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逆行惑星のカルマと闘う─解脱の階段を登りゆくチャート





しばらく閑古鳥だった私の有料鑑定に

やっと久々の依頼者様からご用命をいただけた



※鑑定内容の公表はご本人様より承諾済み※









*****



今回の依頼者様は

「偶然にインド占星術を知ることになり独学してみたがまるで分からなかった」とのことで

この私を見つけて下さったそうだ





ご本人様が

答申後のやり取りで「正看護師の資格があって正社員で勤務もしていました」と仰り

双子座と水瓶座が定座してかなり利発そうな切れ味のある座相に見とれていた私は

またしても自分の習熟不足に恥をかいた



ラグナは牡羊座( 火のサインの男性星座 )で水星と土星も男性星座の方で定座し

4室支配の月が10室からアスペクトバックする所見を眺めるにつけ

「銀行員か経営コンサルタントかな?」とスマートな人物像を私は勝手にモンタージュした





蟹座に住む2室7室支配の金星が月と相互アスペクトし

月は10室に住みながら定座するかのように働くので

「家のような職場で個人に対して直に何かのサービスを行う」という職業になり

10室支配の土星が11室水瓶座で定座しつつ逆行する配置は

即ち土星が病院の表示体になって月と金星の相対軸に働きかけ

ご本人が医師の助手となって病院内で働くその様子をハッキリと描いている



10室11室支配になった土星が11室の方に定座すれば「厳しい目上の監督者」を意味し

しかも機能的凶星で重圧感のキツい土星が逆行までしているのだから

いつどんな時でも激務が絶えなかったということだろう



( 水瓶座は「高度な専門性」を司るサインで精密機器類も意味するが

それら両方が正しく具現化した組織はやはり病院であり水瓶座の土星は医師を指す )





職業の実相・実態を鏡に映したように示すダシャムシャは合点が行く正確さで

10室支配の金星が9室で減衰して水星にバンガされ太陽( 10室の表示体 )まで伴っている



「乙女座で復調する金星」というのがまさにケアマネジメントの職務を明示しており

即ち介助士や看護師の仕事だったのである



ただし9室は10室を失ってしまうハウスで直観的には「仕事運が無い」とも言えるのだが

看護師というのは患者と医師の間を行ったり来たりの精神労働そのものであり

確かにその実務は「やりがいを感じながらバリバリ意欲的に働く」ようなものではない





この20年弱で医療現場は医師不足看護師不足が続いてきたはずで

9室でスーリヤ・ブッダ・ヨーガまで組む稀有な高揚の水星は同時に6室を支配し

ラグナロードで2室にアスペクトバックする土星が7室に逆行して9室にアスペクトするのは

獅子座で現される年長者( =医師 )に理不尽なほどの厳しい采配を下され続けて

それに耐えるためにも気力を擦り減らして心頭滅却する様子だ



いかなる時も患者の健康を左右する責任と向き合うのは本当に9室的な緊張感と言える

( ラグナで高揚の火星が木星とグル・マンガラを組みケートゥを伴う配置が切迫を滲ませる )



「さぞご本人は鋼の如く強い根気で困難に耐えて働き通したのだろう」と思わせるが

依頼者様の吐露したその過去はまたも異なっていた



新卒で勤めた病院は仰る通り先輩方との関係がきっかけで鬱になって辞め、
それから数年して再就職した施設では週5勤務の日勤のみ、人間関係良好、業務内容も病院とは比べられないくらい簡単でしたが、
ルーティン化されているのが嫌だったのか、理由は今でも分かりませんが、
2.3週間ほどで鬱になり体重が10キロほど一気に減り辞めました。


依頼者様はご自身がとてもナイーブで気を病みやすく

いずれにおいても永続性に欠けてしまうようだ





「隠れた敵・生来の弱点」も意味するトリムシャムシャでは

星座交換した水星土星が揃って逆行し

ラグナロードの金星は高揚してヴィーパリータを起こす珍しい所見になっている



水星土星の星座交換は潜在的な悟性の敏感さをもたらすが

互いに逆行しているせいで働き方が内向的になったまま良い影響を生み出さない





星座交換の水星土星に絡んで来る木星も定座の機能的凶星でまたも逆行していて

9室に対しジワジワと凶意を注ぐように働いて「神経衰弱」の状態を作っている



また生来の心そのものを担う月は「孤立」の12室に住んでしまい

相互アスペクトするラグナロードの金星は高揚することで8室( 苦悩 )の象意が極限となる



明らかに人並みの人生を送ることが出来なくなっていくカルマを生まれ持つ方である





逆行した水星土星の星座交換や月と金星の相対は

しかしながら最後には薬効となる「必須の苦行」の行程であり

水星土星の結びつきは5室対9室で月からではラグナ対5室へ改まる



高揚の金星は月の7室目であるため月からでは最高位のマハープルシャにすらなり

それも9室支配に改まって11室支配の月に相当に強い吉意を恵んで来る



心身を擦り減らす根深い困難がそれに等しい悟りをもたらす結果に通じて行く



とても数奇な道のりを淡々と歩んで来れたと言える様子だ



こうした特徴が出ている他の分割図が無いか確かめてみると





「学びの実践」を意味するヴィムシャムシャではラグナロードと木星が星座交換し

ラグナでグル・チャンダラ・ヨーガになる木星は5室へとアスペクトバックする



媚びず退かず顧みず

悟りのために独立独歩する孤高の立志が実っており

2室は火星土星のコンジャンクションで物々しい緊迫感が満ち満ちている



土星がアスペクトバックする4室水瓶座でスーリヤ・ブッダを組む太陽自身も

10室へアスペクトバックして「学び舎を率いる求道者の筆頭格」といった風情である



感悟の才覚を示した分割図のラグナで

公序良俗に背くグル・チャンダラが異様に強く働くのだから

やはりなかなかにカルマ的な様相を誇っている





「グルとしての器量」を見積もれるパンチャムシャは

分割図の当為たる5室支配の木星が4室でラージャ・ヨーガになって再びアスペクトバックし

木星の吉意を受けるラグナロードの太陽も「専念・没頭」の8室で三度スーリヤ・ブッダを組む



対向の2室乙女座もまた火星土星がコンジャンクトし

不穏当ななほどの覚悟が怒張となって漲る様は阿修羅か何かのようである



少しでも精進したいと切望し潔白な決意を備えているが

その士気が強過ぎて自分自身を許すことが出来ず「自壊し潰れて行く」といった様子でもある



こうした因果な心的不自由が何をもたらしたかといえば─



そしてこれまでの間に家がなく道で寝たり
見知らぬ人様のお家を転々としたり、かなりグレーなビジネスをしたり、
もっともっと他にも、今となっては何故そうなったか分からない不思議な道をいっぱい踏んできました。


「人並みに普通に生きる」ことが何故か間違っていると思い

素直に正しい道のりを歩こうとしなかったがために

しっかりと “ キツい回り道 ” を通る羽目になったようだ



言葉に出来ないもどかしい苦悩を奥の奥まで見破ることに執念を費やした結果

半端ではない本物の世捨て人にならざるを得なかったのだろう



短い人生の時間においてどうしても悟りを得たいとする渇望は

女性としての人並みな生き方をほぼ完全に破壊してしまったのである





「後年の人生で現れるカルマ」を描いたナヴァムシャでは

やはりラグナ対7室の配置と2室の惑星集中が相違する所見になっている



ラグナでケートゥとコンジャンクトするのは揃ってマラカの水星金星で

水星はそれでも7室のラーフにアスペクトバックし

生来的吉星がラーフケートゥ軸に住み人間関係において極端な巡り会いが起こる





7室を生来的吉星が支配してラグナに住めば「出会い運が良く役得にも恵まれる」はずだが

射手座ラグナでは水星が機能的凶星のマラカで逆行していれば吉意が全く無いことになり

同じくマラカの金星は6室11室支配でその凶悪さは水星を上回ってしまう



一方で2室山羊座に住んだ太陽と火星は9室と5室12室の支配星でかなり良い影響を与える



コンジャンクトした減衰のラグナロードの木星はディスポジターが魚座に住んだ土星で

星座交換により少しずつ吉意を取り戻すが木星に影響してくる土星も逆行するマラカである



毒気の強いマラカの逆行土星と結びついた木星自身も逆行することで仮想的に定座し

マラカの水星金星と潜在的に絡んでしまいつつ次第にどうにか正気を取り戻すことになる



2室でコンジャンクトした火星太陽は特に火星の方が高揚して機能的吉意を増大させ

逆行していないため太陽と木星に良い影響のみを与えるように働く





木星とグル・マンガラ・ヨーガを組む高揚の火星は「パートナー」を指すダラ・カーラカで

減衰したラグナロードをニーチャ・バンガする機能的吉星であることから

( マラカの土星が邪魔をする悪影響があっても )迷いの深いご本人を叱正する相手を意味する



誘惑が多く間違いも重ねるが

やがては出会うべくして正しい出会いに辿り着き

過ちを帳消しにするほど強く厚く学びを育てる人生を

この方は必ず成し遂げるはずである





「願望成就・達成」の11室の象意が拡大したエカダシャムシャは

この通りまた木星がラグナロードの土星と星座交換し木星は肝心な11室支配で

ラグナにアスペクトバックする土星は逆行しても12室の方に再びアスペクトバックする



11室の本質たる9室に住んだ月もまた金星と星座交換し

金星は機能的にも吉星化した最高の吉意を6室で大いに強く発散する



すぐに投げ出してしまったかつての看護師の実務は

本来的には「何であれ人を助け人のために働きたい」とした善意の現れだったと言える



木星土星の星座交換は正しい現実主義や進歩的な未来志向の性格を生み出すが

お互いに逆行してまっているとその感じ方考え方を複雑で不器用にさせる



根が深く枝分かれして入り組んだかのような気難しさが

酷く遠い回り道を強いておきながらも

経験させられることで後に多くのことに気づく賢明さの種になったのである




その近未来とは






この依頼者様のダシャーは今まさに人生が動く正念場の「ラーフ-金星期」であり

それも絡みの有無次第で大きく左右される「ラーフ-金星-土星期」の佳境を進んでいる





「9×5」でカルマの特徴が本人の性格に現れる様を模写したD45では

ラーフのディスポジターの木星が9室の金星へと逆行し

土星は12室に逆行して高揚するとディスポジターの金星へ仮想的にアスペクトする



蠍座ラグナで2室5室支配の大吉星となった木星が金星と土星両方に絡んで保護を与え

ラグナと9室と10室が絡むのだから確実に良い果報が巡って来ている時節の途中である



インド占星術を不意に知ることになり

私に鑑定依頼を下さったのも偶然ではなかったようだ





そして約2か月後の今夏には「ラーフ-金星-水星期」に移り

ナヴァムシャとダシャムシャ等でも吉意の絡みが十全に見受けられる





ナヴァムシャではラーフにアスペクトバックする水星が金星とコンジャンクトし

最重要なラグナで主要ダシャーが完結するため客観的にも大きな前進が起こる一時となる





ダシャムシャは表向きのキャリアアップと言える絡み方にならないが

ダシャムシャの当為たる10室支配の金星を高揚の水星がバンガし

それら両者と絡んだ12室の月がラーフのディスポジターである



依頼者様の現行ダシャーは7室のラーフと10室支配の金星が絡む重要な時運で

水星が金星をバンガすることで「奮闘必至ながら再出発できる」と言えそうな所見だ





改めて確かめたアクシャヴェーダムシャも上々の絡みであり

木星に逆行される金星に対し4室水瓶座の水星が逆行して相対する



逆行したしぶといマラカの水星は相互アスペクトする木星に強い吉意で中和され

悪意の表示体としての働き方を弱めつつ「獲得」の11室の象意を時運上で顕現させる



何か行動を起こしてみたい頃合いだろうし

チャレンジすればしただけの良い手応えがあるはずだ



蠍座ラグナで吉凶が揺らぐ敏感な金星は月と木星に挟まれたシューバ・カルタリ・ヨーガで

しかも逆行してきた木星は高揚するため金星をより更に守って吉意方向に押し上げる



今回こうして鹿村さんのお言葉を借りて自分のことを客観的に、
そして大きな枠組みの中で知ることができて、
記憶の自分から改めてまた更に距離を置くことができそうだな、と感じました。
「自分」の性質だし「自分」の話だけどその「自分」とはまた違う、という感じです。
特に後半からは
「どうせ分からんのやからぶつかって感じろー!」
「ぶつかるのが楽しいんやー!」
「これでいいんやー!」
「どの道もそうなんやー!」
とチャートたち(?)に言われている気がして、
「目上の相手から教育を受ける傾向があり、それがまるで仕事の一部のよう」という言葉は、
毎日出会う人々も意味すると思いますが、いわゆるお天道様と言いますか、
感知すらできない大きなものも含まれるように感じました。
感知する頃には、いけるぞー!な自分の声になっているのかなと思いました。


今回の私の鑑定にこのようにとても率直にお考えを述べていただいた依頼者様は

ご自身の深まりつつある達観を再確認できたご様子である



今年の後半頃には私を驚かせる朗報を携えて再びお声がけ下さることを期待している




陰ながら

応援しております




以上

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