
今年の春から最近にかけて
昨年に父親になったばかりの方が私に鑑定依頼を下さった
そのご依頼者様は驚くほど正確にご実子様の出生時刻を記録していたため
ありとあらゆる分割図を自在に用いて未来予想を高精度に行える稀有な例となった
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このお子様の特異な座相は月が弱いケマドルマになったまま強いということであり
月と木星が相対したガージャ・ケーサリで木星はアスペクトバックで強く働き
木星にアスペクトしてくる定座の土星は山羊座に逆行して天秤座にもアスペクトし
つまりは天秤座と牡羊座の軸がダブルトランジットになっていたタイミングで出生している
逆行しない木星が月に2室5室支配の純粋な吉意を恵み
土星は逆にマラカになって逆行しても定座する高威力な凶意で月を傷つけており
その木星と土星のアスペクトは獅子座に住むラグナロードの火星にも起きていて
月とラグナロードが揃ってダブルトランジットの影響を受けるカルマ的な所見である
ケートゥとコンジャンクトしてしまった月はアートマ・カーラカで「身体の表示体」になり
ジャイミニ・ルールでは獅子座の惑星集中と水瓶座の土星からジャイミニアスペクトされ
獅子座に対し天秤座の月はアスペクトし返して月に多くのカーラカが影響した座相を作り
即ちジャイミニにおけるラージャ・ヨーガと見なす配置である
( また月はディスポジターの金星とも相互アスペクトした明確なラージャ・ヨーガでもある )
しかし月に対するこの多重アスペクトはアマティア・カーラカやプトラ・カーラカが含まれず
従って強い凶兆のため幼児期の今現在は虚弱気味で養護の度合いが高い状態とも言える
( ダラ・カーラカの水星とグナティ・カーラカの金星がコンジャンクトするのは危険な座相だ )

改めてラーシを見直すと
ヴィムショッタリ・ダシャーでは「木星-ケートゥ-水星期」で
木星にアスペクトされる獅子座の惑星集中には牡羊座から見てマラカの金星が含まれ
金星はケートゥのディスポジターとなった2室7室支配の強烈なマラカになってしまうが
牡羊座から見た木星は9室12室支配で吉意最高の機能的吉星で保護をもたらしている
本来のラグナロードである火星も
木星にアスペクトされながら自室の蠍座にアスペクトバックしており
それは牡羊座から見た8室( 寿命 )であることから
次第に健康が増強されて体質が良くなっていく所見だと言ってよい
( よく見ると火星は本来のラグナから10室目に住んだディグバラでほぼ不安材料がない )

ナヴァムシャの方も診てみると
こちらでは「傷病」の6室に惑星集中が起こっており
つまりアンタルダシャーが月期になると疾病と受傷の危険が高まるはずだが
10室から4室にアスペクトバックできるラグナロードの木星が6室にもアスペクトし
機能的にも吉星化した木星の保護を受けることから
一先ずマハーダシャーが月期になる78歳頃までは健康を苦慮する必要がない
( 月ラグナからでは月自体が「健康」の3室支配で木星にアスペクトされるのでむしろ丈夫だ )
「土星-水星期」に迎える俳優業の創始
やっと本題に入るが
私の見立てた限りではこのお子様は遅くとも12歳頃に子役俳優として活動を始めるようだ


ラーシではそもそも土星が「芸能業界」を意味する4室に定座したシャシャ・ヨーガで
水星は8室11室支配のマラカであっても8室支配の火星や12室支配の金星と絡んでおり
10室でドゥシュタナの象意が全て揃った激烈なヴィーパリータになっている
そこへ木星がアスペクトして保護を与えつつ
木星自体も2室( 起業 )にアスペクトバックしている
「職業・社会運」で様々なカルマを担う10室と水瓶座の土星が相互アスペクトする座相は
「キャリア」の4室と「客観的なステータス」の10室が明確に相乗効果を生じる強い所見であり
ほぼこの頃にはオーディションを受ける等してドラマ出演を果たせているほどの様子である
そもそも土星期はラーシの4室で水瓶座のシャシャ・ヨーガになるので
「芸能業」の3室も支配した土星のマハーダシャーにおていは
水瓶座が意味する放送業界に縁が持てる頃であり芸能事務所等に入所できる時運である
あるいは

5歳の時点では「木星-火星-ラーフ期」において
逆行した土星が火星と仮想的に星座交換して木星と相対したようになり
ラーフのディスポジターの金星が5室10室支配で8室に逆行し
そこへ火星が8室目のアスペクトを起こしているため
早ければこの時点でも子役俳優専門の事務所に合格しているかも知れない
一方で

ドレッカナはその頃の時運が座相的にかなり悪く
木星が10室にアスペクトバックできるのは良いとして
「傷病」の6室でマラカの水星・金星がコンジャンクトし
そこへ更にマラカの土星がアスペクトしてしまう強い凶兆が生じる
ドレッカナでは
この時の主要ダシャーが全てトリコーナの位置関係になるので
何か吉意的経験があるとも言える所見であっても
やはり無理をすると健康にかなりの悪影響が出る時運にもなっている


予定されたカルマが青写真のように示されたシャスティアムシャは
この通りダシャーが絡んでおらず時運の励起が見込めない結果だった
対して冒頭に挙げた「土星-水星-ケートゥ期」以降であれば
逆にかなり強く明快な絡みが出来ており
シャスティアムシャでダシャー同士が絡むようであれば不可避なほどの経験となる


土星は2室山羊座に定座しつつラグナに逆行して3室水瓶座にアスペクトバックし
3室水瓶座に住んで土星と絡んだ水星はモロに7室10室支配で「芸能業」の3室に在って
ケートゥのディスポジターの月は水星と絡まずとも8室にアスペクトバックしている

2030年代の新時代を彩る “ 顔役 ” となり
自由にカルマの果報を謳歌する若年期の栄誉は
シャスティアムシャの3室水瓶座で起きたスーリヤ・ブッダ・ヨーガに
土星がアスペクトバックする理想の配置が物語っている

シャスティアムシャを要約したアクシャヴェーダムシャでは
山羊座が3室になって土星がまた定座して水星もコンジャンクトし
金星は4室水瓶座に住む7室12室の支配星で「非日常な人間関係」を強く醸す
2036年早春の「土星-水星-金星期」からは
金星が3室( 芸能業 )に逆行して土星水星金星が全て絡んだようになり
それが月から見た8室目( 獲得・受益 )であることからも
やっと12歳にして順調な俳優業のスタートを切っている頃である

ナヴァムシャの潜在的な吉凶を見積もるナヴァナヴァムシャを診ると
土星は5室支配でラーフと共に9室に住んだ霊的なほどに優れる表現力の配置で
8室に逆行して減衰しながらも水星の住む5室山羊座にアスペクトバックし
一見して水星と絡まない金星はまた水瓶座に逆行して土星と星座交換し
9室に住んだようになって水星とトリコーナの絡みを作っている
惜しむらくは11室蟹座で生じる最高に強いガージャ・ケーサリ・ヨーガが
このお子様のダシャーでは4歳の時点で巡ってきてしまうので
以降の人生でその恩恵をアンタル以下のレベルでしか経験できない点だろう
念のために確かめたエカダシャムシャはむしろ最も良い所見で
金星と水星がコンジャンクトした11室は8室の土星と星座交換し
土星はご丁寧にも7室に逆行して水星とも星座交換している
しかも土星と星座交換した金星に対しこの分割図のラグナロードの木星が関わり
逆行したマラカで凶意の強い金星・土星を機能的にも吉意のある復調力で抑制する

魂が煌めき輝くかの如くだ
思わず「天晴れ!」と大声で膝を叩いてしまいそうなカルマ的吉相が叶っており
これほど数奇な吉意の経験値を生まれ持つチャートはこれまで見た覚えがない
土星期が続く28歳までの間
このお子様は日本の現代史にその名と姿を克明に刻むことだろう
更なる深層分割図で診る30歳前後の時運
「土星-木星期」に入ると
少しずつではあるがご本人の健康状態に異変が見受けられる
シャスタムシャではマラカになって7室( マラカハウス )に住む木星に
2室支配で逆行してマラカ的に働く土星がアスペクトしていまい
逆行した土星と相対するプラティアンタル・ダシャーの太陽も「寿命」の8室支配である
8室支配の太陽や月が火星や土星やラーフなどど関わると
ドシュタナの支配星として悪変し逆に健康運を損なうようにもなり
一個の肉体そのものを指す表示体で「心臓」の象意もある太陽が
「傷病の分割図」のD6で凶意のある土星・木星と絡むのは要注意の時運だ


端的に健康運が出るドレッカナも
土星がそのままの位置から木星にアスペクトし
太陽に対しては逆行した位置からアスペクトする
ドレッカナが魚座ラグナになるのはかなりのハンディキャップで
月とラグナロードの木星と火星以外は全てマラカになるために
加齢とともに疾病と負傷の凶兆が強くなってしまう
このドレッカナでは大腸( 6室 )や心臓( 太陽 )や腎臓・膵臓( 金星 )や
肝臓( 木星 )かあるいは深部神経( 水星 )が病変する可能性を持っている

最も客観的な「肉体の姿形」( 物理的な健康 )という象意があるラーシも
木星にアスペクトするマラカの土星が逆行して定座し太陽と相対する
頼みの綱はラグナロードの火星であり
10室でディグバラとなって機能的吉星の木星にアスペクトされる所見が
この時のダシャーに打ち勝てるかどうかである


かなり深く影響するシャスティアムシャがどうかというと
2室( マラカハウス )で定座する土星と木星はトリコーナの位置関係で絡み
太陽も木星とケンドラの絡みを作って土星からアスペクトバックされている
木星は4室も支配するラグナロードで逆行しない機能的吉星のため
「傷病」の6室に住む配置自体は6室の凶意を薄めるように働く見込みがある
小康状態で済むならいいが
シャスティアムシャではマラカの金星が4室魚座に逆行して星座交換してしまう
6室11室支配の金星は強い暴力の表示体で
木星と絡めば「突然の健康悪化」を意味する

予断を許さない

「不可避な経験」のアシュタムシャは
やはり主要ダシャー全てが変通星座に住んでケンドラ同士になり
土星は11室に逆行して「傷病からの回復」のハウスに定座するようになり
本来の位置で相互アスペクトする木星は9室12室支配の最良な機能的吉星で
「平常的な健康」を意味する3室に住んだ太陽に相対する水星は木星と星座交換する
機能的吉星の木星と星座交換した水星は本来的には3室6室支配の凶星だが
木星が単純に強い吉意を与えてくる以上に6室と12室が交わったヴィーパリータである
その水星が3室にアスペクトバックする所見は
太陽に対して「寿命」を意味する3室の象意を恵んで来る配置ということかも知れない
この分割図は比較的まだまだ良い見込みを残してくれている
ここで「出生時刻がとても正確である」という利点を最大限に活用し
ほとんどの場合にラグナを特定できないナディアムシャを健康判断に照らすこととする


土星と木星は9室と10室が絡む最高位の星座交換を起こし
「心身の健康の素地」である3室を支配した太陽に向けて
星座交換で10室魚座に住んだようになる木星が仮想アスペクトする
6室に太陽が住めば「凶意のハウスに凶星が住んだ配置」として逆転的吉意が実り
マラカとなった木星が9室の支配星と星座交換することも凶意の寛解作用になり得る
月の住む射手座から読み直すとその可変的な繊細さが難しく
ラグナロードの木星はやはり4室も支配した機能的吉星で
星座交換する土星は2室3室支配で「生来の寿命と病的リスク」という両極端な働きを持つ
月から見た星座交換では木星が「寿命」の3室に住んで段々と土星の影響を受けるため
おそらくは最後にどうにか厳しい傷病に打ち勝つという読み方が出来る

また
このナディアムシャにおいてはラグナロードの水星が最高に素晴らしい吉相であり
4室で高揚して木星・土星の両方からアスペクトを受けているが
健康運は3室や8室の支配星に加えてラグナロードの強さでも判断するため
重い疾病や負傷があろうともこの水星が長い経年の中で鮮やかな復調を与えると言える

もちろんこのお子様はこの若さで人生を終える訳には行かず
その後にやってくるより大きな使命を果たさなくてはならない
この力強いバドラ・ヨーガの水星を眺めつつ
チャート全体の関わり方を目視して気がついた

最も根源的なカルマの拡大図たるナディアムシャで絡みの有る「水星-金星期」は
ラグナと月の両方から見て間違いなく国会議員か何かになっていることが分かる
4室で高揚した水星は確実に「議席への当任」を指し
しかも月から見直すとそれは10室で高揚するバドラ・ヨーガになり
配置そのものはあの石原慎太郎と同じになる


事業運を占うダシャムシャはこの通りとても高位な知的技能を司る所見で
9室で高揚した水星がコンジャンクトした10室支配の金星を強くニーチャ・バンガする


このように題したラーシも至極明快な絡みで
マラカの水星と逆行してマラカ的に働く金星は
揃って6室の木星から吉意の補正を受けており
7室と8室11室の象意が木星の機能的吉意に守られて
その中にはディグバラのラグナロードも含まれるため
激烈に強い10室の所見がこの時点では「高位な職責への専任」となる
即ち「熾烈な競争( =選挙 )を勝ち抜く」ということである


ナヴァムシャも6室の配置が「才気煥発」と言える闘志が漲る所見で
こちらでも10室に住んだラグナロードの木星がアスペクトで純粋な吉意を6室に恵む
8室支配の月が6室で高揚してマラカの金星に対しヴィーパリータを与え
なおかつ金星は5室に逆行することで11室( 獲得・勝利 )にアスペクトバック出来る
月をラグナにすると金星は見事にマラヴィア・ヨーガになり
コンジャンクトした水星は機能的にも吉星で
高揚する月やラーフは水星の影響で吉意方向に引き寄せられるはずである


競争における成果の有無を決するエカダシャムシャは
文句なしに至高の吉意を実現している


シャスティアムシャでは絡みが無いかと思われたが
金星が4室に逆行するので星座交換で木星の位置に金星が伏在し
見事に水星とケンドラの絡みを形成している
こちらでも7室10室と11室の絡みで「戦いに勝つ」経験を暗示する
( 木星との星座交換で6室11室の凶意が清められて良化するように働く )


ナヴァムシャが約束する「カルマの果実」を写実したナヴァナヴァムシャでも
シャスティアムシャ同様に金星が水瓶座に逆行して星座交換し
5室対9室というまさに正しい果報が顕現してくる時運である
水星と相対した11室蟹座の超絶的なガージャ・ケーサリが
この水星期の甘露な達成の程をある種の報恩として強く顕示してくれている

カルマの清流を正しく渡り切った法悦の華を
私が拾い上げることを “ お許し賜った ” という心境である
果ての無い苦しい求道を恐れず進めば
こうした「報恩の出会い」はその道の途中に
必ず待ってくれているのだと思う
この時代の日本を
この日本の未来を
諦めない希望が
また一つ増えたのである
全ての
出会いに
感謝
以上
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