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執筆者の写真鹿村文助

東インドの伝統的占術師の当主サンジェイ・ラス氏について

更新日:2023年8月11日







東インドの沿岸地域に位置するオリッサ州で

代々ジョーティッシュを実践研究する家の当主という占術師の生年月日を偶然に知れた





上記データに従ってチャートを出力してみる

















Sanjay Rath belongs to a traditional family of astrologers from Bira Balabhadrapur Sasan village of Puri, Orissa, which trace their lineage back to Shri Achyuta Das (Sri Achyutananda). Sanjay studied under his uncle, late Pandit Kasinath Rath. His grandfather, the late Pandit Jagannath Rath, was the Jyotish Ratna of Orissa and authored many books on Jyotish. He began his studies at a tender age, and received the depth of Jyotish only found among those who have been trained in the ancient traditional way of the parampara. He later became a graduate of mechanical engineering and worked for some time with the Government of India. Leaving government service to devote himself completely to Jyotisha, he has the depth of the ancient knowledge with the ability to communicate it to the modern mind.
サンジェイ・ラスは、オリッサ州プリのビラ・バラバドラプール・ササン村出身の伝統的な占星術師の家系に属しており、その系譜はシュリ・アチュタ・ダス(シュリ・アチュタナンダ)にまで遡ります。サンジェイは叔父の故パンディット・カシナト・ラスに師事した。彼の祖父である故パンディット・ジャガンナート・ラスは、オリッサ州のジョーティッシュ・ラトナであり、ジョーティッシュに関する多くの本を執筆しました。彼は幼い頃から勉強を始め、古代の伝統的なパランパラの方法で訓練を受けた人だけが得られるジョーティッシュの深みを学びました。その後、彼は機械工学を卒業し、インド政府でしばらく働きました。政府の奉仕を離れ、ジョーティシャに完全に専念する彼は、古代の深い知識とそれを現代の心に伝える能力を持っています。




手始めにラーシで特徴的な配置を注視すると

機能的にも吉星でラグナに定座した滋味豊麗なマハープルシャの木星は

「後天的自己像・家族」を指し「支えてくれる相手」等の趣意もあるアマティア・カーラカで

ラス氏ご本人がグルである以上にその家系自体が教育者の系統たる事実を確かに明示する

( 月は12室に住むためつまり木星が月の2室目で定座しその意味が強調されている )





ナヴァムシャでも木星が直に2室を支配し「コミュニティ」を強く表意した4室水瓶座に住む



木星と対向したヴァルゴッタマの水星は8室11室支配でハードな凶星だが

蠍座ラグナではやはり木星が完全な吉星となって清浄な吉意のアスペクトを与え

獅子座へ逆行してくるキツいマラカの土星も同じように木星に凶意を中和されている



水星土星は理性や識別力を担う表示体で

それらが揃って10室に絡むのは確実にグルとしての権威を指す



逆行する土星を見て気が付くのは

土星が太陽との仮想的な星座交換を起こしていることであり

3室4室対10室でそれも太陽と土星であるため

ラス氏が教師( 太陽 )となって徒弟ら( 土星 )を忍耐強く指導する姿が描かれているのが分かる



優良な木星一つを眺めただけでも

高名なジョーティシャーである証拠がいとも簡単に示されており感心しきりである





他方でダシャムシャはというと

月の7室目でラーフが水瓶座に住んで二重に「エンジニア」の職能を励起し

ラーフのディスポジターの土星が月の10室目で諸般の軽工業・重工業を指す牡牛座に住む



土星は牡羊座に逆行して減衰しつつ対向の天秤座で太陽も減衰してニーチャ・バンガになり

太陽の方は6室支配でパラーシャラの例外則でもあり何か特別な厚遇を受けられる所見だ



その後、彼は機械工学を卒業し、インド政府でしばらく働きました。

という経歴はダシャムシャのこの有意な絡みで説明できているようだ



( ラーシでは10室に住むケートゥに土星が逆行し火星もアスペクトした「整備技師」の所見だ )



肝心なジョーティッシュ・グルとしての仕事ぶり自体は強くなった火星と水星の絡みであり

乙女座でヴァルゴッタマの火星がディスポジターの水星にアスペクトし

火星は9室対7室のラージャ・ヨーガで水星は10室からアスペクトバックする7室の支配星だ



火星と水星が互いに吉意を帯びてケンドラの絡みを作り知的な緊張感が滲んでいる



ダシャムシャのラグナ自体がヴァルゴッタマで木星はラーシ以上に強力な高揚の配置となり

4室7室支配の水星のディスポジターがその木星となる絡みは

疑う余地もなく知的なパフォーマンスを誇るグルの実力が約束された所見である





「両親と各々の家柄」等を示したD12では

火星土星が星座交換するハードな所見が出来ており

火星はこの分割図で重要な「母親」の4室と「父親」の9室の支配星であるため

氏は幼少からジョーティッシュのトレーニー( 実習生 )同然の扱いを両親に受けていたはずだ



ラグナロードの太陽は8室魚座に住んでまたもラーシとの相関を持ち

両隣を火星とラーフが挟んだパーパ・カルタリで

ラグナに対しては星座交換の火星土星がアスペクトする



即ち両親から受けたであろう洗礼の施しは生易しいものではなく

「グルの家」に生まれ落ちた者としてある種の帝王学を叩き込まれた様子である




当主としてジョーティッシュに専任したのはいつか




彼は幼い頃から勉強を始め、古代の伝統的なパランパラの方法で訓練を受けた人だけが得られるジョーティッシュの深みを学びました。その後、彼は機械工学を卒業し、インド政府でしばらく働きました。政府の奉仕を離れ、ジョーティシャに完全に専念する彼は、古代の深い知識とそれを現代の心に伝える能力を持っています。


過去のダシャーから考えると

ラス氏がジョーティッシュの求道者となったのは凡そ「土星-月期」の頃からである





月は最重要なシャスティアムシャでは高揚した理想のラグナロードで

月に逆行してくる土星は月から見て9室10室支配の最良なヨーガ・カーラカだからだ





特に「土星-月-木星期」は土星が逆行して月と重なりつつ木星にもアスペクトして見事に絡み

ラグナで最上級のマハープルシャを繰り出す木星が月から見た3室目で

明らかにジョーティッシュを実践する指導教官のような姿を写実しているのが分かる



土星は月から見て9室支配で木星は本来のラグナから9室を支配し

木星のディスポジターとなった月が仮想的に土星とコンジャンクトするので

若干27歳にしてラス氏は老練なグルのような法悦の恵みが沸き起こったはずだろう





シャスティアムシャの下位互換チャートで「父方のカルマ」を意味するとされるD45でも

土星は11室蟹座に逆行して月と相互アスペクトで星座交換し木星が蟹座にアスペクトする



7室と5室と11室が絡んで全く新しい取り組みの始まりを指し示しながらも

土星が6室にアスペクトバックも起こすことで「それまで続いた営為の途絶」が同時に起こる



土星とコンジャンクトした火星の方も太陽と星座交換しており

おそらく上記のダシャーで工業技研の執務要員と思しき高等な職位を自ら辞したのである





「グルとしての器量」を写すパンチャムシャは

月とコンジャンクトした減衰の金星が土星のディスポジターで位置関係でも絡みが生じ

相対する木星と月( ガージャ・ケーサリ )に金星が巻き込まれて土星がその影響を受ける



土星はこの分割図で重要なラグナロードであり

全ダシャーの絡みはラグナ対7室対12室という「秘儀の授受」と言える様相を醸す



まるでグルとしての開眼の第一歩を明示するかのようだ





「独立・自己実現」のD11も如実な絡みがあった頃で

月にアスペクトバックできる土星は逆行すると木星と星座交換も起こし

木星のディスポジターが月のディスポジターでもあるため

月と木星が間接的に絡んで時運が強く励起される





「霊的な実践」を意味するD20ではかなり明確な吉意の絡みが万端に起きていて

9室で生じたガージャ・ケーサリはディスポジターがトリコーナの相関を持った土星だ



土星は氏のアートマ・カーラカで月は「アシュラム」を意味するマトゥリ・カーラカである



この時から30年以上に亘って

ラス氏はジョーティッシュの古典に基づく知見の普及に尽力している




現在のサンジェイ・ラス氏の時運






現在の氏は「金星-金星-月期」に入って1ヶ月ほどを経たところだ



ラーシにおいて月は金星のディスポジターで3室と5室の支配星が絡んでいて

それも女性を指す生来的吉星同士であり

これまでの功績がインド国内で女性や子供を含む大衆から称賛される頃だと言える





ナヴァムシャも明快な強い絡みがあり

ラグナで火星と星座交換した高威力な金星は月とトリコーナの位置関係で

9室対7室12室という霊的達成が実った珠玉の栄達を思わせる







氏のFacebookの投稿記事を拝見すると

北インド式チャート以外にも曼荼羅のような形をした異流派の図表が用いられており

「東インド方式」と呼んでよいような伝統の秘術がやはりあるようだ





ダシャムシャでも金星がヴァルゴッタマでダシャーの吉意が無事に顕現しうる時である





D20は特に素晴らしく9室で全ての経験が完結し甘露な達成を実現しうる時だ







こうしたジョーティッシュの秘伝継承はインド国内各地で今も精力的に試みられている



ラオ太師のみならず

幽玄な霊験を秘めた先達各位の誰か一人にでもいつかお会いすることが私の悲願でもある



やはり私のジョーティッシュ修行は積もって行く塵芥の始まりでしかない

願わくばいつかインドに旅立ってみたい



以上

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