恋愛と結婚に支障を生まれ持ったチャート

更新日:3月17日







この現代において占いが未だ必要とされるのは

自由や平和を不意に壊される経験が誰にでも必ずやって来るからであり

日本を含んだほとんどの世界は「自分が生きたいように生きられればいい」ような

無責任な人生を確実に送れなくさせられているからだ



逆に考えれば

極端で理不尽な現実が横行する世の中で秘かに自分の幸せを守りたい人もまた多く

誰にも知られたくない理想を純粋なまま自己実現にしたいと切に願うものである



私よりはるかに優れた占術家各位はこの時代にこそ

個々人が持つ社会との距離感を正しく見極め

救うべき人々を導きつつも刹那的になっている心的な弱者を叱正しなければならない



殊にあらゆる分野の占術で今なお一つの主題であり

若年者の方々が根深く抱いている悩みにはやはり「恋愛と結婚」の運勢診断がある



私自身も貧困な恋愛弱者の一人であるため

ジョーティシャーとしての技能はともかくその苦悩の理解に努め

そうした方々のための居場所を与えることは出来るつもりだ



今回は恋愛と結婚を長く悩んでいる相談希望者について紹介したい







このチャートに生まれた女性は

長らく結婚願望を持ち続けながらもその経験に与れないままである



ジョーティッシュにおいて人生の価値を半ば決めてしまうとされる月が

なかなかに難しい吉凶半々の配置となっている



即ちラーシチャートでは12室で減衰しケートゥが伴いながらも

ナヴァムシャでは金星と共にヴァルゴッタマとなって吉意的保護が活きてくる配置で

同時にナヴァムシャの7室から月と金星を抑圧してくる機能的凶星の土星は

彼女の隠れた自己像たるアートマ・カーラカに当たる



ジャイミニ式では牡牛座は天秤座と相互アスペクトするが

天秤座に住んだラグナロードの火星はラグナに金星が住んでいるために星座交換し

天秤座に金星が伏在するようにも働き

「恋愛と結婚」の成果を示したナヴァムシャで二重に結婚の表示体になる金星が傷ついている



従って金星は星座交換で6室支配の火星に傷つけられて

12室の支配星としてもラグナを傷つけ

通常の配置としても3室4室支配で7室に住んだ土星からも凶意のアスペクトを受け

星座交換で12室に伏在することで更に牡牛座に住む土星からジャイミニ・アスペクトされる



恋愛と結婚において唯一無二の主役たる金星が悲痛なほど火星と土星に痛めつけられている

それが本人の後半生を指すナヴァムシャで起きており思わず彼女を庇いたくなってしまった







本来の彼女は

とても朗らかで前向きで人助けにも関心が強い優しい人のはずである



ラグナロードの木星はディグバラにもなった高揚同等のマハープルシャで

コンジャンクションした火星は機能的吉星のためにラージャ・ヨーガも兼ねる



つまりラグナ対5室と4室対5室の絡みで

火星の支配する12室の象意も吉意方向へと引き寄せられて安穏となって

ラージャ・ヨーガも備えたグル・マンガラ・ヨーガがラグナで結実し

とても快活で気風の良い理想主義者という豊かな人柄が溢れた所見だ



しかし実際には彼女のその若い歳月は

個人的な喜びの心情が少ないにもかかわらず

11室で起きた惑星集中が彼女を周囲から浮き立たせて敬遠されるような人生を作っている



即ち「素養」の2室と「努力」の3室を支配した土星が高揚し

9室支配の太陽は減衰するが土星の高揚によってニーチャ・バンガとなり

7室10室を支配した水星は太陽が伴ってダルマ・カルマ・ラージャ・ヨーガを繰り出し

「評価・願望達成」の11室を並外れて尊い品格の高さで彩っている



おそらく表向きの彼女は

「高潔な立志の大衆弁士」のようなロビースト的な勉強家で

10代の頃から生徒会活動などを自ら発起し牽引するほどの気骨ある誠意で人と関わり

気がつけば彼女の周囲は血気の熱さでつながった志士と言うべき仲間ばかりで

天秤座らしい全方位の共同意識で自己研鑽し

学生の頃から自分の文教論を語れたくらいの人柄だろう



射手座ラグナは「父親」の9室がまさにそのまま太陽の支配する獅子座のため

獅子座から見た3室が強い彼女の実父は

とても洗練された文化人的運動家であるか実際に地方政治家の職責に在るのかも知れない

(獅子座からの4室目では10室支配の金星がアスペクトバックしており

実際に常時は屋内で執務に取り掛かる行政官のような姿を思わせる)



彼女の能動的な人物像は清廉潔白の完璧主義者であり

関わる相手が瞬時に『分別』されてしまい

結果的にその真面目過ぎる律義さが自分の首を絞め続け

大人になり切った頃には育っているべき女性的なジェンダーが備わっていないのである



射手座は男性星座であり定座した木星はもちろん火星も旺盛な男らしさを吉意で発散し

11室の天秤座も男性星座であり減衰した太陽は婚約者を指し示すダラ・カーラカで

そこにコンジャンクションした水星と土星は純粋さと老獪さが示された中性惑星である



天秤座はダラ・カーラカの住む位置だが

それはこれまでの多くの時間と場面において彼女が演じてきた社会的自己側面だからこそ

天秤座らしい人物の男性を無意識に避けたくなり距離を縮められないことになる



長い人生で彼女が築き育ててきた「大人にとって好都合な優等生」のキャラクターは

恋愛対象となるべき相手が持ち合わせていてはいけない性格なのだろう



これが彼女の生まれ持った非業であると言うしかないことが実に痛ましい



彼女は物心ついた時から肉親も含めて「他人からの期待に応えなくてはいけない」と思い込み

泳いでいないと死んでしまう魚のように努力と実践の日々で青春を送ってしまい

アスリートのような射手座的性格とエゴの無い天秤座的博愛精神で育ってしまった女性だ



そして肝心な女性性を担う金星は逆に内向的過ぎる蠍座で月とコンジャンクションし

その月も新月からやっと1ハウス分だけ動いた位置で減衰しヴァルゴッタマになっている



彼女にとっては「しおらしく受け身で優しい女性らしさ」が弱く未熟なままの自分に重なり

自然で素直な一個の女性として生きて行くことに自信がなく何故か【恥ずかしい】のである

痛快な上昇志向の射手座ラグナは女性の場合に機能的凶星の金星が自分らしさにもなるが

コンジャンクションした高揚のケートゥが彼女の素顔の心情を過敏にしているからだろう



おそらくは

全ての人間関係とそのプライドを脱ぎ去って心を裸にすることが最も難しく

その蠍座の配置が全くそのままナヴァムシャのラグナに変わる人生が彼女のカルマと言える



家の外で見せる態度が

「保たれなくてはいけない自分」という客我へと育ってどんどん支配的になり

秘匿されていた内在の真なる自我をわざと侵害するように演技性の自己像を強めてしまい

ありのままの本当の自分が ど こ か へ 行 っ て し ま っ た ような心的変遷を遂げているのだ







改めて彼女のラーシの4室を母親のラグナと見なすとその傾向は決定的である



彼女の実母を指すのはまさにラグナ(≒実母の10室)に定座した木星であり

実母本人も極めて外向的な創意と行動力で自在にその志を実績にしてきた女傑である



8室天秤座と9室蠍座が人間味の色濃い静と動で躍動するかのようで

人としての尊厳を醍醐味の如くふんだんに味わい実践して見せる秀麗な人生を思わせる



魚座をラグナとした時に「子供」の5室は蟹座となり

この実母の娘の素朴な有様はまさに9室蠍座の配置で表意されてしまう



蠍座は両隣を多くの吉星凶星で挟まれるため

おそらく実母は自身の娘にかなりの期待を込めながらも次第に扱いに困るようにもなり

「成るように成ればよろしい」と最後には娘を放任してしまう様子である




察するに彼女は傑出した者同士で婚姻し優れた血統を次代へとつなぐ閥族の子女なのである




エリートたる矜持が家柄の誉れであり

彼女はその主従関係で己の生き様を「従」にさせられ

少しずつ自分を抑圧しなければならなかった境遇のようである







彼女が結婚願望を保っているのは

ヴァルゴッタマになった金星がナヴァムシャでラグナに住んだ7室の支配星となって

金星自体はそもそも恋愛と結婚の表示体だからである



おそらくは「結婚こそ生家を離れる理由であり自分を解放できる」と信じているせいでもある



至極その通りだと強く膝を叩いてしまう身の上の辛さが彼女にはあった

ラーシを見直すと6室でラーフが高揚するが6室とは「父親」の9室から数えた10室目である



自由に恋愛し婚約を果たして生家を旅立つことが彼女の第二の人生だと言える



しかしその志の前途に困難と陰険な敵が隠れていることは本稿冒頭で述べた通りである



また女性にとってナヴァムシャ同様に有意な分割図のサプタムシャを見ると──




5室と対向した11室に住む木星は機能的凶星となり生来的凶星の土星は9室支配である




また

子供を授かれるか否かを判断する5室支配の水星はラージャ・ヨーガでかなり強いが

対向4室からアスペクトしてくる月と金星はそれぞれ3室と6室を支配してしまう



ラグナと7室も減衰のラーフ・ケートゥ軸で傷ついたまま

ラグナから火星がアスペクトバックする極端な所見となっている



やはり性的に未熟な上に実際に受け入れた男性は格下の不品行な相手という印象だ

その異性との交わり自体がとても違和感の根深いもので「理性が優ってしまう」のである







ナヴァムシャを再確認すると

ラグナと12室が星座交換するがそれはラグナ対7室や6室対12室でもある



劇的な出会いに驚いて最初のうちほど心が躍りその喜びに感じ入る経験となるが

結局は次第にすれ違いが起こって関係が冷め切っていくという経過を示している



そして7室に住んだ土星はまたしても機能的凶星となり

「悪い意味で経験豊富なトッポい男性」にむしろ新しい経験を期待してしまう配置だ

(ラグナで星座交換した金星はアスペクトバックも起こし月はラージャ・ヨーガである)



彼女に私が占断結果をレクチャーしていた時点でダシャーは「金星-ラーフ期」の頃だった



結婚の表示体たる金星がナヴァムシャのラグナに在って7室支配であるだけでなく

アンタルダシャーがラーフとなりディスポジターが7室に住む時運は成婚目前のはずである



それでも結婚できなかったとすれば

彼女にはかなり念入りな「心のリハビリ」が必要になってしまうだろう



彼女のような社会的には高位な心的弱者は本当に多く在るに違いない

商業占術士は程々に助言をしてそれでも本人が変われなければ結局は匙を投げるしかない



私は出来ればこうした方のためのペンションのような保養施設を開いてみたいし

月やラグナの配置から相性診断を精査してお見合いを斡旋する結婚相談所も運営してみたい



悲喜こもごもでドラマチックなだけの見世物的占いは正直もう沢山である

少しくらいの知識を身に着ければ誰だって自分を頼って来る相手を好き放題に説教できる



今はとにかく人を叱る以上の慰めが必要だ

相手のことをよく知ってあげて誰にでも心を開ける強さを私が取り戻してあげたい



本当に頑張って耐え続けた人に

「あなたはあなたでいいんだ」と言える占い師に私はなりたい



誰でも今は自分を打ち明けられる場所を求めている

どれだけ時間がかかっても私は確実に誰かを救ってみたい



何よりまずはジョーティッシュを諦めないことである



以上

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