恋愛に対する憧れと性的な不自由─或いは「ないものねだり」な不幸
更新日:3月3日

先週末土曜日の夜9時過ぎあたりに
いつものようにPCの前でくたびれながらこのブログ記事の草稿を考えていると
久々に腐れ縁の相方から電話がかかってきた

(本ブログにお付き合い下さる諸氏にはお馴染みの「アイツ」です)
随分と久しぶりだったが私自身もブログの方が大事なので
話の流れ方に注意しながら長話せずに電話を塩対応で終わらせようと思っていた
しかし話し込んでいるうちに
「ダシャーとトランジットの時運判断のサンプルが取れるぞ」と気転が利き
話を続けてみることにした
結果まずまず面白い発見やとても深い対話につながって収穫のある2時間強(!)になった

まず友人の今のダシャーはご覧の通りである
ずっと以前の投稿では
友人の月と木星がナヴァムシャで7室8室に在るから
ラーシに対するダブルトランジットが7室になるのは電撃結婚の機運だと書いた
私生活を伺うと当然だがまだ彼は婚活中だった
(成婚でき次第まずは私へ最初に知らせてくるくらいのはずだ)
そして私もまだまだ生煮えのジョーティシャーだなぁと痛感した近況報告も聴けた
まず第一声として
「かなり忙しかったよ・・・3週間は早朝に出勤して半日以上とか職場にいた」(←本人談要約)
彼は単純にとてもとても忙しかったのである
彼の現職は今もなお医療検診の財団法人で係長(の代理や補佐だったろうか)を務めている
大学卒業後に就職した勤務先で実に根気強く働き続け今年で13年目を迎える
つまり

10室の表示体の太陽が減衰し水星金星がケートゥの住む6室へ逆行する配置は「激務」だった
特に
10室の本質たる7室で太陽が減衰しそれが彼の5室(実務力)の支配星なのは影響が大きい
2室(自前のポテンシャル)を支配する金星は7室で定座するのに減衰の星座へ逆行するため
周りは当てにならない有耶無耶な同僚や部下ばかりなのかも知れないし
水星も高揚する自室へ逆行してしまう配置が「アイドリングでエンジン空ぶかし」の様を指す
とはいえ3室5室7室の支配星が7室でコンジャンクションするので対処力が彼にはある
日夜そうした【有事体制】に気が気でない緊張でしっかり脱力できる暇もなく
ただただ家へ寝に帰るだけの生活が3週間も続いたのだから気の毒だ
(肝心な職場の実態に深入りしなかったがおそらくは「オミクロン対応」ど真ん中なのだろう)
そしてよく見れば彼の7室は手前6室にケートゥが住み8室には土星が在って7室を挟み込む
そこがダブルトランジットされるのは心身が崖っぷちへ追いやられる絶不調を指していた
所詮は私も全くのナマクラ野郎である
これでは婚活など上の空でしかないほどだろう
しかしまたそれを覆すバイオリズムも彼には起きていた
「(婚活で)今ちょっとずつ話してる相手を見て “ やる気♂ ” が出てきた」という
ラグナロードが10室11室支配の土星と星座交換した彼は免疫と基礎体力が亢進したようだ
あるいはラグナでヴァルゴッタマの満月が好きなことにひた向きな持続力を与えるのだろう
そんな彼が私に電凸してきたのはこともあろうにこんな映画を私と観たいからだそうだ
映画『私だってするんです』 - ようこそ 「私だってするんです」 公式サイトへ (surundesu-movie.com)

こんな映画を東京まで出向いて私と鑑賞したいというのである

フ ァ ッ ! ?
我々昭和61年組は今年で36歳となる
そして我々はコンビ歴23年目の漢同士である
なおかつ我々は未だ自分に正直すぎるアダルトチルドレンのようである
「どしたん?話きこか??」
(こいつ・・・ずいぶん溜め込んでるな・・・♂)
いよいよ私は彼をジョーティッシュせずにはいられなかった
本腰を据えて彼と対話して分かったのは
7室で定座する金星(≒マハープルシャ)がダブルトランジットになることで
やはり性欲に近い感情が起こって来ると同時に
その彼の7室の複雑なコンディションが彼を苦しめてしまっている実情だった

彼の金星は定座していながら減衰の乙女座へ逆行し
そこにはケートゥが住んでしまっている
のみならず「恋愛」の5室を支配する太陽はラージャ・ヨーガになって減衰する
そして7室の両隣は凶星が挟んでいる
私はこの機会が初めてとなる本格的な鑑定士のスタイルで
この所見の有意さについて彼にレクチャーを30分ほど続けた
彼もまたラグナに住む女性惑星の月がヴァルゴッタマで
ラグナロードの火星も女性星座で高揚するため
10代の頃から占いは好きだった方で
今でも私のインド占星術の知識をちゃんと聞いてくれている
お互いに水入らずで言葉を選びつつもデリケートな話ができるのは腐れ縁の賜物だと思う
昔から本当に変わり者の性格のため友人であることを嬉しく思えない頃もあったほどだが
やはり彼は「性的な摂食障害」のような精神性を生まれ持っている男である
リビドー(情念・衝動)が外に向かって働かず美的理想として留め置かれてしまっているのだ
しかしながら

ナヴァムシャの7室が木星のマハープルシャでグル・チャンダラ・ヨーガになっている
かつ6室には金星が住み8室では月がヴァルゴッタマとなって7室をドーピングしている
ラグナロードの水星も至高の9室に住みながら煩悩の8室へと逆行してしまう
その8室で高揚するように働く月は物質性がもたらす情欲の結実たる11室の支配星だ
6室に住んだ金星というのも「女性を性の器のように扱う嗜虐の劣情」を意味する配置である
個人的にもこれが後半生の彼を示した魂の設計図だとはとても思えないし思いたくもない
長い時間の中で少しづつ顕現する今生の隠れた自我がこの上なく性的に貪欲であるため
「月-木星-月期」の今はトランジットに関係なく彼は「誰かと “ 懇ろ ” になりたい」のだ
とにかく異性と触れ合いたくてしょうがない出来心を引きずった日々を送っている
だからか
彼はコロナ禍になる以前から都内に行きつけの紳士向けリフレッシュサロンを持っていた
一人っ子で母親以外の女性と友達付き合いさえ碌にしてこなかった彼がである
満面の笑みで財布からサックを取り出しキャストの女性と語らう彼を私は全く想像できない
そしてその席で彼が行為そのものに及んだかというと未だその経験は遂げられていない
これも私がジョーティッシュのロジックでそれとなく解き明かして聞かせると
嬉し恥ずかしというアンニュイさで苦笑いのリアクションを返してくれた
彼のその性的な自閉感はラーシとナヴァムシャのギャップだけではなく
とても重要なサプタムシャ(子供の懐妊・生誕を予兆する分割図)もこのように重篤である

「子供」の本質たる9室で月が更にヴァルゴッタマとなり
コンジャンクションした太陽は月から見た5室(子供)支配で高揚しているのに
月と太陽から見た5室目にはラグナからも月からも機能的凶星の土星が住んでいる
彼の性的な「拒食症」と「過食症」が入り交じる衝動の乱高下は
この分割図に集約されている
とても悲しい事実であるが彼はおそらくこの生涯で子供を残すことが叶わないようである
相手がこの私だからか上記の点を彼にありのまま伝えてもそこまで彼は悲しまなかった
むしろ納得してくれた後にとても赤裸々な話をまた私に聴かせてくれた
「女の人と触り合いしてると気持ち悪くなってそれ以上は何もできなくなるんだよね」
無理もない
まさにサプタムシャの様態がよく現れてしまっている
それだけでなく
続けて彼はこうも私に打ち明けてくれた
「だから最近は “ その気 ” になると訓練のためにAVを頑張って観るようにしてんのよ」