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The Weeknd氏のラグナ検証

更新日:2023年12月17日







今回もまたビッグネームのチャート可視化に挑戦してみたい



私よりも若い読者の方ならこちらの男性が誰かはやはり説明不要なほどだろう






全世界を魅了しリリースから2年を経た現在でも

まだまだキラ―チューンであり続ける〖Blinding Lights〗



私は愚直に自分の見込んだジャンルに固執し食わず嫌いをよくやってしまうので

彼のことを知ったのも上記のタイトルが世界に普及しきった昨年の早春頃だった



異常に滑らかで純正な清涼剤のような美声

しかしPVで見る彼はアフリカ系の若者特有の無邪気でやんちゃそうな笑顔だったりする

(なお彼は生粋のエチオピア人の両親から生まれたカナダ移民である)




(元交際相手ベラ・ハディット氏との2ショット/本人のインスタグラムより抜粋)




その生い立ちを伺うだけでも

わかりやすく20代で夢を掴んだビリオネアな欧米的成功者の典型である







ザ・ウィークエンドは自身の青年時代を、映画『KIDS/キッズ』の物語からHIVの要素を除いたものだと表現している。この映画は10代の若者がセックスや薬物乱用に堕ちていくというもので、ザ・ウィークエンド自身も11歳で大麻を吸い始め、その後より強力な薬物を摂取するようになった。様々な薬物に手を出すため万引きも頻繁にしており、ザ・ウィークエンドはこのときの状況を「何でもあり」だったと語っている



とにかく日本の社会では生まれ得ない来歴を持っており

スターとなった今でこそ言えることだが本当に劇的な人生である




そ の 出 自 に つ い て






【The Weeknd】ことエイベル・マッコネン・テスファイは

1990年2月16日にカナダ・オンタリオ州トロント東部のスカーバローに生まれた



エチオピアからの移民で社会的に高くない階層に属した家庭において

両親は所謂ワーキングプアに等しい生活を積み重ねていた



エイベルは母方の祖母(完全なエチオピア人)に育てられ

幼少期はエチオピア母語のアムハラ語しか話せなかったそうである



英語が話せなかった身の上も手伝ってか貧困な低位階層のアフリカ系移民だった彼は

例外なくストリートのコアな箱庭文化の洗礼を受けて上述したような変貌を遂げた



その後17歳で高校を自主退学し

親友と共に週末の深夜に突如マットレス1枚だけを片手に車で家出を果たし独り立ちする



この決意表明のエピソードに因んで彼はその名を【Weeknd】と名乗ったのである

(「Weeknd」という綴りがわざと脱字表記なのは同名のアーティストが既に在ったためだ)



その後

彼のミュージシャンとしての足掛かりは21歳間近の2010年12月に

地元カナダのトロントで知己を得たジェレミー・ローズなる先輩ミュージシャンに擁されて

3つの楽曲をインターネットにUPしたところから始まる







その内の1曲がこの「The Morning」である



Weeknd氏の独力作製ではない楽曲であっても持前の歌声と清新なメロディが見事に融和し

夜明けの優しい幻惑をラグジュアリーに溢れた絹のように端麗な声で底深くから紡いでいる



この透き通った神秘感を高い音楽性と見なしたリスナーが次々とネット上で話題に掲げ

とうとう北米における有力プレイヤーの一角だったラッパーのドレイクの耳目へ通じた







ドレイクのお墨付きを得てからは着実にその名が高みへと登り始め

2012年にはアメリカに本拠を置くリパブリックレコードの傘下において

独自レーベルの「XO」なるチームを結成し華々しいプロデビューを実現した



その後の彼の栄達の目覚ましさは冒頭に紹介した例の楽曲から推して知るべしだ

メジャーデビューから10年足らずで洋楽がサブジャンルでしかない日本でもその名は轟いた



以下に自己流でレクティファイしたWeeknd氏のチャートを示す





彼ほどの成功者となると初心者的な想像では10室や11室に惑星集中する配置を考えてしまう

しかし彼の場合はやはり単純にミュージシャンとして3室に金星が絡む強烈な所見が特徴だ



ラーシでは音楽の表示体である金星がそのままラグナロードとなり

ナヴァムシャでも金星は5室支配で音楽の象意が重複した双子座ラグナでヴァルゴッタマだ



ラーシの2室(声)は両隣を月と金星が挟んでシューバ・カルタリ・ヨーガを組み

支配星の火星は2室から2室目でその本質となる3室(歌唱・ダンス・芸能)に置かれて

希少なラージャ・ヨーガ・カーラカの土星からも援護を受け

それら二大凶星の威力に全く負けない優良なコンディションの金星が彼の個性の源泉になる



初歩的な努力を強いる凶意の3室に火星と土星が住むことで猛烈な二重否定が起きている

おそらくは頑なな克己心で彼は寝食も忘れて努力していた時期があったのかも知れない



その惑星集中した射手座の強さを深く根付かせ揺るがない実力にさせているのが木星である



ラーシ・ナヴァムシャの両方で木星がアスペクトバックしたり定座でコンジャンクションし

それぞれ必ず複数のラージャヨーガを繰り出し射手座が恍惚不可避な甘美さで充満している



射手座は一つの極限に向かう飛翔や絶頂といった趣意を持つが

皮肉にも彼の歌声は彼が明け暮れていた大麻の多幸な快美そのものを体現していると言える



しかして背徳を煽る退廃感などとは無縁なほど彼の歌唱は伸びやかに澄んで清く

心の原風景を醸した耽美な酔夢をもたらし

聴けば起きたまま眠りへと迷い込んで行けるような神秘性で時間の外へ向かう超越感がある



ここだけの話であるが

私が鬱病を発症し人生で初めて抗鬱剤を経口摂取した時の「それ」によく似た体感だと言える



彼は現代における顔役でありつつ前時代に隆盛したSDRのライフスタイルを顕現できている

(SDR・・・「Sex / Drug / Rock 'n' Roll」のそれぞれの頭文字を取り端的にその流儀を示した語)



私の主観でしかなくとも彼はその生き様を漏らさず音楽へと昇華できている印象である



そのせいか彼のバックナンバーには非日常なポエジーを湛えた夜の寂莫感を持つ曲が多い





この楽曲もまた大きなヒットを記録したキラーチューンの一つである





この曲はどちらかというと白昼夢のようで虚脱感が残る





今のような寒く寂しい頃合いにはこの曲もよく似合っていると思う




貧 困 と 両 親 不 在 が 生 み 出 し た 心 の 不 和



上述したようにWeeknd氏は孤立無援なエチオピア人の子供としてカナダに生まれ

その所在なさからか11歳の幼さで大麻に手を出し犯罪行為を重ねる少年時代を過ごした



そのバイオグラフィーはラーシ・チャートにも潜在していなければならない





「生家の余裕ぶり」の象意を持った2室支配の火星は「忍耐」の3室で強く傷つけられている



土星はラージャ・ヨーガ・カーラカであってもヴァルゴッタマになり

生来的凶意が高揚並みになってしまうし

金星は今生の彼自身を現すが支配する8室の象意で火星の2室的ポテンシャルを損なわせ

逆に火星と土星の2大凶星に容赦なく心身の余裕を削がれている



家庭生活の素地が根深く否定され続け結局は本人自身がその暮らしに絶望する様子だ

彼の両親は効率の悪い低賃金労働のような働き方しかできない後進国出身の移民である



4室も同様であり

ラーフとコンジャンクションした9室12室支配の水星は

ディスポジターの土星が4室を失うハウスの3室でしつこいほどに傷つけられている

(火星は2室7室支配のマラカで機能的にも凶意しかないことになり土星を強く傷つける)



つまり4室ではほとんど12室の象意の方だけが強く影響するかのようで

「どうせ自分は普通の人間になんてなれない」と諦念を心根に焼き付ける水星である



9室支配星が4室に住むというただそれだけの配置に囚われていると

彼のように心的な不幸を単なる「うぬぼれ」であると浅薄に看過してしまうことだろう



そうした幼い頃に密かに憧れたユートピア的な理想が今の彼を作っているのかも知れない



(なお4室山羊座は彼の実母のラグナであり山羊座ラグナとしてチャートを読み直すと

機能的凶星になった木星が6室双子座から2室水瓶座にアスペクトしてしまい

実母にとっての夫でありWeeknd氏の実父を指す木星が家庭環境を損ねていたと読める)




木 星 期 後 半 で 露 悪 し て い っ た 退 廃 と 背 徳 の 日 々







マハーダシャーにおいて「木星-ケートゥ期」になった頃がちょうど彼の11歳の誕生日後で

既知のバイオグラフィーである薬物依存の第一歩に踏み出してしまった時期である



天秤座ラグナでは木星も3室6室支配の機能的凶星となる不運の惑星で

やはりアスペクトされたハウスやそこに住む星に木星的快楽を「後ろ向き」に与える





木星は逆行してラグナと2室の両方にアスペクトするように働き

つまり4室のラーフと水星にも仮想アスペクトを起こすように影響する



即ちこの木星こそが彼の行く道を誤らせた悪友達の存在であり大麻を指すようだ



9室在住の木星は6室を支配して逆行することで8室牡牛座に住むように振舞うので

つまり犯罪的悪意の核心たる「6室対8室の絡み」が出来ている



特に12歳を過ぎた「木星-金星期」は3室対9室の軸で

ラグナ対3室対6室対8室の絡みを強い生来的吉星が一気通貫に増大させ

毒気豊かな酒池肉林の最奥で熟れた痴情のどん底に沈み切る様を示している



一昔以上も前に当時の欧米社会の記号的大量消費をとことん皮肉った隠喩として

現在に通じるゾンビ映画が作られたそうだが

かつてのWeeknd氏も大麻が電池代わりになって生きている真正ジャンキーだった



彼がこうした一途を辿ったのも

10室支配でラグナ在住の月から4室目に水星が在るだけの配置状況であり

両隣に惑星が不在でかなり悲惨なケマドルマ・ヨーガとなっているためだろう



逆行した木星が本来位置する9室から5室水瓶座の太陽にもアスペクトしているが

太陽は11室(自尊心)を支配してアスペクトバックするために

木星の悪影響を受けることでかなり間違ったプライドを育てていったように見える



その結果が大麻欲しさに積み重ねた犯罪行為という悪弊と

親友と共に一夜にして家出し大麻密売の行商で日銭を稼いで暮らしたジプシーの日々である



彼が家出を決行した時期は木星期終盤の「木星-火星期」ないし「木星-ラーフ期」に当たり

火星は4室から12室目の3室に住んで「自宅を失う」(≒家を出ていく)様相を指し

ラーフはディスポジターの土星がまさに4室支配で3室に住んでいる



しかしこの木星期が完全に終わった頃には機能的吉星の土星が彼の人生を更生し始め

ヴァルゴッタマで3室に住む配置が

アパレルショップの店員という実直な接客業への就職の経験となり彼を大人の青年にさせた



その2年後には冒頭で紹介したインディーズ活動が瞬く間に頭角を現しスターダムへ通じた

今ではリアルタイムで注目され続けるWeeknd氏の人生は奇しくも土星期がもたらしたのだ




何 故 ミ ュ ー ジ シ ャ ン で あ り な が ら

土 星 期 で 成 功 し た か




では何故この現在に土星期というダシャーの最中で彼が世界的アーティストなのかである





現在のダシャーでは土星がダシャムシャの3室に在り「歌手」という立場を示していても

10室やラグナが強いと言える配置はなく初見では運勢の有意な潜在力が見込めない



蟹座ラグナで重要なラージャ・ヨーガ・カーラカの火星も12室に住んでしまっている



おそらくWeeknd氏の場合はこのダシャムシャで生じる2つの強力な星座交換が本質だろう



マハーダシャーの土星はディスポジターの水星が7室山羊座に住んでいる

そして2室在住の木星もディスポジターの太陽が9室魚座に住んでいる



即ち土星は山羊座に住んで復調し水星が本領の乙女座に住むように働き

木星は魚座に伏在するような潜在力で太陽は「生来の才能」の2室に住むが如く自若に働く





太陽と木星は2室対9室のダーナ・ヨーガとスーリヤ・グル・ヨーガを並立し

水星と土星は8室対12室のヴィーパリータ・ラージャ・ヨーガで逆転的吉意を帯びる



その水星土星に対しラージャ・ヨーガ・カーラカの火星がフルにアスペクトしてくる



こうして「芸能」の3室と10室から10室目でその本質たる7室が締まりよく盤石となる



このダシャムシャが如実に影響することで「土星-水星-金星期」だった2019年11月29日に

Weeknd氏の代表曲となった〖Blinding Lights〗がリリースされたのは

もちろんただの偶然ではないと判断できる



マハーダシャーロードやアンタルダシャーロードがラグナや10室にも絡まない配置でも

彼のように変則的にとてもつなく大成する運勢パターンは実在したのである



また一つ優れた特異例が実践的に発見できた好パターンとなった




土 星 期 の 残 り 7 年 4 ヶ月 と

そ の 後 や っ て 来 る 水 星 期






土星期も折り返して2年弱が過ぎ残すところ7年強である

ナヴァムシャを見れば彼が今どれだけ高位安定の上昇期かその7室にしかと明示されている



月が10室魚座に住むことで7室射手座とはケンドラの関係になり

ラグナと月から見て両方で射手座に定座する木星がマハープルシャとなる



ナヴァムシャに限れば木星は機能的凶星であってもマラカにはならず

土星も木星の押し上げるような特急の発展力で8室の凶意を薄められている



今年10月下旬に始まる「土星-火星期」がラーシでマラカの火星と絡んでいる点は要注意だが

ナヴァムシャの木星にはやはりマラカ的凶意がない

焦眉の備考は射手座にアスペクトしてくる6室11室支配の火星が悪さをしないか否かだろう

(木星はマハープルシャだが火星も星座交換して高威力となり五分五分の引き分け感がある)



今年の秋頃に何かあるようであればまたリアルタイムのトランジットを交えて考察したい



Weeknd氏が土星期を円満に踏破したその後の水星期だが

水星をラーシとナヴァムシャでラグナとするとやや物騒なコンディションになってしまう





ラーシではラーフとコンジャンクションし機能的凶星の逆行木星に仮想アスペクトされ

ナヴァムシャではまた機能的凶星の火星と星座交換している



水星はラーシ・ナヴァムシャの両方で木星のアスペクトを受けており

それは果たして吉凶どちらに変転しうる影響力なのかが私には今一つ見極められない



というのも木星はどちらのチャートでも機能的凶星だからである



彼がその頃に音楽を続けているかどうかについても

ラーシとナヴァムシャでギャップが開いているため難しいところだ



ナヴァムシャでは水星から見た9室目に金星が住んでいるが

ラーシでは金星がラージャ・ヨーガ・カーラカになって12室目に置かれてしまっている



特にラーシの水星は両隣に土星と太陽が住んでおりパーパ・カルタリ・ヨーガである



単にスランプに陥っているか後進指導のために現役引退しプロデューサーになるかだろう



まずは土星期の難局を無事に突破してくれることに期待すべきだ






彼の御心に永年の平安が根付くことを祈る



以上



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