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執筆者の写真鹿村文助

怪我を負った時のダシャーとトランジットの関係

更新日:2023年11月23日





去年( 2020年 )の4月7日の午後12時37分のこと



職責者不在で問題だらけになっていた自社の某工場において

当日シフトの突発欠勤が起きたという経緯から

私は臨時対応し碌に経験のなかった納品業務を気合いだけで終わらせ

疲れ切って思い切り油断していた



時間と闘いながらも納品の遅配誤配をやらかさず許容範囲ギリギリでその日の仕事を完遂し

自社工場への帰途で「業務車両内の検品は必ず行ってください」と言われたのをふと思い出し

安堵感で脱力しながら覚えたばかりの納品コースで目印にもなっていたコンビニに停車した



扱いなれないライトバンを不注意気味に駐車位置ギッチリに隙間なく停めてしまいつつ

車の背面の方へと歩いて狭いスペースに立ち止まり

コンビニの敷地を囲うフェンスに触れそうになりながら

背面のハッチドアを力いっぱい引っ張り上げてガラン洞になった車内を見つめる



「納品忘れは絶対なかったよなぁ」と疲れに気を取られながら目視確認を終えて

本当に何も考えずにハッチドアの真下でドアから垂れた曳き下ろし紐を全力で振り下ろした






2秒後位に凄まじい音と衝撃が脳天の少し右側に鳴り響いた



不意打ちから来る驚きと強い痛みに思わずよろめいた

油断と疲れから普段以上に不注意になっていた私は自分の頭を自分でカチ割ってしまった



本当に大変だったのは痛みに耐えた数秒後のことだった

ハッチの縁を打ちつけた脳天のあたりを恐る恐るそっと触れて私は再び驚きおののいた





少し濃い色合いの鮮血が私の手の指先全部を汚していた

タンコブが出来た程度だと思っていたので頭が切れていることに全く気づかなかった



律儀に業務マナーを守ったばかりに工場まで数kmほど残る手前で私は労災を起こしたのだ



今でもこうした自分の不器用さに嫌気が差す

現場事務に対して独り相撲で酷い怪我をしたことなど恥ずかしくてとても言い出せなかった



私は出せる限りの気力をふり絞り

血が流れ落ちないようハンカチで傷に蓋をすると周囲に最大限の注意を払いながら帰社した

人はいざとなるとこんなことさえ出来るのだからすごい



私も所詮は痩せっぽちのプライドで必死に生きている男だと思う



頭を怪我してから20分以上は走り自社工場の駐車場に正しく車を収めるのが最も辛かった

私の会社は業務車両に無線が積まれているのでそれで工場に連絡を済ませ

事務所に顔も出さず私はそこから逃げるようにそばに停めておいたマイカーで一旦帰宅した



またそこから30分近くも車を運転できていたことが信じられない



頭に置いたハンカチは私の血で濡れて湿っているのがわかるほどだった

自分に負けないようにマラソンしている時と同じ要領で気合いを張りつめて家に帰ると

そこで初めて自社本部の総務に全てを電話で伝えた



事務所で過ごす時と同じYシャツとスラックスにどうにか着替えて私はふと困った



「こんな頭をむき出しにしたまま駅前の病院まで歩く訳にいかない」



まだ4月で寒かったこともあって自室の衣装ラックの足元に据え置いたニット帽に気づいた

もう二度と使えなくなることを決め込んで白いニット帽で頭を覆った



私は平日の昼間に妙な出で立ちでソロリソロリとゆっくり最寄りの病院まで歩いて行った

この時には血が固まり出していて痛みがほとんどなかった



コロナ禍の病院はロータリーにつながるロビーの通路を交通整備のように仕切っていた



暇そうにしていた外科の窓口係の他人行儀な対応ぶりに腹が立つ程度の余裕があった

我ながらまだまだ文字通り血の気が滴る火星的な人間だと思う

帽子を脱いで血みどろの頭を見せつけるくらいした方が良かったのかも知れない



やっと担当医の前で気を抜いて痛みに耐えながら触診を受けた

生乾きの血糊を消毒された後に医療用ホチキスで私の脳天の傷はやっとふさがった



*****



この時のトランジットは以下の通りだ





私のラーシ・チャートを対比する





私の蟹座11室とそこに住む金星にはダブルトランジットと火星のアスペクトが起きていた



2室というのは通常「顔面」といった象意だが運良く(何の冗談だ)私は脳天に傷を受けた

創傷がなかなかにご立派だったのはトランジットの火星が高揚し容赦なく奮発状態だからだ



私のラグナでは土星が「受傷」の6室を支配するが火星は「突然の災難」の8室を支配する

のみならず生来的に火星は6室の表示体であり土星は8室の表示体として働く

トランジットに木星が加わらなければ私の命には【別状があった】ことだろう



おかげで私は蟹座の金星で示される女性の方( 看護士 )がおわすところへ出向くことになった

人生で数度しかない( と思う )ほどの不幸なビンゴが私の頭上にサプライズを演出してくれた



ダシャーで説明できるか確認したがどうも不明瞭でピンと来ない





漫然と解釈するならば

8室( 災難 )のラーフから見た月は4室を支配して6室目( 傷病 )に位置し

月から2室目(頭部や顔面)に住むケートゥが「刃物」という象意も一応は含んでおり

スークシュマ・ダシャーの月はケートゥの真後ろで「病院」を意味する12室目に当たり

月から見て6室目に住む木星は6室の象意( 傷病 )に恩恵を与えるグル( 医師 )を指示している



といったところか・・・?



その頃はダシャーチッドラが始まるまで半年弱であると無自覚に油断していたせいもあり

アートマ・カーラカである悪意満々の火星くんが私に闘魂注入してきた思い出の一日だった



これが私に医療占星術を学ばせる意欲を与えた結果となったのも大いに有意義だ



ありがとう私の火星

もう少し人の痛みに寄り添って生きていくよ


                                       以上

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