来世の自分を映す分割図「アシュトッタラムシャ」(D108)について

ずっと以前に最も深い分割図のD150のラグナがほぼ特定できたことで
私はかなり満足してしまっていたが
やはり改めて実用する機会が無い分割図は情報収集していれば見つかるものだ
今回は次の人生の縮図であり今生の傾向も類推できるD108をピックアップしたい


先ずD108についての概略を説明した英語サイトを以下に示す

「2番目のトリコン」やら「3番目のトリコン」という表現は
ジョーティッシュでトリコーナ(1-5-9)の三角形がカルマの浄化と成熟になることを指す
生まれてから老いて死を迎えるまでのサイクルが12室のハウスで表象される概念に従い
過去生の写像のネガポジを反転した「魂の作用と反作用」をD12が端的に暗示する前提から
それをトリコーナの数で積算していった結果がD60やD108であると定義しているのである

D60同様にD108はより細密な秘伝の演算技法でラーシとD60のハウスの配置を累積し
各々の配置が与えた健全・不健全の痕跡が底深く凝集された結果がD108の配置だとする

※「swarashi」(スワラシ)は定座を意味し「ucch」(ウッチャ)は高揚惑星を指す※
D108はその数字の通り古代仏教的な輪廻転生の秘術で魂の成長を見通した「診断書」だ
これほどに魂の方向性やその曖昧な良し悪しを示せる占術はジョーティッシュくらいだろう



「モクシャ」とはご存知の方も在るかと思うが悟りの途上で得ていく学びのことである

非情に興味深い技法が多く述べられてある
今回はほぼ自分自身のためだけにこのD108をゲーム感覚で読んでみたい

D108は「生まれ直すべきか否か」を見える化しているチャートで
即ちそのその12室は生まれ直すという経験が否定されるハウスであり
その支配星の在住位置で残された課題と学び(=カルマの残債)が分かるとされる
私の今生でアートマ・カーラカの火星がこのチャートでは見事に12室の支配星だ
その火星は7室12室を支配して4室獅子座に住む
出生時刻の厳正さが肝心な焦点だが私はこの地球にあと4回も生まれ直す予定が控えている
そしてD108とは今生の道筋のゴール(死)の後に続く2週目のマラソンとも言えるので
2週目で未来の自分が出せるであろう良いスコアはD108の10室で示されるのである
拡大解釈になってしまうがそれは今生で自分が秘めているポテンシャルのように働くらしい
D108は有り難いことに土星が9室10室支配で最高のラージャ・ヨーガとなる牡牛座ラグナだ
10室で定座したシャシャ・ヨーガの土星は火星と対向しながら9室へと逆行している
やはり水瓶座でマハープルシャでありつつもう一つの自室へと内向するように働くので
私は来世でもそれ相応の高い地位を約束されていながらまた夢現な所在なさで生きている
その土星が逆行した9室山羊座には3室支配の月と4室支配の太陽がコンジャンクションする
新月の出生なのかどうか定かでないが来世の私はかなり繊細で複雑な気難しい性格のようだ
4室に住んだ火星は12室を支配して10室で定座の9室も支配する土星と向かい合う
9室と12室が生来的凶星で火花を散らすように厳めしい様相を醸していて酷くものものしい

来世のラグナロードの金星はまたも乙女座の「ハスタ」に住み減衰してラーフに傷つけられる
私のラーシの月は厳密には「ウッタラ・パールグニー」で「ハスタ」はラグナの位置である
この配置を見るに「まだまだ私はこの生き様を変えられないんだな」と反省する外なかった

今生の私の月は強くも弱くもないがラグナロードは太陽と火星の板挟みで強く傷ついている
D108ではラグナロードの配置自体が傷ついた所見でそれ以外の凶意のアスペクトがない
ただしその金星のディスポジターの水星はD1と似たように逆行の火星土星と絡みを起こす
D1で月のディスポジターの水星は10室で定座して強いにも拘わらず太陽と火星が傷つける
太陽は12室を支配した生来的凶星で機能的にも凶星化し火星は3室8室支配の大凶星であり
月は4室目と10室目に丁度ディスポジターの水星と火星と太陽が住みケマドルマを回避する
月は凶意のヨーガを受けずに済むが4室目の火星がヴァルゴッタマで太陽はディグバラだ
これではケマドルマ・ヨーガにこそならないが理不尽な心的困難はケマドルマと大差が無い

月の2室目で定座する土星は逆行してくる上に月のケンドラには水星しか住んでいない
月の2室目か12室目に星が住めばそれだけでもケマドルマはバンガされるが
私のD108の月には土星が逆行してきてしまい月には7室目から水星が対向してくるだけだ
おまけに水星はラグナロードの金星のディスポジターで火星と土星の両方が絡んでしまう
来世の私も負けず劣らずハンディキャップが生きたまま「悪目立ちしやすい」チャートである
しかし来世の人生は福徳もちゃんとあると見えて木星とケートゥが良い配置を実現している
木星は機能的凶星だがラグナと対向するため金星が弱いニーチャ・バンガとなり
木星は11室へアスペクトバックすることでそこに住むケートゥが吉星化し11室が守られる
4室獅子座に住む火星はその木星に牽制球を投げるようにアスペクトして12室の象意を与え
木星がディスポジターからアスペクトを返されてマイルドな抑制を受けた状態となる
そして木星は9室目のアスペクトを水星に与え陰鬱気味な知的精神性が内向し過ぎずに済む
第三者からは賢いと思われても実際は大いに不器用で心的徒労の多い様が今の私と似ている
7室の木星は性別に関係なく交友する相手が尽きないことを意味するが8室11室支配の凶星だ
時に相手から利用されたりしながら一長一短な関係が続いていくのも今生のそれに等しい
去年まで泥沼状態だった私の8室のラーフがもたらす経験とよく似ているのが7室の木星だ

D108の7室の木星はD10のラグナと同じでアートマ・カーラカの火星や2室双子座が有意だ

ラーシでアートマ・カーラカの火星が住むナクシャトラにD108の月が住んでいる
「ウッタラ・アシャーダー」は蟹座の「プシュヤ」によく似て誠実で利他的な性格に恵まれる
今生のアートマ・カーラカが住むその「ウッタラ・アシャーダー」の支配星は太陽である
そして太陽は月とほぼ1ハウス分ほど離れているが太陽のナクシャトラは「ダニシュター」で
奇遇というか何と言うかその支配星はまた火星である
月はそのナクシャトラの支配星である太陽とギリギリ同じ山羊座に住んでシナジーを帯びて
それが9室であるため来世の私は根強い克己心で勤勉に何かを学んでいる様子だ
ラグナロードの金星も5室(学問)で減衰し6室の象意が失われてパラーシャラの例外則になる
その頃の私は余計に気難しく憂鬱質だが自立心(自律心)が旺盛で職人肌の気性で生きている
4室に住む火星も3室蟹座へ逆行するので減衰してしまうような弱さがあるが
3室で減衰するのでパラーシャラの例外則のようにも振舞う潜在力が期待できそうだ

また面白いのは9室山羊座を父親のラグナとして見た場合の配置の強さである
7室支配の月と8室支配の太陽がラグナに住み公私の区別が無さそうな生活ぶりで
ラグナロードは2室で定座しながらラグナに逆行してマハープルシャのようになる
ヨーガ・カーラカの金星が9室で減衰のラージャ・ヨーガになって3室にアスペクトし
ケートゥの住んだ3室は魚座であるため何やら宗教家か創作芸術を職業としているらしい
その評価と実際の支持が随分と熱烈な様相で
11室蠍座に木星が住むだけでなく木星のアスペクト位置へと火星が逆行し
火星そのものも4室目のアスペクトを木星に起こしながら減衰してしまうように振舞うため
8室獅子座の火星という激越的な狂気が猛るはずの配置が慇懃な信仰心へと変容している
火星の粗暴さが木星に鎮火されて毒気の無い熱意になっていて
山羊座から見た7室には6室9室支配の水星が住んで木星からアスペクトされ
その水星のディスポジターの月はラグナの山羊座からアスペクトバックする