はしない病院(原爆傷害調査委員会:ABCC)がつくられるとの噂から、依頼を受けて、治療もするようにと厚生大臣や連合国軍総司令部と交渉。結局断られ、理不尽な占領軍の傲慢さに憤って、アメリカの無法と闘うため占領権力に真正面から立ち向っていた日本共産党に入ろう、と決心し入党した。


その後も肥田氏は日本陸軍ではなくアメリカを相手にその横暴と闘っていた





その頃は太陽期にマハーダシャーが移っていたが

太陽に対し土星が逆行した位置から必ず絡んで来るため

金星期同様に氏は謂れのない処罰を受けることになってしまう



特にナヴァムシャでは

土星がアメリカ建国図のラグナ(獅子座)に住んで

逆行して氏の太陽に3室目のアスペクトを起こす所見になり

太陽自体が土星のディスポジターになるために

かなり強い絡みを生じて肥田氏の志向を阻むのである



アメリカ占領下の日本では

確かに密かな自由を求めて

左右無関係な思想の実践を求めて止まない思いが在ったことだろう



右側の者は悲壮な決意から

左側の者は真新しい理想から

政治に限りなく肉薄したい渇望を持て余していたはずである



肥田氏はアメリカに威風堂々と正面から立ち向かえる政党を探し

それが日本共産党であることを知る





日本共産党はやはり物事の本質を鋭く見抜く乙女座がラグナで

ナヴァムシャはそのものズバリ共産主義を指し示す水瓶座がラグナとなる



日共のナヴァムシャのラグナが

奇遇にも肥田氏のナヴァムシャの月と重なることになったり

肥田氏のナヴァムシャの太陽が日共のラーシのラグナに重なったりしていて

それがために氏は後の月期に日本共産党から出馬して埼玉県行田市の市議となった



その経験は1955年4月でありダシャーでは「月-月-土星期」あたりの頃である







ラーシでは土星が逆行位置から月にアスペクトしケンドラの絡みが生じている





ナヴァムシャでもダシャー同士が相対し絡みがまさに起こっている





客観的な判断において重要なダシャムシャでもしっかりケンドラの相関が生じている



ダシャムシャでは月が定座して8室の象意が実るため

端的に選挙で当確を果たし議員となる門出を意味しているだろうし

ナヴァムシャにおいても9室支配の月が4室水瓶座でラージャ・ヨーガになり

端的には議席という「権威の座」(4室)に就くことを指示し

共産主義を前向きに考え実践してみようとする稀有な知性も表意している



ラーシでは肥田氏の月と日共の月が重なり互いの月はアートマ・カーラカとダラ・カーラカだ



ナヴァムシャでも月は相対しラグナがケンドラの位置関係になり良好な相性を示す



やはり原爆投下時のトランジットとの比較と同様に

カルマ的な縁というのはこれだけの有意な相関が起きた所見を作るのである




医業に復帰し原爆症研究で様々な機関の長を担った火星期






1963年に肥田氏は2期8年の市議会議員の公務から退いた

その翌年は月期最後のアンタルダシャーであり

ダシャーチッドラで火星期の影響が現れ始める



人生の本領へと踏み込むラグナロードのダシャーである



ヴァルゴッタマの火星がラグナになりラーシは見事に10室でルチャカ・ヨーガとなり

ナヴァムシャでは「努力・実践」の3室に住んだもう一つのラグナロードでもあり

火星がもたらす運命とその結果が肥田氏の果たすべき功績だったと言える



全日本民医連理事、埼玉民医連会長、埼玉協同病院院長、日本原水爆被害者団体協議会原爆被爆者中央相談所理事長などを歴任。


「原爆ぶらぶら病」と呼ばれた被曝後遺症のメカニズムを独自に研究し

厚労省が定めた放射線障害の疾病上の定義にも異を唱えたりした



氏のナヴァムシャが蠍座ラグナで正しいと思えるのは

高揚してヴァルゴッタマの激烈な火星が「執筆活動・講演」を意味する3室に位置するからだ



ナヴァムシャで火星は両隣を吉星に挟まれて火星の働きが良性化する



改めて氏のナヴァムシャを見直すと

2室から連続して5つの惑星が住むため「マリカ・ヨーガ」が成立する吉相だと気づく





それだけでも歴史に名を刻む大成者となることが伺えるが

ラグナロードの火星は6室も支配して最も弱い凶意のハウス(3室)に住んでおり

全く容赦の無い激情が猛る凶相という所見でありながら

それが正しい目的へと向かう戦いになるのは

火星がシューバ・カルタリ・ヨーガになってマリカ・ヨーガだからである



人を癒し救う医業者の立場から誠実な奮起を漲らせ

一気通貫な看破力で被曝障害の病理を解き明かした先見の明は

やはり職能も示したダシャムシャで生じる10室と12室の星座交換が顕著に物語る



知的才能を指す水星が星座交換で10室に住むようになってラーフが更に猛威を焚きつける



5室12室対7室10室の絡みにラーフが含まれて才気煥発の知的な創成力が潜在する



「職業」の10室が12室と星座交換するのは隔離や保養の施設でもある病院を意味し

医師として臨床研究や発症者の経過観察を丹念に続ける途上で

全く新しい疾病である「原爆ぶらぶら病」の根源に迫っていった様子が明示されている





その星座交換は月から見て3室対5室となり

思想を込めた意志表示のための医学的研究であり真に人命の尊厳を問う営為だった

(月がラグナになると水星が12室を支配して火星は10室支配で全く同じ星座交換になる)



しかし氏の功労が世俗の評価につながらなかったことも事実であって

それはやはりダシャムシャの本質たる10室が12室の象意で損なわれてしまうからでもある



自らも “ ヒバクシャ ” の肥田氏はなおも被曝の病理を絶えず追及し続け

その結果として被爆者治療の開拓者のようになり

左派系の医療連盟の理事長や被爆者の主要な組織である被団協の相談窓口で代表者を務めた



当然ながらラグナが「秩序の破壊と創成」を司る牡羊座でそこに住む木星は9室を支配する



敗戦国の立場からアメリカ側の不都合に盲従する日本の国政に

肥田氏は遠慮なく当事者として善意ある怒りで立ち向かった



だからこそ氏のラグナロードは10室で高揚した火星であり

月から見て11室でヴァルゴッタマの克己と憤怒を湛えた火星である



10室11室支配の土星が火星と対向してアスペクトバックし

自らの地位・名誉を懐疑し思い悩む素振りも見せていたようだが

その相対はラグナと10室のラージャ・ヨーガやラグナと11室のダーナ・ヨーガを帯び

肥田氏の生涯を苦闘と達成が反復する劇的な物語にしたのである




被爆体験を世界で遊説したラーフ期






上記の画像は長崎県で被爆した谷口稜曄(たにぐち・すみてる)氏が

フランスの討論番組に肥田氏と出演した際のものである





1985年の時期であったが

肥田氏はその10年前の1975年頃には外国で核兵器廃絶や被曝の実相周知の活動を開始した





やはり「外国」の象意を持つラーフ期における新しい経験だった



ラーフは9室でヴァルゴッタマでディスポジターの木星はラグナでヴァルゴッタマとなる



ラーフが住んでいるのも「外国」を意味する9室になり

ディスポジターがラグナに住むのでラグナの象意が活性化して

射手座的牡羊座的な情熱と発起が氏を動かした時となった



ラーフが9室に住むと「未知の世界に対する巡礼と学び」といった定義があるようで

まさに肥田氏は世界が原爆投下の実相をどう捉え認知できているのか否かを

深く問うために実に37ヶ国を遊説したのである



こうした取り組みで原爆症への理解が少しずつ広まったらしく