イギリスで治世70年の節目にエリザベス女王が薨去し
今月10日の時点で王位継承権1位の元皇太子チャールズが正式に新国王となった
先進国の王室当事者はさすがに正確な出生時刻が記録されており
アストロデータバンクによれば
新イギリス王チャールズ3世は「1948年11月14日21時14分」の出生とされる
データの精度は「A」のためもちろん十分に適正な情報だと判断してよい
チャールズ3世は現イギリス王室の正統後継者でありながら蟹座ラグナである
しかも「王侯の権威」を暗示する獅子座には7室8室支配の土星が住みアスペクトバックする
チャールズ3世の実母でありイギリスの歴史そのものだったエリザベス女王は
若干25歳ほどで王位継承に導かれる運命を邁進した名誉の女傑だったが
その誇りある坦懐は事実かなりの重圧を秘めていたらしく
本来の姿は実子のチャールズから見てしっかりと2室(家族)の土星で表意されていたようだ
(なお「母親」の表示体の月はまさに10室でラージャ・ヨーガになり木星がアスペクトする)
チャールズ自身とエリザベス女王を指す月が強くなった牡羊座はイギリスのラグナとされる
迅速に近代的合理主義を成長させ資本主義を生み出し結果的に英語が世界語になったのは
おそらくイギリスの建国図が牡羊座ラグナだからである
年齢的にかなり正しく影響するチャールズのナヴァムシャは
マハーダシャーがラーシと揃って機能的凶星になってしまいつつ
「達成」の9室に住んでアスペクトバックし
まさに11室(称号)を支配する太陽(=大公・帝王)がコンジャンクトし
11室から11室目でその結果のハウスにスーリヤ・グル・ヨーガを起こしている
(10室支配の月もラージャ・ヨーガとなってコンジャンクトしガージャ・ケーサリを組む)
現在のダシャーは「木星-金星-土星期」で質の異なる吉星同士が心身を乱しやすい時運で
9室10室とはいえ絡みは生じず10室でラグナロードと4室の支配星が絡んだ有事的場面だ
ダシャーで金星と土星が絡むと運勢上では「吉凶の見えない極端な変転」が起こる時であり
さすがに王家の嫡男だったチャールズには最上級の栄転がもたらされたようである
従ってチャールズ本人には全く不本意(3室6室支配の木星)であっても
いずれ来る「木星-太陽期」の頃には世界に向けてイギリスの正統を担う者として立志が実る
一方で「木星-金星-土星期」の現在はダシャムシャにおいて見事な絡みを起こしつつも
6室対8室の星座交換であり金星も機能的凶星となって心情的には「窒息しそうな労苦」だ
ただし月から見ると7室対9室の星座交換でラージャ・ヨーガとなる強い吉意の時運でもある
この出生時刻が厳正であれば率直に言ってチャールズは「当惑し切った心労の最中」だろう
結婚の時運と王子2人の生誕をダシャーで振り返る
まず十分に年長な者をレクティファイするには結婚の経験が重要で客観的である
その時運がダシャー照会できなければチャールズの出生時刻は改ざんされていることになる
1979年8月に、幼少時より慕っていた海軍元帥でもあるルイス・マウントバッテンが、休暇に訪れていたアイルランド北西部のドネゴール湾で、ヨットで出航直後にIRA暫定派の仕掛けた爆弾により爆破され死亡した。これにチャールズは大きなショックを受けたと言われている。
マウントバッテンの突然の死に気を落としたものの、1980年7月にサセックス・ペットワース(英語版)近くのカントリー・ハウスでバーベキューをしていた際にマウントバッテン卿の死を悲しんでいる王太子を、スペンサー伯爵令嬢ダイアナ・フランセスが「貴方の寂しさは理解できるし、貴方には誰かが必要だ」と慰めたことに心打たれ、その後に交際することになる。
1981年2月6日にチャールズがウィンザー城でダイアナに求婚した。チャールズは「スキー旅行に出てる間、どんなに貴女に会いたかったことか」と述べたうえで「私と結婚してほしい」と簡潔に求婚したが、ダイアナは「冗談だと思って笑っていた」という。チャールズは真剣な求婚であることを強調し、「貴女はいつの日か王妃となるのだ」と述べたという。ダイアナはこのプロポーズを受け入れた。
「1981年2月6日」時点のダシャーは「月-木星-木星期」の終盤だった
結婚を診るナヴァムシャは月がダシャーラグナで
月自体を第二のラグナと見なすごく単純な占断だが2室と7室の支配星の絡みで
それも吉祥なガージャ・ケーサリのペアとなり
確かに結婚の成就を示す所見になる
また若年期ほど有意な影響を与えるラーシでも
ラグナロード(7室から7室目でその本質のハウスの支配星)に木星がアスペクトし
木星自体は機能的凶星であっても強い意志を断行する覚悟の現れとして働いたようだ
そして結婚後の1981年9月頃には待望の第1子ウィリアム王子の懐妊となる
木星はサプタムシャのラグナロードになり
まさに「子供」の5室を支配して高揚する月にアスペクトし
金星は高揚した5室支配の月のディスポジターで月とケンドラの相関になる
マハーダシャーロードが見事にサプタムシャの5室を支配して高揚した生来的吉星だ
然るべき時運で実った吉意のカルマであり整えられた最適な所見だと言える
木星は減衰しながらも高揚の月から見て9室(5室の結果)に住んで「子供」の象意を強調する
金星は木星と絡まない位相であろうと月と絡んだディスポジターのため有意な経験が生じる
即ち慶賀の瑞祥たる王家の長男の懐妊である
また
1983年の年末には第2子のヘンリー元王子の懐妊となった
ヘンリー元王子の場合は非常に分かりやすい配置が実現していた
サプタムシャのラグナロードは「子供」の表示体の木星で
新しいアンタルダシャーの水星とコンジャンクトし
それは高揚した月から見て9室目である
その木星水星には太陽・火星・土星の凶星全てが全く触れられないため
やはり無事に吉意が叶い二人目の王子の懐妊となった
(またサプタムシャの原則として第2子のラグナとする7室はまさに水星が支配している)
サプタムシャの配置とダシャーの流れ方を見て行くと
「月-ケートゥ期」は8室で高揚した機能的凶星の土星がアスペクトし
ケートゥ自体も経験の成果を阻害する12室の表示体のためそれ以上の子供は生まれず
「月-金星期」も金星は機能的凶星になってヴィーパリータを起こす配置で純粋な吉意が弱く
月期最後の「月-太陽期」も6室支配で生来的凶星の太陽が2室で高揚して絡みが全く生じない
月期が終わり火星期に入ってしまうと9室で定座した良好な火星がパーパ・カルタリになり
高揚した土星がケートゥにアスペクトしてパーパ・カルタリをかなり強めるため
子供など生まれ得ないほど悪い配置である
サプタムシャに対するレクティファイからチャールズはラーシが蟹座ラグナで正しいようだ
ダイアナ王妃との不仲の理由
ダイアナ王妃はサンダーランド伯爵家から分家した貴族スペンサー伯爵家の子女で
イギリス南東部沿岸のノーフォーク州の出身である
(王妃本人のアストロデータバンク)
チャールズとダイアナの夫婦としての相性は
ナヴァムシャを対比して一見した限りさほど悪くないだけに不思議である
ラグナも月もトリコーナの位置関係で互いの月が木星と対向するかコンジャンクトしている
双方の月の7室目は木星が住むか支配するかしてガージャ・ケーサリ・ヨーガになり
木星は機能的凶星になってしまうので弱含みながらフランクな夫婦生活のはずだ
チャールズの月のディスポジターはダイアナのラグナに位置し
ダイアナのラグナロードが定座しているのも互いに好意を持てるような印象だ
ダイアナ王妃のラグナには7室支配の太陽(獅子座 / 王室)が住んでアスペクトバックし
まごうことなくイギリス全土を統べる王家の嫡男としてのチャールズを意味する
しかしチャラ・カーラカで婚約者を指すダラ・カーラカの金星は12室に住み
それも土星が支配する山羊座であり成婚後に見えてくるその実像は芳しいものではなかった
ラグナロードの土星も逆行して12室に定座してしまい星位の悪い金星とコンジャンクトする
結婚生活が段々と嫌になっていく明確な「忌避感」の所見である
チャールズにとって機能的吉星の土星はダイアナを指し
ラグナロードの金星とコンジャンクトするが
ラーフに傷つけられて土星は7室にアスペクトしてしまう
そして7室支配の火星は6室に住んで吉意のアスペクトが無い
7室が生来的凶星に傷つけられ支配星も自室から12室目に住む配置がほぼ離婚の本意だろう
その後チャールズは、妃のダイアナとともに日本やインド、アメリカやスペインなど世界各国を訪問したほか、多くの王室の公式行事のみならず、民間の行事にも共に参加している。また1982年にはウィリアムが、また1984年にはヘンリーと2人の王子が誕生するなど一見、2人の関係は良好に続いていくかに見えた。
しかし、ダイアナは窮屈な王室のしきたりに馴染めず、またチャールズの音楽の趣味や狩猟などの保守的な趣味に対して否定的であり、夫婦相互の溝は広がりつつあった。なお後のダイアナの発言によれば「1984年に次男ヘンリーが生まれた時点で、気持ちの上での2人の関係は終わっていた」という。
ダイアナのダシャムシャはそもそも「王室の公務」を意味する太陽が6室支配で
住んでいるのも10室を失う9室であり
そこへ10室で定座した木星が逆行してきてしまう
しかし太陽は月をラグナとした場合に7室を支配して10室に住んでおり
自身の義務として前向きにその仕事へ精励していた様子も別側面の一つだった
1996年2月28日にチャールズとの会見を終えたダイアナは、「離婚の合意に達したこと」を発表した。その中で彼女は「今後も実の母親として王子2人の養育に関する全てに携わり続け、またプリンセス・オブ・ウェールズの称号を維持し、ケンジントン宮殿にも留まり、セント・ジェームス宮殿にある執務室も運営し続ける」旨を主張した。その後もダイアナとの離婚交渉は4カ月にわたって続いたが、8月28日の離婚確定判決をもって正式にチャールズとダイアナの結婚生活は幕を閉じた。
ダイアナ王妃本人のダシャーは当時「木星-ラーフ-木星期」である
木星と金星はケンドラの絡みになるが3室12室の相関で4室的な「心の平穏」を失う時だった
そしてその1年6ヶ月後の1997年8月31日─
1997年8月31日未明元ウェールズ公妃ダイアナは、フランスのパリにあるアルマ橋トンネルでの自動車事故で死亡した。エジプトの大富豪の息子であるドディ・アルファイドと、メルセデス・ベンツW140 Sクラスのドライバーであるアンリ・ポールも死亡し、彼らのボディーガード、トレヴァー・リース・ジョーンズは重傷を負った。
ラーシ・ナヴァムシャ両方で木星はマラカの2室を支配してその2室へと逆行し定座する
ラーシでは木星が減衰してディスポジターがそのままコンジャンクトしており
土星はナチュラルなマラカともされる12室の表示体であり
ナヴァムシャでもラグナに定座しつつ木星にアスペクトし12室へと逆行し定座する
その12室にはラーフのディスポジターの金星が住んでおり
7室支配でマラカの太陽と絡んだ土星が自身もマラカとなってラーフを間接的に傷つける
ほとんど助からないという様子である
ラーシでラーフが住む獅子座は月から見た7室(マラカ)で
逆行して定座するようになる木星と対向する配置が非業の死をもたらしたのかも知れない
(月をラグナにしても木星は再び2室を支配して「大怪我・致命傷」の11室へ逆行して定座する)
その時チャールズのダシャーは「ラーフ-ラーフ-火星期」で
ラーフ期のセカンドアンタルダシャー直前頃だった
ラーシではラーフのディスポジターの火星は5室で定座し悪い配置に見えないが
ナヴァムシャではラーフのディスポジターの月をマラカの火星が傷つけている
ラーフはいずれのチャートでも10室に住んで猛威を振るう配置であり
ラーシでは5室で定座して11室や12室を傷つけるため公私ともに心的な荒廃を来たす時だ
ナヴァムシャでも火星が10室支配の月とラグナを傷つけている
直後の「ラーフ-木星期」もナヴァムシャでは火星に傷つけられるので
7室(10室の本質)の支配星が6室の支配星を一方的にアスペクトする所見として
即ちイギリス国民世論の完膚なきまでの猛烈な非難だったのは言うまでもない
チャールズの国民的象徴としての王位はどれだけ続くか
チャールズの現ダシャーの木星期は2029年1月15日まで続く
木星はラーシ・ナヴァムシャ両方で6室を支配してしまうため
本人にとっては不本意な王位継承であり英国民からも敬意は薄いままのようだ
(ただし木星から見た10室と11室は星座交換して強力に働き英国王室の権威が保たれる)
シャスティアムシャでは木星が7室で減衰してしまいそれは月から見た8室目で
ラーシやナヴァムシャであればパラーシャラの例外則になるが
この所見は単に「公務が面倒で受け身のまま手持ち無沙汰に生活する」様を示す
木星が7室で減衰してしまうとやはり不品行が目立って仕方ない配置となり
かつて汚言癖が治らないまま天晴な振舞いを見せた父のエジンバラ大公とそっくりだ
そうした「お勤め」をあと6年3ヶ月ほど担ったところで事態が急変することになる
一つ確実に断言できるのは
新英国王チャールズ3世の薨去の時期は「土星-水星期」であることだ
ラーシでは土星がまさにマラカの2室に住んでアスペクトバックし水星にアスペクトする
ナヴァムシャはラグナロードとコンジャンクトし月の2室目(マラカ)からアスペクトを返す
ラーシでは土星がラグナになると土星自身が6室7室支配であり
突然の深刻な疾病によって生死の境を彷徨うほどの重篤な状態に追いやられ得る
健康状態を端的に現した分割図に「D6」(シャスタムシャ)がある
今回の検証で初めて用いるがその配置は覿面にチャールズの晩年を指し示しているためだ
射手座ラグナで土星はマラカになりもう一つのマラカである7室に水星を伴って住んでいる
この時に水星はまさにマラカの7室双子座で定座してマハープルシャになってしまう
そしてその頃のチャールズに対する世俗の批評を示すD11(エカダシャムシャ)も以下の通りだ
9室10室を支配した最良の土星が12室に住んで減衰しており「英国の権威」の失墜にも見える
D60は一目見てすぐにどんな経験が生じるか分かってしまう配置を作っている
もう一度シャスティアムシャを確かめると土星は2室に住んだ水星のディスポジターで
水星は12室支配の機能的凶星で7室に住んで完全に互いがマラカの象意を帯びており
「その日その時」はほぼ土星と水星が並んだダシャーで間違いなくやって来るはずだ
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私はもちろんイギリス王室に私怨など無い
王室出身者の出生時刻が正しいものとしてどれほどの可能性を持っているか実践しただけだ
今回もまた悲劇的な締めくくりとなってしまい私の読みは外れていてほしいとも思うが
これはあくまでも公式な出生時刻に従っている
英国王室がこれ以上の涙と怒りに汚されないことを化外の日本人として祈念申し上げます
以上
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