先日になりまた新たにご依頼者様から仕事をいただけた
ご相談の趣旨として
｢高位な技能資格を取得したので職位は安定しているが多忙過ぎてつらい｣
とのことで｢雇われたまま働いているより起業すべきか否か｣が要点だった
( チャートの公開はご本人様より承諾済み )
具体的には
精密機器内部の電源部位に特化した設計管理と
機構内部で部材品の動作から生じる電磁波の除去技術を専門とする高位な技能資格を持ち
それ故に転職には全く不安が無いというお方だ
ラーシを見ただけではその職業の特徴が分かりづらかったが
ナヴァムシャにおいてはエンジニア的な才能の指向性が示されていたようで
ケートゥのディスポジターとなって双子座にそのまま定座した水星は
｢通信機器｣( 電話機･PC･無線 )の表示体である
双子座は情報処理のサインで水瓶座と並んでPCと精密機器に関係するため
｢分解･分別｣を意味するケートゥが住んで水星と土星がそれぞれ定座すれば
SEや上級整備士としての職能を強く指し示す所見となる
射手座ラグナでは水星がモロに7室10室支配で職業と社会運の核心を担うことになり
バドラ･ヨーガになりつつケートゥとコンジャンクトすると高等な技術者を生み出す
マネージャーとはいえ非常に緻密な対処力と知見に基づく識別力が不可欠であり
名実ともにプロフェッショナルと称しても過言ではない
実際の｢お仕事事情｣が現れるダシャムシャを見ると
やはりその強さは桁外れに恐ろしく
ラグナロードが見事に10室で高揚したルチャカ･ヨーガで
10室の本質のハウスである7室ではマラヴィア･ヨーガとシャシャ･ヨーガが並立する
ラグナロードと10室の支配星と7室の支配星が揃ってマハープルシャになる所見は
本当に見たことが無く初めて拝見した際には驚きと感動でしばらく見入っていた
ラグナロードが土の星座の山羊座で高揚するために品質管理のマネジメント職を意味し
仕事に対する評価が示される7室では10室11室支配の土星が高揚し金星も定座することから
実際の仕事ぶりも一流そのものであり毎回の実務が信用の確かさを証明するが如くである
大変な多忙の理由
この男性は来年正月の月初まで続く｢水星-金星-ラーフ期｣の途上を進んでいる
水星が鮮やかにエンジニアとしての高い職位を示したナヴァムシャは
マラカになったバドラ･ヨーガが端的に多忙を促すと同時に
｢ケートゥのディスポジター｣としても凶意を具現化してしまう
即ち業務量が夥しいにもかかわらず実際的な評価は満足の行くものではなく
水星と対向して更にマハープルシャになった木星が5室12室支配の火星とコンジャンクトし
チャンドラ･マンガラ･ヨーガの影響が7室と10室に12室的な結果を与え続けるからである
水星と金星が絡んでラグナのハンムサ･ヨーガはラーフのディスポジターにもなり
今まさに何かしらの大きな｢答え｣がご本人にとって実ろうとしている頃だろう
ダシャムシャは｢不本意な閑職に甘んじる｣その一時を写実するかのようで
マハーダシャーロードが12室で減衰して例外則になってはいても
マラヴィア･ヨーガの金星やシャシャ･ヨーガの土星( ラーフのディスポジター )とは
絡みが生じない位置関係である
出生時刻に対しラグナの受け持つ時間幅が程よいタイミングだったため
正しいチャートであると分かったシャスティアムシャは複雑だが絡みが成立しており
星座交換して7室で強い水星と金星がトリコーナの位置関係になって
金星と相対する土星がラーフの住む4室へと逆行して火星と星座交換する
火星は牡羊座に定座するとまた蠍座にもアスペクトバック出来ることで金星に絡む
そして火星は本来的にラグナに住んでいることから
今こそ行動すべき時であり結果的にご本人の決した選択は｢私への鑑定依頼｣だったのだろう
7室で定座したかのように強い水星はそれでも6室9室支配で失業の表示体でもあり
星座交換して強いために簡単には解雇されず6室的な状態でハードワークを続けるのである
こうした世知辛い日常が続く最中で日毎に｢サラリーマンを続けるか否か｣という思いが募る
来年早々に巡り来るプラティアンタル･ダシャーが木星期であることに鑑みて
私は迷わずにご本人へ｢今のうちから独立の準備を始めると良いでしょう｣と答えた
シャスティアムシャにおける｢水星-金星-木星期｣は全てが水の星座に住む最高の絡み方で
それは乙女座で星座交換した月から見て2室7室10室がダシャー上で絡む理想の時運となる
特に月の住む乙女座をラグナにするとラグナと10室と11室が星座交換するため
それらが月の7室目でハンムサ･ヨーガの木星からアスペクトされることは
木星が逆行していることを加味してもまだまだ不安が無い｢ビギナーズラック｣の吉相だ
更にまた
来年2月月初の頃に迎える｢水星-金星-木星-土星-水星期｣は
独立運を見立てるD11で最高に良い配置が実現していた
水星と絡んだ金星は太陽と星座交換して水星と相対したようになり
木星は金星と相互アスペクトして土星が木星のディスポジターとなって
水星は土星のディスポジターで土星からアスペクトも受けている
月から見るとその絡みは上々で
太陽と金星の星座交換は2室と11室の結びつきで自営業に最も好適な所見だ
来年2月の時点ではスークシュマ･ダシャーの土星がラグナに住んでおり
ダシャー上で絡みを作ったロードがラグナに住む時運こそ正しい決起の頃合いである
スークシュマ･ダシャーの土星期は来年2月20日いっぱいで終わってしまうので
それまでに実質的な独立開業が果たせているよう計画を進めるとよい
翻ってその頃のシャスティアムシャをダシャーに照らすと
土星が逆行した位置で星座交換してラグナから木星に仮想アスペクトを起こし
7室の水星とも相互アスペクトしたようになる
土星は本来のラグナロードで水星を通じて7室支配の月と相互アスペクトし
月が本来住む乙女座から見ればそれは5室と11室が強く絡んだ配置であるため
こちらでもやはり独立を遂げられる最良のチャンスが訪れる一時だと言える
Bless you
占星術の素養が備わったラーシの4室
順風満帆な未来が見えて私も一安心だったところで
もう一つばかり依頼者様が寄せた相談事項に私は目を丸くした
｢私にはインド占星術の才能があるでしょうか？｣
このお方はご自身がジョーティッシュを学んでみたいと仰るのである
その疑問に対し私は
ジョーティッシュは数々の定義と緻密な演算処理の秘伝とで成り立つ占術体系であり
その素養には不可視な事象への知的感応を担ったケートゥの支配星が強いことが欠かせません
｢知的能力｣を意味する5室やその支配星にケートゥが関わったり
ケートゥの支配星が5室あるいは9室( 5室の結果が現れるハウス )に住み
星座の相性が良くなって強く働く等の条件が見られるかどうかという問題になります
とコメントした
そしてご依頼者様のラーシを再見し
私は不思議と合点が行く見事な配置の妙に気がついた
5室では｢知能の表示体｣の水星が11室にアスペクトバックして学識の豊かさを意味し
単純にかなりの高学歴である所見でもありつつ木星のアスペクトバックを受け更に強い
そして牡羊座でケートゥを吉星化させている木星のディスポジターは
4室で定座してルチャカ･ヨーガになったヨーガ･カーラカの火星であり
｢ケートゥのディスポジターが水の星座で定座する｣という見事な配置を作っている
そもそもケートゥは蠍座で高揚すると霊能の表示体のようになり
定座の火星がケートゥのディスポジターであればケートゥが高揚するのと同じだと言える
もう一度ラーシを注視すると
5室支配の木星とコンジャンクトしたケートゥに向け7室支配の土星がアスペクトしており
実際にケートゥ自体もラージャ･ヨーガになって見事に9室を霊的に高位な格調へ高めている
そしてケートゥとコンジャンクトした木星は8室に逆行して定座すると
仮想的に9室目のアスペクトを4室の火星と太陽に与えることになる
吉意のハウスになった蠍座に火星が定座して木星に吉意を施されると
やはりそれは霊的な感性と実践力を育てて行ける所見となって働く
獅子座ラグナでは火星が極めて吉祥なヨーガ･カーラカであるため
このお方は明らかに秘技として占い師の才能が有ると言えるチャートに恵まれている
ナヴァムシャはどうだろうか
7室でケートゥのディスポジターとなって定座した水星は
ラグナで同じくマハープルシャになった木星や5室支配の火星と相互アスペクトしており
ラーシ以上に強い｢ラージャ･ヨーガになったラーフケートゥ軸｣がラグナ対7室に位置する
こちらでも火星は5室12室支配で逆行しない良好な機能的吉星で
コンジャンクトしたハンムサ･ヨーガのラグナロードは逆行すると火星と星座交換する
つまり
私のナヴァムシャと全く同じようにラグナと4室と5室と12室が星座交換するのである
なおかつラグナ対7室でラーフ･ケートゥがラージャ･ヨーガにさえなるのだから
もしかするとこのお方は私よりも優れた占星術師になれる可能性を備えていたのである
Oh my gosh
一旦ジョーティッシュを学び始めれば
やがてはこの私を簡単に追い抜いていくことが確実だろう
今回は鑑定士と依頼者という関係でしかなかったが
いずれは私が指導員となってジョーティッシュを道案内する未来がやって来る
全くいい加減な受け答えが出来ない相手と出会ってしまった私
これも約束されたカルマのうちなのだから仕方がないことである
以上
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