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執筆者の写真鹿村文助

「地元を飛び出し43年の野営生活」─洞窟おじさんこと加村一馬氏のラグナ検証

更新日:2022年10月23日








私は職場で昼休み等に自分の名前で職場のPCから検索をかけて自前ブログに入って行くが

その時に無関係な人物がサジェスト表示され面白半分にそちらをクリックすることがある



そして本当に偶然のままこの画像の男性に辿り着くこととなった



この方は

6年程前の2016年に昼のワイドショーで取材されたことから一躍有名人になり

最近では2020年に人並み外れた半生記を直に聴取していくバラエティ番組にも出演した





画像の通りの異名を誇るこの彼こそ

13歳で生家を飛び出し40年以上に亘って野宿生活を送り続けた加村一馬氏その人だ






その驚きの人生は太平洋戦争敗戦後も離島で野営し続けていた小野田寛郎氏にも比類された







一馬氏は1946年8月31日生まれであり戦争を直接には知らない世代であるが

そのハングリーぶりは戦前戦中世代に全く退けを取らない勇猛さと言える



一馬氏に聴取を続けながら成るべくそのまま編集された著作を拝読したが本当にスゴかった







戦中戦後では珍しくなかった8人の兄弟姉妹という大所帯で4番目の息子に生まれ

何故か本人だけが両親から目の敵のように虐待され続け

その呵責に耐えかねて13歳になった頃に学校にも通わず飼い犬と家出した



それが全ての始まりであり

それからは地元の群馬県を歩いて越境し新潟県や福島県や茨城県を放浪し

最後は栃木県から茨城県を流れる小貝川という河川に沿って北上南下を繰り返して野営した



本編中には私の自社の工場や営業所の在る地名が出てきたりして私は興奮してしまった(笑)



今回はそんな洞窟おじさんこと加村一馬氏をラグナ検証してみたい




貧 困 な 生 活 と 非 情 な 鬼 畜 の 両 親 が 奮 う 暴 力







一馬氏の境遇はこのように全く理不尽で過酷そのものだった

生家は子供が多く日頃から飢えていた幼い一馬氏はつまみ食いする度に折檻されていた



上記の引用以外にも私が読了した著作では母親も父親と共に虐待を助長していた事実がある

おそらくは一馬氏だけ手癖が悪い子供だったために両親が「憂さ晴らし」の的にしたのである



本当に許しがたい因業な両親である

この時代の貧困家庭というのは決まって職能が無い癖に子作りを娯楽にする低俗な層だ



自動車などまだまだ普及していない戦後数年の楽しみは廉価な酒か喫煙か秘め事くらいで

比較的学識がある上級層は映画や大衆演劇や読書などだったろう



散々に人生をとっ散らかしてこの世を去って行った無責任な私の父(1939年生まれ)も

生前はたまに大層がって深刻な顔を見せ

「親父(私の祖父)の野郎はイチイチ子供ばかり増やしやがってよ(父には3人の弟妹が在る)」と

ボヤいていた



一馬氏の生家の様相というのがチャート想定でまずまず重要な材料となった

父親と母親が悪意を持っている所見であることが何より必要十分な大前提だ



氏の成人後の諸々のエピソードも視野に納めたレクティファイが以下の通りである





まず絶対のバイオロジカル・ファクトとなるのが兄弟姉妹の多さだ

ラーシの3室(弟・妹)や11室(兄・姉)でそれが証明できなくては正しいラグナの特定にならない



3室支配の水星がラグナに住んでディグバラとなるが11室支配の金星は減衰してしまう



ナヴァムシャでそれが補正されていないか確かめる



減衰した金星はヴァルゴッタマとなってディスポジターの水星と対向して吉意が実る



また月をラグナにすると11室で太陽が定座し太陽もヴァルゴッタマでラーフが伴う

ラーシの方もよく見れば月をラグナにすると月とコンジャンクトした木星は3室支配である

月と木星自体が更にまたヴァルゴッタマでありD9も月から3室目は木星が支配している



おそらくはこれで正しいと言えそうな所見である



傷 つ い た ま ま 強 く な っ た 太 陽 や 4 室 支 配 の 金 星 や 2 室 支 配 の 火 星



ラーシでは2室で定座の太陽が前後を凶星に挟まれて月の2室目でケートゥが高揚する



これだけでも家庭生活に相当の難が付きまとう所見になっているのが分かる

2室で父親のカーラカの太陽が定座する配置自体には問題がなくとも

後ろのラグナで土星が機能的にも凶意を持ってアスペクトバックし

すぐ手前の3室には機能的に吉星だがアスペクトバックして生来的凶意の増した火星が住む



そしてその3室乙女座は4室支配の金星が住んで減衰しラグナから土星がアスペクトしている

母親の方がより薄情で理性の無い女性という印象で一層に不穏当である

母親を指している金星を傷つける火星は月から見た2室(生家の家族)支配であり

蠍座には高揚したケートゥが在りディスポジターの火星は月の12室目に住んでしまっている



月をラグナとすると金星はそのディスポジターで火星は2室7室支配のマラカとなる大凶星だ

月は一馬氏本人を指すがコンジャンクトした木星は月から見て6室(暴力)も支配した木星だ

その月が両隣から火星とケートゥに挟まれてパーパ・カルタリとなってしまう



一馬氏への度重なる醜悪な暴力はこうした配置で執拗なほど強く示されている



ケートゥというのは裏切りだとか失望を意味するが

月から見ると一馬氏のケートゥは「生家」を指す2室で高揚し家族の悪意に強く苦しむ所見だ



ナヴァムシャでは父親を指す太陽が10室でヴァルゴッタマになりラーフが悪意を滲ませる



太陽はそのまま4室を傷つけるので家庭内(4室)に暴力が絶えないことになるし

蠍座ラグナでは土星がそもそも機能的にも凶星となる



その土星が住む12室には9室からラグナロードの火星がアスペクトし傷を与えている

火星はラグナロードで一馬氏本人を指すが6室も支配して「父親」の9室に住んでいる



だからこそ家の中という他者からは見えない場所(≒12室)で

「家族関係」を意味する2室支配の木星が土星や火星にイチイチ強く傷つけられていて

言葉に窮するドメスティックバイオレンスが生活の一部のようになっていたのである



ラーシでは11室でラーフが高揚するがつまり6室(暴力)から6室目でその象意が顕現している



両 親 を 見 限 っ て 生 家 を 飛 び 出 し た 「 ラ ー フ - ケ ー ト ゥ 期 」





一馬氏がまさに人生の大半を費やした野営生活の切っ掛けになった家出の経験

ダシャーでは「ラーフ-ケートゥ期」が始まったばかりの頃だった



ラーシにおいてラーフのディスポジターは金星となり

ケートゥのディスポジターは火星である



見事にそれぞれのディスポジターが4室(家)を失うハウスの3室でコンジャンクションする



金星は月のディスポジターで月の12室目に住んでいるためズバリ「ホームレス」の所見だ

金星を傷つけてしまっている火星も月から見て2室(私生活)であり失礼だが面白い配置である



一馬氏は当初もちろん裸一貫で独りきりの自主自営を考えていたが

思ってもみなかった相棒が着いてきた




幼犬の頃から可愛がっていたシロである




生家を離れ鉄道に沿って北へ向かい昔は銅が採掘されていた足尾まで歩き続ける最中だった

全く意外で一馬氏は本当に嬉しかったようだ



おれはシロを抱き寄せて「おれとおまえはいつも一緒だ」と言いながら、ボロボロと泣いた

(冒頭で紹介した著作「洞窟おじさん」より / 原文ママ)



このシロはラーシでラーフをラグナにした時にそのディスポジターの金星で表意される

何故ならラーフが高揚した牡牛座をラグナにすると「ペット」の6室も金星が支配するからだ



こうして一馬少年のサバイバル生活が始まったのである



かつて兄が来ていた学ランのお古で着の身着のまま足尾銅山を目指し

沢山の旅客とすれ違ったりしながらとうとう足尾の洞窟に辿り着いた中学生の一馬氏






しかしその野営の知恵はかの父親譲りだったらしくほとんど兵隊か何かのような自活力だ



山の中で一馬氏は次々と異なる植物の枝や樹脂を回収してきては様々な用途で使い分けた



洞窟の入り口頭上に檜の枝を柳のように吊るしてカーテンにして

藤のツルで束ねて玄関を作ったり

松脂を採取してきてはマッチの代わりにして住処の洞窟の地べたに火床を設けたりと

野良遊びで父親からも教わった知識をふんだんに実践している様子が実にスゴい



これはおそらくラーシの11室でラーフが高揚したり

ナヴァムシャの10室で太陽がヴァルゴッタマになりラーフがコンジャンクトするせいだろう

ナヴァムシャではその太陽が月から見て11室目で定座している強力な配置だからである



ラーシの3室で火星と金星がコンジャンクションしてお互いに強くなる配置も有意だろう

乙女座は過去の検証でも触れてきた通り「周囲の物事が持つ秩序を理解し順応する」星座だ

特に金星が減衰してヴァルゴッタマになるため理性と感性が和合したような直観力を与える

金星にコンジャンクトした火星は最良なヨーガ・カーラカで3室と金星に成長力を与える



3室とは4室が失われる「行動と実践」のハウスであり自らの良い可能性を訓練する様子を示す

一馬氏が家出を決行した時点でこの3室乙女座の頑健さが活き活きと働いていたらしい



生家に取り貯められた干し芋などを食べきった後

一馬氏はカタツムリの醤油焼きを堪能したり蛇を踊り食いしたりマムシの生き血を呑んだり

ウサギを不意に見つけ狩りをしたりイノシシと出くわして大立ち回りをしたりと

シロと共に力強くサバイバル生活を続けた




最 愛 の 友 ・ シ ロ の 死




何度目かの冬を越して、そろそろ雪が解け始めた頃のことだ。前の日から珍しく、一日中、クーンクーンとシロが鳴いていた。甘えるような鼻にかかる声だった。おまけにこの日に限って、やけにまとわりついてくる。心なしか元気もない。

(著作「洞窟おじさん」より / 原文ママ)




「何度目かの冬を越して」というのが重要だ



おそらくは「ラーフ-金星期」が終わろうとする寸前あたりの頃合いだろうか



ラーフをラグナにすると金星は5室目でヴァルゴッタマになったラーフのディスポジターだ



牡牛座ラグナでは金星が「ペット」の6室も支配すると先述したが

本来なら減衰する星座で逆に金星が強くなる配置はダシャーラグナからちょうど5室目で

友達付き合いや恋愛を楽しんでいるような思春期らしい所見である



一馬氏の野営生活ではシロが友達であり兄弟同然だった

シロとの日々が心の慰めだったようで

その突然の死は一馬氏の気丈な決意を揺るがした



シロ、目を開けろよ・・・。でも、シロの目は二度と開くことはなかった。泣いた。泣いて、泣いて、おれの泣き声が洞窟の中に響いた。
穴を掘り、シロを埋めた。だけど、おれはもう1度シロに会いたくて、土を掘り返した。
体が硬くなっているシロを抱きしめ、泣いた。本当に最後だ。
さよならを言って土をかけ、蘭の花を3本、植えた。
おれは、かけがえのないたったひとりの家族をこうして亡くした。

(著作「洞窟おじさん」より / 原文ママ)



アンタルダシャーの金星期の終わりとは即ち心を許した友の命が終わることだった



金星は一馬氏のアートマ・カーラカであり吉意ある火星が伴ったヴァルゴッタマだ

金星で表意されるシロが死んでしまうのはまるで自分を失うかのようだった



金星が減衰して強くなると乙女座の良い性格が金星の情緒になって現れる

本当にシロを愛し心を開いていたその尊さが深い悲しみになって頬を伝う



両親から差別と暴力を受け続けてもなおこれだけの優しさが生きていた一馬氏

その逞しさには全く言葉が出ず畏敬に似た感情も覚えてしまう



不 思 議 な 老 夫 婦 と の 出 会 い



悲しみに暮れ続けた一馬少年は足尾の洞窟から離れることを決意する

その後は数々の山で洞穴を掘っては寝て食料を探す生活を繰り返し

知らず知らずのうちに北上して行きとうとう新潟県まで辿り着いていた



ダシャーは「ラーフ-太陽期」に入って数ヶ月の頃かも知れない



ダシャーラグナのディスポジターの金星から見て12室目で定座する強い太陽の象意が働く




その時にまたしても一馬少年は不思議な出会いに恵まれたのである



おれがほら穴のなかにいると、近くに人影が見えた。枯れ木を集めに来ていた田舎のおじさんとおばさんの夫婦だった。人に会ったのは、ハンターを除けば家出してから初めてのことだ。
俺は二人に声をかけられた。おじさんとおばさんはおれの顔をのぞきこむようにして、こう話しかけた。
「あんちゃん、どっから来た?」「群馬のほうです」
「えっ、今なんて言った?ここは新潟だぞ」
おじさんとおばさんはとても驚いていた

(著作「洞窟おじさん」より / 原文ママ)



こうして一馬氏は老夫婦と話すうちに枯れ木集めを手伝うようになり

お二人の住まいに自分で集めた枯れ木を届けるまでになった



夫婦は一馬氏に駄賃をくれたりしたが

金銭という概念がなくなっていた一馬氏は食べ物を欲しがった



老夫婦が一馬氏を随分と気に入り可愛がってくれるのには訳があった

太平洋戦争で息子を亡くしていたそうである



ラーフがラグナになると「老人」を意味する土星が9室10室を支配し本来のラグナに住む



本来のラグナに住んでアスペクトバックする土星は8室も支配するため

その当時の一馬氏から見てずっと年上の相手が彼に「棚から牡丹餅」な経験を与える



そしてその配置はラーフの住む牡牛座がラグナになることでより明確に吉意を帯びて働き

9室10室支配のラージャ・ヨーガ・カーラカとなって3室蟹座からアスペクトを返す



牡牛座から見た蟹座は3室であり即ち「家の外」(での出来事)を意味している



一馬少年は何も考えず食べ物をくれる老夫婦の家へと集めた枯れ木を届けに行くと

「家に上がれ」と勧められそのまま風呂に入れさせてもらったり新しい服をもらったりした



そのまま伸びきった髪の毛を切り揃えてもらったり

夕飯を御馳走になって久しぶりに布団の上で寝ることも出来たほどだった



おそらくこの経験はラーフから見た4室目(家)で太陽が定座して

それがラーフのディスポジターの金星から12室目(全く未知な場所)となる配置で示される



「ずっとここに居てもいいんだよ」と言ってくれる老夫婦を前に

実年齢よりもずっと老成していた一馬少年は「やっぱり山に帰ります」と答えた



やはり太陽は定座して強いが両隣を凶星が挟み込んでいるせいである



成 人 間 近 に な り 商 売 の 仕 方 を 覚 え る よ う に な っ た 「 ラ ー フ - 月 期 / 火 星 期 」



その後に一馬氏は福島県へと渡り

ハイキング道のような大通りで行商する人々の真似をして山菜売りを始めた



その頃には不思議な出会いがまた一馬氏に訪れて再び「棚から牡丹餅」にありつけた



よく聞いたことの無い名前の花を探しているという客に出くわし

その花の様子を伺うに最初の野営生活で別れを告げたシロの墓に添えた花だと気付いた



一馬氏は途端に野生児の勘が働くように手探りで自然とその花を見つけ出し

声をかけてきた例の客にその花の束を見せると大変に驚かれて

「一株1万5千円で買おう」と言い値を出され一馬氏は大喜びでその取引に応じた



しかし後日に全く別の客の前でその話に触れると「騙されているぞ」と忠告を受ける

1万5千円では安過ぎるのであって本当はその3倍程度であり4万円以上が正しいというのだ



その相手と懇意に取引を交わすようになり一馬氏は急に相当な収入に恵まれるようになった



ラーフは「所得」の11室で高揚しディスポジターの金星もヴァルゴッタマで強くなる



しかし対になる高揚のケートゥのディスポジターの火星も金星とコンジャンクションする

即ちラーフから見た7室12室支配の火星はケートゥの持つ「裏切り」の象意を与えたようだ

不意にやって来た相手(7室)が自分に損をさせる(12室)という配置である



しかしそれを問い質し正しい知恵を授けてくる別の対話者が出てくるのは

ラーフから見て9室10室支配の最良な土星が乙女座にアスペクトする配置で表意されている

繰り返しになるが土星は本来のラグナからアスペクトバックする8室の支配星であり

それだけでも誰かが何か良い「気付き」を与えてくれることになる

(土星とコンジャンクトする水星も牡牛座ラグナで2室5室支配の強い吉意を恵むからだろう)



「ラーフ-火星期」の直前の「ラーフ-月期」から急に一馬氏は行商を行うようになったが

それはラーフから見て月が3室支配で6室に住んだヴァルゴッタマの生来的吉星であり

本来のラグナから見たラグナロードで4室に住んでディグバラにもなる強い配置のため

一念発起で何かを始めてみたいと立志の思いが芽生えた頃だったようである




急 に 希 死 念 慮 の 衝 動 が 湧 い て き た 「 木 星 - 土 星 期 」




何か所かの山を転々としているうちに、おれは何をしてるんだろう、俺は何で生きてるんだろう、おれは生きてる価値があるんだろうか、おれは?おれは・・・?
そんな気持ちになることが多くなってきた。
もうこんな生活が嫌になり始めていた。
山の中にいれば、恐ろしいやつらにびくびくしながら暮らさなければならない。
かといって、人の中にいれば、人の目が気になる。もちろん家になんか帰りたくない。
そんなおれって何なんだろう。毎日が虚しかった。

(著作「洞窟おじさん」より / 原文ママ)



あんなに逞しかった一馬氏が初めて弱気になってしまった時期である






おそらくはナヴァムシャでかなり悪い配置が出来ている「木星-土星期」の頃である



木星は機能的吉星だが12室で機能的凶星の土星とコンジャンクトしマラカの影響を受ける



木星はヴァルゴッタマでありラーシでは本来のラグナから4室に住むが

ラーシの蟹座ラグナでは6室を支配したままコンジャンクションした月を傷つけて

その2惑星の両隣がケートゥと火星に挟まれている



土星はその月と木星のディスポジターの金星に3室目のアスペクトを起こしており

木星の住む天秤座から見てヨーガ・カーラカであっても8室的悪意が働いたようである



一馬氏はこの時に自殺未遂を起こしもちろん死なずには済んだのだが

その思いが改まることはなくヒッチハイクで富士の樹海まで本当に向かってしまい

そこで日常とは全く一線を画すあの世のような世界に少しの間だけ身を置いていた





まさに首つり自殺を遂げたばかりの男性の亡骸を目撃したり

木から垂れさがる女性の長い黒髪が風になびいているのを眺めたりして

その内に段々と正気が蘇り

またも野性の勘で樹海の外へと数日間もかけて森を踏破し生還したのである



おそらくその富士の樹海での体験とはナヴァムシャの12室がそのまま具現化した結果だろう

12室とは目に見えない「隠れた世界」であり

そこに住む土星は3室4室支配でマラカになった12室の表示体で木星は2室(マラカ)支配だ



その2惑星にまたコンジャンクトしたヴァルゴッタマの月は火星しかアスペクトしないため

6室も支配して凶意を含むラグナロードの火星が不幸にも一馬氏に希死念慮を抱かせたのだ




そ の 後 に 運 勢 が 好 転 し た 「 木 星 - 水 星 期 」





ラーシもナヴァムシャも木星に対する水星のコンディションは吉意を帯びていると言える





ラーシでは木星に対し水星はケンドラの10室に住み9室を支配したラージャ・ヨーガになる

ナヴァムシャはなかなか面白く木星をラグナにすると水星がパラーシャラの例外則となる



特にナヴァムシャで8室11室支配の水星は一馬氏を一方的に利用したがる曲者を意味するが

それが5室魚座で減衰してしまうので形勢逆転が起こり「漁夫の利」のような結果をもたらす

早い話が自分に関わってきた相手に身を任せると逆に自然と成り行きが整って行くのである



おそらくは一馬氏が富士の樹海を抜け出てヒッチハイクを続けていた頃がこの時運であり

一馬氏は長く身を置いていた山林生活から完全に離れる流転の旅を始めることになった



それはラーシで本来のラグナに住んだ3室12室支配の水星が

マハーダシャーの木星から数えても更に12室支配になって身辺が一新するからである



こうして一馬氏は自分を運んでくれるトラック運転手の促しに従い

新天地を栃木県東部の小貝川近辺へと定め静岡県を跡にした




生 き 別 れ た 兄 と 再 会 を 果 た し た 「 木 星 - 金 星 期 」




ヒッチハイクに応じてくれたトラック運転手が釣り好きだったことで

一馬氏は釣りを本当に久々に追体験することになる



途中で釣り竿を買ってトラック運転手と別れてからは栃木県の小貝川が根城になった



釣りで魚を捕りそれを行商するようにして日銭を稼いだりしたが

魚釣りは河川であっても「漁業証」を有料で取得しなければならず

それを拒んでいた一馬氏だったが地域の漁協の責任者までやって来て説得を受け

一馬氏も自身の身の上を全て打ち明けると何とか和解が得られ

河川の清掃管理や違法な投げ網漁をやろうとする釣り人の監視を手伝うことで許された



「木星-ケートゥ期」は

上記以外にも魚が思うように売れず飢えが限界に達して行き倒れかけたりして

地元の警察に食事をおごってもらって急場をしのいだこともあったという



木星から見て2室目で高揚するケートゥは「窮乏」を意味し星座は水場の比喩である蠍座だ



だから「木星-ケートゥ期」はなかなか思い通りにことが運ばなくなったりしていたらしい

一馬氏は例の監視員の仕事を1年程で投げ出してしまうと小貝川をどんどん南下していった



茨城県の取手市という比較的に東京に近い郊外都市まで放浪して来ると

「東京に行ってみたい」と一馬氏の興味の虫が疼いた




後になりこれが大変な間違いだったと氏本人は後悔することになる




取手市は千葉県との境界に位置し千葉県をまたぐとそこはもう東京都の葛飾区や台東区だ

こともあろうに一馬氏は治安の悪い23区東部の某簡易宿泊所の集まった地域に踏み入った



そこで一馬氏は古くから縄張りが住み分けられたホームレスの “ シマ ” を侵害し

熟年の先住民らから無慈悲な「ご挨拶」の洗礼を受ける



ゴミ捨て場で生活資源に出来そうな物品類などを漁っていたところを闇討ちされ

散々に袋叩きにされてウンザリし結局は取手市から常総市界隈の小貝川へと戻っていく



こうした一連の悲劇は木星がラグナになることで木星の12室目に住んだ火星で説明される

木星が住む天秤座ラグナでは火星が2室7室支配のマラカで「残酷な暴力」をもたらす



木星のディスポジターとなる金星はまさに木星から12室目で火星とコンジャンクションする


この頃はその当時に友達だった釣り人仲間から都会の遊びを勧められ

釣果を売って得た貯蓄をほどほどに崩しては千葉や東京に出向いたりもしたが

風呂に全く入らず汚れ切った身なりで繁華街を歩く一馬氏に「ご挨拶」してくる相手も在った



確実にダシャーラグナの12室目でマラカの火星がダシャーラグナの支配星を傷つける所見だ



懲りずに一馬氏が埼玉県のとある繁華街から街外れへと歩いていた時に珍妙な事件が起きた



通りがかった小さなスナックの軒先でその店の女主人と思しき方が水を撒いている

一馬氏に気付かなかったのか女性は思い切り氏に水を浴びせビショ濡れにさせてしまう



謝られてから「着替えを用意しますんで」と一馬氏は店の奥の部屋へと連れ込まれ

下着姿になると再び別の個室に入るよう女性に指示された



すると奥の間に入った途端に女性は一馬氏をその部屋に置かれたベッドに押し倒し

ベッドの四隅の手すりと一馬氏の手足とを素早くロープで縛ってしまった




自由を奪われ訳が分からない一馬氏の下着をずらし女性も自ら秘部を剥き出して氏に跨った




「痛ぇ!」



10代はひたすら明日の生活も見えず戦って過ごした一馬氏は「すること」もせず大人になった

何の準備もなく不意に初体験を強いられたその感想は『ただ痛いだけだった』そうだ



ダシャーラグナの12室目で起こる火星金星のコンジャンクションは「激しい情交」の配置だ



一馬氏曰く「相手はポッチャリとした40歳くらいの女性だった」という



明らかに乙女座で強くなった金星の表示体である

乙女座で金星は減衰して素朴でウブそうな容貌の女性を象意している

その金星を2室7室支配の火星が傷つけるので性的に強く錯乱した異様な女性を意味している



この時の一馬氏は間違いなく「木星-金星期」に入っていたのである



その翌日に一馬氏は自分を拉致監禁した女性の目を盗み

トイレの換気窓から無理矢理に脱出する



それに気が付いた女性は牛飼いを追う山姥のように凄まじい形相で追いかけてきたそうだ





とにかく尋常ではない経験と言うしかない



とても長い距離を走り通し女性を振り切った一馬氏の周りは田んぼのある畦道だった

少し遠くに目をやると工事現場が在った



「工事現場に助けを求めよう」

一馬氏は再び走り続け作業場に立ち入ろうとした



「何だお前は?」と声をかけてきた現場の作業員

全くあり得ない偶然がまたもやこの瞬間に起きようとしていた




その相手こそ生き別れた一馬氏の兄だったのである









「名前を名乗れ」と言われ一馬氏がその本名を伝えると本当に実兄も驚くばかりだった

二人は抱き合って涙を流し少しの間その場で話し合っていたという



D1とD9の両方で金星は11室を支配したり11室に住んでいたりして「兄・姉」を意味している




なおかつ木星はヴァルゴッタマになりそのディスポジターはまさに金星である

だから一馬氏はこの時運で神様の思し召しが如き電撃的再会にコミット出来たのである



この出会いから一馬氏は実兄の口利きで工事現場の作業員に追加され職を得ることとなった

ラーシとナヴァムシャでアンタルダシャーの金星が11室に絡み「独立」の象意も現れたからだ



しかし一馬氏は自主自営で生きてきた性分が災いし与えられた職を約半年で放棄してしまう

(厳密には実兄が妻と子供の待つ地元群馬に帰っていくことになってしまったからでもある)



木星は10室から8室目の5室を支配して10室の本質たる7室にアスペクトしてしまう




ダシャムシャで木星は金星にアスペクトして絡んでいるが

金星は3室10室を支配し7室でケートゥとコンジャンクトして木星は凶意の5室を支配する



そもそもこの時運では職業的に永続力が全く無い条件が出来てしまっているし

10室の表示体である太陽はダシャムシャで悪い象意を持った5室に住んでしまっている



一馬氏のアートマ・カーラカは金星であるため7室でケートゥとコンジャンクトするのは

即ち「どんな仕事であれ最後まで務まらない」ことになる所見だ



そもそも本人は家庭環境のせいで学校にも通えず就学し切れないままだったのだから

職業運が良い悪いなどという問題ですらない

(しかしよく見ると4室で定座したヨーガ・カーラカの火星が金星にアスペクトし

金星は3室10室支配のため「手先を用いた工作技能への適性」を示しているようだ)




不 意 に 現 れ 一 馬 氏 に 字 の 読 み 書 き を 教 え て 去 っ て 行 っ た ホ ー ム レ ス 先 生




「木星-月期」になったと思われる頃

一馬氏はイチイチまた不思議な出会いにありつく



九州の宮崎で会社経営していたというホームレスの男性と親しくなったのである



その男性は経営する自社の倒産後に茨城の小貝川周辺まで “ 都落ち ” してきたらしい

ゴミとして捨てられた端材を回収しては売って貯蓄しいつかは地元に帰るつもりだった



そんな彼が小貝川の土手から一馬氏の釣り姿を眺めつつ氏に挨拶し

読まなくなった雑誌を取り出し「あんたも読むか?」と声をかけたが

一馬氏が「俺は字が読めねぇんだ」と答えると驚いて氏の不幸を不憫がり

その翌日くらいには突然に字の読み書きを一馬氏に学習指導し始めた



本当に本当に奇妙な出会いに一馬氏はよく出くわす方である



木星がラグナになるとそのディスポジターの金星には4室5室支配の土星がアスペクトする



もちろんマハーダシャーの木星自体が3室6室支配で「手厳しいグル(教師)」を意味し

一馬氏を指すラグナロードの月とコンジャンクションしているため

そのガージャ・ケーサリ・ヨーガがラグナ対3室対6室の絡みとなって励起されたのだろう



3室は訓練と実践のハウスで6室は忍耐を伴う努力のハウスである

ガージャ・ケーサリ・ヨーガを組んだ月と共にヴァルゴッタマとなる木星は

急に一馬氏にキツい勉強の習慣を義務付けてくるグルとの関わり合いを示した所見だった



しかしガージャ・ケーサリとは広く名声が知れ渡るとされる成功と発展のヨーガでもある

一馬氏は野営生活ばかり続けてきたが何かを学び身に着けること自体が苦にならない方だ



木星は本来のラグナから見ても6室9室支配で6室的な苦痛が付きまとう

相当にしんどく退屈な字の読み書きを2ヶ月ほども訓練させれた結果

どうにか一馬氏は自分の名前を漢字で書けるようになり電柱の広告等も読めるようになった



そしてやはり「木星-月期」が終わろうとしていた頃には

そのホームレス先生は目標としていた貯蓄を満たしたらしくこれまた急な別れを告げてきた



こうしてヴァルゴッタマのガージャ・ケーサリが与えた良いカルマを一馬氏は経験し終えた




人 生 で 初 め て 盗 み を 働 き 逮 捕 さ れ て し ま っ た 「 水 星 - 水 星 - 太 陽 期 」




その後は大きな変化もなく小貝川での野営生活をひたすら続けた一馬氏

中高年も終盤に差し掛かった57歳の晩夏に氏は所持金の少なさに飢えてしまい過ちを犯す



小銭数百円で1週間を乗り切ることなどとても出来る訳がなく

良く通りがかる道端の自動販売機から売上金が回収されている様子を眺めて

売上の多い近所の工業地帯の自動販売機をバールでこじ開けようとしたのである



飢えに飢えていた一馬氏は注意力も散漫で警備員がどこかから見ているのにも気付かず

小貝川の隅に捨てられた原付バイクで乗り付けてコトに及んでしまった



警備員の制止にも強い力で抵抗し当然ながら最後は現行犯逮捕となった

著作【洞窟おじさん】によると2003年9月12日のことだったという



マハダシャーが水星期に入った約1年後の「水星-水星-太陽期」あたりだった



水星は3室12室支配の機能的凶星で太陽はそのすぐ手前で定座し絡みが起こらない


ナヴァムシャはより悪く減衰の水星から6室目で太陽はラーフを伴ってヴァルゴッタマだ



ラーシで水星はラグナに住んでチャート全体の配置がより顕現していく時運だが

その水星は3室12室支配で「家もなく無縁な土地に身を置く」ありのままの一馬氏を意味する



そして太陽は2室で定座するヴァルゴッタマの大変に強い生来的凶星で

ラーシではラグナに住む土星と3室に住む火星に挟まれて

ナヴァムシャではアスペクトを全く受けずにラーフとコンジャンクションしただけである



配置自体だけならかなり強く有意に働くように見える太陽は

特に水星と対比すると何も吉意の絡みが起こらないままで

ラーシでパーパ・カルタリになったりナヴァムシャでラーフに傷つけられていて

ナヴァムシャの水星からは6室目で定座のヴァルゴッタマだったためか

太陽の象意する「警察権力」が6室的な経験になって励起されてしまったようである



水星がナヴァムシャで減衰することも手伝い理性が失われたかのようになり

警察相手に堂々と実力行使を交えた乱闘(6室)を繰り広げ逮捕収監されることとなった

(また6室には「泥棒」という象意があり太陽が定座して氏本人が盗みを働く所見だった)



その後「水星-水星-火星期」だった2003年12月19日

茨城県土浦市の簡易裁判所で執行猶予止まりの温情ある判決が下された



一馬氏は自給自足を続ける中で人から好感を持たれやすい(ラーシの土星の影響)ため

自分なりに頑張っているところを助けてくれる友達のような相手が多く(11室が強い)

裁判の勝敗を分ける最も重要な木星の強さや吉意においても

木星はラーシで9室を支配しナヴァムシャで5室を支配したヴァルゴッタマであり

水星と火星はナヴァムシャでトリコーナの位置関係になっている程度だが

結果的に一馬氏は相当に寛大な裁定を受けられたのである

(もしかすると木星が天秤座でヴァルゴッタマになると法に庇護されるのかも知れない)



そしてこの出来事がきっかけとなり

釣り仲間の一人から生活上の支援を受けることとなりその家にも招き入れられ

一馬氏はホームレス生活から少しの間だけ遠のいたのだった



時運的にはマハーダシャーの水星期が始まったばかりであり

つまり直前のマハーダシャーの土星期が持つ好影響がダシャーチッドラになったようである

ラーシでは7室8室支配で逆行せずにラグナからアスペクトバックする土星であり

土星的な格上の相手が厚意を恵んでくれる「棚から牡丹餅」の所見が出来ている



また土星はナヴァムシャでは機能的凶星になり12室で高揚してしまうが

その天秤座にはヴァルゴッタマのガージャ・ケーサリ・ヨーガが土星に伴う



そのため土星の容赦ない非情な抑圧が木星の恩寵でかなり和らげられたとも言える

また単純に水星の配置のみを見ても一馬氏の年齢的にはナヴァムシャの配置が活きたらしい



ラーシには根拠が見られないがナヴァムシャでは8室11室支配の水星が減衰する時運である



本来なら蠍座ラグナの水星は「ズルく悪辣な知恵役」という詐欺師的な人物を指すが

吉意の5室で減衰しパラーシャラの例外則となり月から見ても6室目でその条件が重複する

水星に対しては金星が減衰のヴァルゴッタマで支配する7室の象意を厚い恩恵にして与え

結果的に一馬氏は何故か罪の重荷を背負うことにならないどころか支援にありつけたのだ



著作【洞窟おじさん】で一馬氏が単に「おじさん」と呼ぶ釣り仲間は

一馬氏の地元近隣の出身らしく

裁判後からはそのおじさんの家に住まわせてもらうことになった



ナヴァムシャの水星をラグナとした時に

おそらく魚座乙女座軸で互いに減衰した水星金星の対置のコンビネーションにおいて

「家」の4室と「人間関係」の7室に対し3室8室支配の金星の減衰が吉意的側面を強めて働き

8室の凶意が純然たる恩恵に変容して優しくいたわるような至福を一馬氏に与えたようだ



その「おじさん」が斡旋してきたインテリア内装工事の作業手伝いという職業はよかったが

住み込みのため給与からの天引きが大きく貯蓄が残らなかったことに加え

おじさんの実家の農作業を無償で手伝わせられ段々と不自由を感じるようになった一馬氏は

2004年11月30日の夜にとうとう夜逃げを決行し我が家同然の小貝川の河原へ戻ってしまう



ナヴァムシャではラグナロードの火星が6室も支配して9室蟹座に住み

ケートゥが住む4室にアスペクトして傷を与えるせいもあるだろうし

その火星が12室で起きた惑星集中にもアスペクトするため

一馬氏は誰かと関わりながら独りになった時は神経質になりやすく

家の中に住んでいると「イライラして眠れない」のである



水星はラーシのラグナに住んでディグバラになる3室12室支配の凶星で

月が住む天秤座からは9室12室支配で月の10室目でラージャ・ヨーガになり

12室の象意が二重に強くなってしまう所見で職業や社会生活が続かないのである

(逆に考えれば月の10室目で12室の象意が強く働くからこそ一馬氏はホームレスだと言える)



「 水 星 - ケ ー ト ゥ 期 」 直 前 頃 に 起 き た 嬉 し い サ プ ラ イ ズ と 現 在 の 暮 ら し



2005年の2月下旬のこと

一馬氏は骨を埋めるつもりで小貝川に掛かる橋の下に自作したバラックで過ごしていた



そこへ別の本で一馬氏を取材し知己があった出版社の取材担当者が不意に訪ねてきた



やはり知り合いだったカメラマンも引き連れて何やら一馬氏に話があるようで

「これから加村さんの新天地を目指しましょう」とだけ言って一馬氏をトラックに乗り込ませ

行き先を伝えないままスピードをどんどん上げて遥か遠くへとひた走っているようだった



最初は酷く立腹し抵抗していた一馬氏だが景色が何となく見覚えのある様子になっていく




見えてきたのは足尾銅山だった




驚いて色めき立ちつつも車は足尾銅山の手前で道を曲がり

山の中道を通ってカーブや坂をいくつも越えた山中に置かれた白い建物の前で車が止まった



散々に文句を言いながら建物の中に連れて行かれると

そこが一馬氏の新居であることが告げられた




一馬氏の実弟も入所していた要介護対象者のための支援施設である




そこで一馬氏は独居できるプレハブ小屋を与えられ

間伐材で割り箸を作る作業場での労務やブルーベリー畑の守衛などに従事することとなった




ラーシでは12室の表示体であるケートゥが水星から5室目で高揚している



12室は「誰も気が付かないほどの僻地」といった趣意もあり

10室から数えた8室目で物事が改まるような経験を指す5室にケートゥが住み高揚する



ケートゥは月から2室目に位置し

一馬氏の私生活を意味してディスポジターの火星は月の12室目に住んでいる



D9は水星から12室目にケートゥが住み互いのディスポジターが12室でコンジャンクトする



ダシャー上での絡みや本来のラグナから見て12室の象意が必ず現れてくる時運であり

一馬氏本人にとって当たり前だったホームレス生活が失われてしまう(≒12室)経験となる



普通の人生であれば12室の象意こそ何もかも失ってホームレスのようになるはずだが

一馬氏は屋外生活が当たり前だったので12室が人の目を離れて隠遁するという意味になる



そして本来の12室目であり水星から見た8室に起きる天秤座の惑星集中が

一馬氏を受け入れた施設の代表である藤澤敏孝理事長を指していると判断できる








月と土星のコンジャンクションは理想に拘泥しつつ達観を秘めた求道者を表意し

そこに大吉星の木星が更に加わることで人間的な慈愛の善意が備わったグルとなる

この惑星集中が「平等・博愛」を志とする天秤座で起こるため弱者支援の事業を営むのである



また実際に一馬氏を介助し生活習慣の自活を支援する担当者に保嶋さんという女性が在った





この介助指導員が一馬氏に付きっ切りになっていた時期があり

施設内での集団生活を拒絶したくなった一馬氏を叱正したり

社会生活に慣れるよう全く未知の新しい体験(飲食店や映画館に行く等)を実習させたりした



間違いなく保嶋さんは水星と対向するヴァルゴッタマの減衰金星で表意される



乙女座で強くなる金星は看護婦か女性教師のような保護と教育の両方を担う女性である

金星は一馬氏のアートマ・カーラカでもあるせいか次第に氏は保嶋さんに心を開いていく



5室に住んだ8室支配の水星と11室に住んだ7室支配の金星がニーチャ・バンガを起こし

一馬氏本人の生活態度(5室)にコーチングを施す彼女に一馬氏は指導される(8室)のである



一馬氏は人と関係を保ちながら暮らしていくことがまだまだ出来ないでいたが

この三和会の施設で時折ちょっとした騒ぎを起こしたりしながら

ボランティアで子供に簡単な野営の実演をして見せたりする等して

様々に職業訓練を重ねつつやっと「普通」の人生を送る日々が続いて行った




施 設 入 居 か ら 1 7 年 ── 静 か な 安 穏 の 中 を 進 ん だ 後 に 来 る 誇 る べ き 金 星 期






一馬氏は現在「ケートゥ-火星期」でもうすぐケートゥ期全体を折り返そうとする頃合いだ



ケートゥはラーシでトリコーナの5室で高揚しナヴァムシャはケンドラの4室に住む


特にナヴァムシャはディスポジターの土星が高揚して木星とコンジャンクションしており

木星が2室5室支配で機能的にも吉意のみ与える大吉星のため

「安堵に満ちた老後」を悠々自適に過ごせている様子である



ケートゥはラーシの5室で最高に強くなってしまい老齢ながら何かをしたい快活さも持つ

この2年強はコロナ禍で出来ることも出来なかった日々が随分もどかしかったろう



コロナも地方であればすっかり解消され

これからは以前のお騒がせ気味な自若ぶりを再び楽しめる時となる



一馬氏のケートゥ期は

ナヴァムシャでもケンドラの4室に住んで木星がアスペクトしてくる平和の喜びが有る頃で

ラーシでは高揚したケートゥのディスポジターの火星が本来のラグナから3室目に住む



きっとまだまだ一馬氏は繰り返しその生い立ちをどこかで話したりしていく様子である



自然災害が年を経る度に深刻化している今の日本で

一馬氏の嘘のような真実の人生経験は純粋なサバイバルの知恵として学ばれるべきだ



今は珍妙な「激レア」さんの一人でしかない氏の言葉が真剣な文脈で語られるかも知れない



一馬氏が80歳になった頃に訪れる金星期はD9の11室でヴァルゴッタマとなる栄達の相だ




金星は一馬氏のアートマ・カーラカである

とても長かったその人生がより晩熟して佳境の醍醐味を感じさせる時運に達する



明らかに特別な功労を賜る「誉れの実り」が広く知られて行くのが4年後の未来となる

きっと一馬氏も『俺の人生はこの時を迎えるための長い旅路だったんだ』と思う経験だろう




全くひ弱な現代人ですが陰ながら期待しております




以上

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