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松本秀人(Hide)氏のラグナ検証

更新日:2022年1月30日




Hideこと松本秀人氏

私より少し先輩の世代であれば説明が要らないほどの方である



何から語ればいいか分からない崇高なレジェンドの一角であり

リアルタイムで知っていた方ではあっても私個人の思い出にHide氏の影響はほとんどない



それでもHide氏について書いてみようと思ったのは

生前のエピソードを知るほどにお世辞抜きでとても奥ゆかしい人柄であるところが大きい



ネット上で見聞できる彼の生い立ちを素地にラグナを予想していくとおそらく以下の通りだ





ラーシでは音楽の表示体である金星が2室(生来の才能)を支配してマハープルシャになり

ラグナには5室の結果である9室を支配する木星がラージャ・ヨーガの形で金星と対向する



9室12室支配で優美な芸術の表示体になる木星と音楽を意味する金星が相互アスペクトし

金星と木星が9室対7室の絡みで更にまたラージャ・ヨーガになっている



ナヴァムシャでも5室(音楽)に惑星集中が起こり9室支配の木星が9室の本質である5室に住む

その5室で定座するヨーガ・カーラカの火星に土星が絡んでなおもラージャ・ヨーガを組む

またラグナロードの月が「芸能」の3室支配の水星と星座交換さえ起こしている



間違いなく新しい時代の新しい音楽に人生を捧げるために出来してきた魂である



ラーシだけでも特異な才能が顕現した眩しいくらいの個性が完成している

それをまた強く焚きつけるのが5室11室で対向するラグナ対10室のラージャ・ヨーガである

火星と土星の相互アスペクトは筆舌できない猛威や時におぞましささえ伴うが

それはやはり一つの時代を築き上げた「X japan」という名跡の威光を切り取った一側面だ







Xjapanは美と愛などの幼さや純粋さを激しいサウンドと狂気あるヴィジュアルで表現し

その音楽的な基礎とした欧米のハードロックやパンクロックとは全く違う「孤独感」がある



今では散々もてはやされて陳腐になったスタイルだが

彼らのロックとは「忘れかけ失いそうになっている真の自分自身」を取り戻すために

この世界に敵愾心を掲げそれをレゾンデートル(生きる理由)にし自らの命を歌う意志である



彼らの重たく厳しいメークと衣装のイメージはそうした心根の奥から貫く決意の表れであり

原初のロック的価値観である「それでも俺は俺自身だ」という矜持を希薄に昇華させている



だからこそXjapanは清らかで夢想感がある優しい楽曲も多いのだ

染められず汚されないままの裸の自分をそっと見せるような儚い憧憬を描いたり

全身全霊の感情をありのまま限界まで伝えようとする覚悟が激しいサウンドで生み出される








すでにしっかりと形になったXjapanのイメージを遠巻きになぞりながら

「RustyNail」を何度か聴いたが

激烈な個性の眩しさに感じ入るばかりで

実はこの曲が失恋の悲哀を謳う詩歌であることに後々からやっと気がつき

自分の理解の浅さに急に感動が醒めたのを憶えている



私もまた彼らを知らない大人達同様に「その時代特有のイロモノ」としか思っていなかった

むしろその素直さが裏返ってしまった背反の情を叫ぶ姿こそがXjapanの心象風景である





ミュージシャン的な才能がいかほど優れているかは上述した通りだが

最も特筆すべきはラグナロードの火星が5室(音楽)支配の太陽と星座交換する所見だ



男性の惑星同士の交わりで「明確な創意」の5室が「感受・無我」の8室と影響し合う

そして8室は両隣を吉星で挟まれてシューバ・カルタリとなり

厚い吉意に彩られつつ「悟性や諦念」をもたらすケートゥが音楽性を霊妙に透過させている



J-Rockで典型的な「激情の中で自らの非業を嘆いたり未来への憧れを呟く」孤独と慕情は

Hide氏のソロ楽曲にもよく表れていて暗く危うい青春のペルソナが謳われている







この「DICE」は 

そうしたくすぶる負の忌避感と秘められた深い霊夢に眠る花のつぼみ(超自我)との対話で

憧れている自己像を探し

現実の自己から乖離した没我と虚無の中で命の陰影を描いている



実に哲学色に富んだ絶妙な美的感性を写実できている印象である



単にやかましいだけの散発的なファッションとしてのロックとはあまりに質が異なっている



悩み苦しんでいる姿がとても重たく悲痛で独特の霊格さえ滲むかのようであり

こうしたインスピレーションがHide氏のチャートを牡羊座ラグナとした根拠でもある

5室と8室が凶星で星座交換しそこにケートゥが絡まなければこれほどの抽象性は宿らない



一方で



Hide氏のラグナに住む木星はラージャ・ヨーガで逆行しており

5室と12室の両方にアスペクトが起こるかのように働く


12室には月が住み即ちガージャ・ケーサリ・ヨーガのような潜在力があるだろうし

凶星同士で成立した陰惨な険しい星座交換の火星(ラグナロード)に機能的吉意を恵んでいる



そのせいかHide氏はお構いなしのヤンチャさの中に素直さとユーモアを隠しているようだ





こんなコミックソングを書いたりするのだからHide氏は何も粗暴なだけの人ではないのだ

事実お笑いへの嗜好というのも氏は持っていたとされ好きな芸人の話をしたこともある

(往年のダウンタウンが氏の好みだったそうだ)




H i d e 氏 の 生 い 立 ち に つ い て




興味深いエピソードが今も伝えられるHide氏のバイオグラフィーを振り返ってみる




(Wikipediaに要約がまとめられているので以下に抜粋する)


(出典 : hide - Wikipedia )

少年時代は肥満から来るコンプレックスのため、内気で大人しい子供であった。小学生のころ、太っている生徒は休み時間校庭を走らされるという罰があり、その中にhideも入っていた。この頃、深夜ラジオでロックに出会い、「ロックミュージシャンは痩せてなくては」と、ダイエットしたという。学習塾や習いごとに忙しく通っていた。祖父の「松本家から医者を出せ」という命令もあり、卒業文集では「医者になって見離された患者さんを助けてあげたい」と綴った。


とある



この幼少期の生い立ちにチャートがどう照応しうるかが肝であった





まず単純な配置の所見から言えるのは「ラグナに住む木星」が与える肉体への影響力である

機能的に吉意だけ持った木星はラグナに住むことで本人を豊満な容貌にさせる

(なお安倍晋三元総理も同じ配置だが木星が病気の6室を支配して高揚するため痩せている)







にわかには信じられないがこの写真の少年がかつてのHide氏とされる

(上記画像引用元および参考文献 : XJAPANのHIDEの死因の真相が判明! 自殺と事故死の謎について | おひまねた (ohimaneta.com) )



生まれつきの体質だったのかというとそうではないらしく

氏の生家の実母が料理好きの家庭的な女性だったためだと伝えられる




(上記画像引用元および参考文献 : 「伝説はここから始まった」目立たなかった少年・松本秀人が"X JAPANのhide"になるまで hideの素顔に隠された伝説 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン))



こうした境遇は

おそらく12室魚座に住む月に木星が逆行し12室から4室へ仮想アスペクトする配置に因む



母親を指す月が「自己犠牲・献身」の象意もある女性星座の魚座に住んで

ディスポジターで機能的にも吉星の木星がコンジャンクションするように働きうるためだ

(なお本来の配置では木星が7室で定座の「食べること」の2室を支配する金星に吉意を与える)



また木星が9室を支配してグル(老師)の象意を強めるのが牡羊座ラグナだが

それは即ち祖父母が人間的に豊かな素養を含んだ好人物であることを意味する



上記で抜粋した文献の詳述には美容院を営む祖母からの影響も指摘されている



氏の祖母は私服の趣味としてインド民族の平服のサリーを着ていたそうで

そんな稀有で優雅な祖母の影響から氏は段々と垢抜けていったようである







ラグナに9室12室支配の木星が住むことでHide氏は祖父母から良い影響を受けていたはずで

その木星が自室へ逆行する配置は祖父母に12室と魚座の持つ「外国」の象意が働く所見である



(偶然だとは思うが木星がインドの文化を指示する所見には本当に感心させられる)




ロ ッ ク 音 楽 と の 出 会 い




中学2年の頃に氏は友人からある洋楽を録音したカセットテープを受け取る

そのカセットテープから聞こえてきたのはアメリカのロックバンドKISSの楽曲だった






そこから彼は次第にロックに影響されるようになったとのことだ