土星のトランジットが定座して逆行する今は
権威者に対する批判と同時に悲痛な訃報も多く舞い込んでくる最中である
こうしてまた
高名な文化人がまた一人この世を去ってしまった
「草薙素子の中の人」と言えば
50歳前後から下の世代なら大抵すぐ分かるほど著名な田中敦子氏の逝去は
本当に嘘のようで悲しみが追い付いて来ない
直近の公私については昨年から闘病が始まったらしく
「約1年に及ぶ闘病生活を送りながら」と記述されてあることから
ネットではやはり癌の可能性を疑う声が多かった
2人姉妹の姉である。
息子は声優の田中光。
妹1人を持つ姉であったことや
実子で同じく声優の田中光氏の出生タイミングと
29歳にしてプロデビューした異色の経歴に加え
今回の心身の急変による逝去を勘案した結果
各チャートはおそらく以下の通りとなった
*****
現行ダシャーを健康運の概略であるドレッカナに照らすと
「疾病」の6室で水星が定座して金星もコンジャンクトし
絡まない月がラーフの住む7室( マラカ )にラグナからアスペクトバックする
プラティアンタルのダシャー・ロードがラーフ・ケートゥ軸に住む7室の支配星で
それがラグナに住んでその分割図の影響力を励起してしまうことが
今回の信じがたい訃報に通じたと分かる
5室牡牛座に住む土星はラグナロードであっても「2室支配の生来的凶星」であり
それが7室のラーフをアスペクトで傷つけたり2室( マラカ )にアスペクトバックすれば
「ナチュラル・キラー」と称されるその殺意を露悪させるのである
逝去が公表された昨日時点の細微なダシャーを確かめると
水星とコンジャンクトした金星が逆行して星座交換し
乙女座から見たトリコーナに7室( マラカ )支配で高揚の月が住み
月は木星( 3室12室支配でマラカの2室に住む )とガージャ・ケーサリになる
山羊座をラグナと想定したのは
蟹座山羊座の軸にラーフ・ケートゥが住むためで
土星が定座して対向で減衰した火星をバンガする絡み方が
ラグナ対7室の軸であれば逆に健康運を潜在的に損なう凶相を作るからである
火星は「6室の表示体」で強過ぎれば傷病の危険を高めるが
医療占星術では若さや生命力のポテンシャルも担うので
3室やマラカの2室7室で減衰すると先天的な虚弱の傾向をもたらし
土星がアスペクト等でバンガ出来るとしても
山羊座ラグナでは土星が2室も支配してマラカ的に振舞うことになり
ラーフ・ケートゥ軸でシャシャ・ヨーガが生じて火星が減衰するのは
加齢と共に傷病が突発する可能性を指し示す所見となる
( ラグナロードの土星がラグナで定座するのは自若な健康の強さを意味するが
この座相ではケートゥのディスポジターとしてラグナに定座した生来的凶星で
肉体の健康を司る星としての吉意と逆に気力体力の衰微を促す凶意が併存する )
特に氏の場合は
10室で減衰のディグバラになった太陽がアートマ・カーラカで
10室天秤座に対し7室から機能的にも凶星の火星がアスペクトし
ラグナからは2室の支配星でもあるシャシャ・ヨーガの土星もアスペクトし
俳優や声優として日頃から厳しい緊張感に耐え抜く働き方を続けていたらしい
天秤座では太陽をバンガする金星そのものが逆行して減衰しながら星座交換し
その影響で太陽とスーリヤ・ブッダを組む水星の担う6室( 疾病 )の象意が復調してしまい
心身の整合が得られにくく好調と不調の波を繰り返す体質だった様子だ
「疾病・負傷」のシャスタムシャでは
水星が太陽と星座交換し金星も水星へ逆行して強い絡み方になり
太陽・金星と相対した月のディスポジターは木星で
完全にプラーナのレベルまでダシャーが絡んでいた
蠍座ラグナは
土星が明確なマラカで金星も傷つけばマラカに悪変する厄介さがあり
減衰の金星をマラカの水星がバンガするのはあまり良い所見ではないとも言える
マラカの土星が4室にアスペクトバックした位置に火星が住んでしまったり
減衰の金星がマラカの水星と関わって逆に悪影響を受けながら火星にアスペクトされ
マハー・ダシャーとアンタル・ダシャーが凶意で傷ついたまま全てのダシャーが連絡する
蠍座ラグナで良い影響をもたらす木星は
それでも「7室に住む2室の支配星」で
凶意の分割図でプラーナ・ダシャーが7室に住むと
やはりその不運が実ってしまうと判断できる
また
昨日時点ではもちろん山羊座がダブルトランジットされる最中で
ケートゥがラグナに住んでシャシャ・ヨーガが出来てしまう配置は
「ケートゥのディスポジターが2室( マラカ )の支配星としてラグナで強くなる」ため
不健康な持病があれば急激に容体悪化が進んでいく途上だったと言える
シャスティアムシャはラグナを山羊座でヴァルゴッタマにすると
火星が「弟妹のハウス」の3室に位置し木星も相対してアスペクトバックし
明確に実妹の存在を証明出来ている
金星はそもそも音楽や芸能の表示体であり
山羊座ラグナではその象意を強調した5室10室支配のヨーガ・カーラカで
ラグナに住むことで俳優・声優としての適性を顕示すると同時に
7室支配でマラカになった月が住む12室に逆行してしまい
ラグナにアスペクトしてくる木星も3室12室支配で機能的には凶星となる
ラグナがヴァルゴッタマになると
シャシャ・ヨーガの土星は2室( マラカ )の凶意を強く増悪させ
「寿命」の3室に住む火星を重い凶意で傷つけて
7室蟹座をマラカハウスとして励起する
やはりアンタル・ダシャーが金星期になった頃には
何かしらの病的不和が心身に生じてくる所見である
デビュー当時の時運と
実子懐妊のタイミングを確かめる
初ヒロイン役は映画『不法侵入』(機内上映版)のマデリーン・ストウの吹き替え。
声優としての初オファーは洋画吹替で
同映画作品の日本公開は1992年の年末だった
考え得るダシャーはこれらの期間である
試しに「木星-ケートゥ-金星期」をダシャムシャに当てはめたところ
ケートゥのディスポジターでラグナロードの火星は12室に住んでしまうが
12室から起こす8室目のアスペクトを木星が受けて
金星は7室に逆行する上に水星と星座交換まで起こして7室8室が強く絡む
ラグナと2室と7室と8室がダシャー上で絡めば
間違いなく仕事のオファーが得られたことを意味する
アンタルがケートゥ期になってから最初のプラティアンタル・ダシャーの金星期は
やはりダシャムシャを含む複数のチャートで整合が見られた
強く有意な絡みが起これば「立身の機運」を示すことになるD11でも
ラグナに住む木星に対してまさに当為の11室に住む金星が逆行して再び星座交換し
9室牡牛座に住むようになったところへ木星が9室目のアスペクトを与える
11室に住む金星が
星座交換で9室( 11室から11室目のハウス )に伏在する特異な吉相を起こし
木星が7室にもアスペクトバックしながら金星に絡んで来る理想の所見は
名実共にプロデビューの門出を約束した予兆だった
ラーシは「見事な配置の妙」と言うべきで
木星のディスポジターの土星はケートゥのディスポジターでそのまま定座して
土星が起こす10室目のアスペクトを受ける金星もマラヴィア・ヨーガになる強い座相だ
( 田中氏がやっと29歳にしてプロ声優となったのは
シャシャ・ヨーガの土星がアスペクトする金星が逆行して星座交換するからで
10室支配の金星が「失業」の9室で減衰して6室支配の水星と結びつくことが影響している )
木星がそのままケートゥのディスポジターになるナヴァムシャは
木星の5室目のアスペクトが起こる3室牡羊座にマラヴィア・ヨーガの金星が逆行する
D11同様に11室と9室が強い生来的吉星同士で絡んでおり
快美なほどに素晴らしい独立の機運を示している
( この主演女優の吹き替えが田中氏の最初のキャリアだった )
その後
この時点で氏は結婚を済ませ
晩春までには実子で現在は声優の光氏を懐妊したはずである
2018年より慶應義塾大学総合政策学部に入学と同時に声優業を開始。
2019年4月より賢プロダクション所属。
生年月日が「3月2日」とだけ記載がある光氏ご本人のプロフィールでは
それでも『 2018年より大学入学と同時に・・・ 』と確信に足る要旨が示されてあり
つまりはその時点で大学生だったことに留意すると
生年月日は「2000年3月2日」と見なすことも出来るからだ
※参考ソース※
その仮の生年月日から約10ヶ月ほど逆算すると
「木星-ラーフ-ラーフ期」における1999年5月2日以降が時運上の合致と判断してよい
獅子座がラグナになったサプタムシャは
5室支配の木星がまさに9室( 5室の結果 )に住んで
木星はそもそもラーフのディスポジターで
主要ダシャーがまず無事に絡んでいた
更に注目すべきは土星と水星の星座交換で
それは月から見ると2室5室支配と9室10室支配が関わり合い
2室と9室や5室と9室がサプタムシャで星座交換すれば
明確に「実子の懐妊」を指し示す所見である
それは
本来のラグナの獅子座からでも2室対7室の星座交換のため
水瓶座で定座したように働く土星が3室目のアスペクトを9室牡羊座に起こす絡みは
おそらく「木星-ラーフ-ラーフ-土星-水星期」が実子ご懐妊の最適時運だったはずだ
ラーシは
木星ガージャ・ケーサリを組む月がラーフのディスポジターで
月の9室目に土星がちょうど定座して「子供」の象意を強調し
土星がアスペクト出来る天秤座の水星は
金星が逆行して星座交換することで乙女座に水星が住むようになり
本来のラグナから見てもそれは9室で月からは5室目だった
木星が「私生活( 結婚生活 )」の2室に住んで
ラーフはまさに「結婚」の7室に住み
「子供」の5室で高揚する月は
重ねて結婚の表示体になるラーフのディスポジターだった
ラーシを見るだけでも
確かに結婚と懐妊の時期だった余地が伺える
ナヴァムシャは
木星がアスペクト出来る3室牡羊座の水星がラーフのディスポジターで
火星はよく見ると土星が火星と星座交換しラグナロードと5室の絡みになって
そこへ「結婚生活」の2室を支配した木星がアスペクトする位置関係で
明確に成婚と懐妊が説明できている
上記のダシャーでは肝心な7室支配の太陽が関わって来ないが
太陽が住むのは5室双子座なのでディスポジターは水星で大いに整合が見られた
3室10室支配の火星がラグナロードと星座交換すると
ちょうど俳優や声優として適正な絡み方であったり
3室の支配星が定座したようになって木星のアスペクトを受ける配置が
実妹の存在を明示していたことが大きかったが
結婚と長子の懐妊も結果的に十分正しく証明できた
最も正しく時運が示されるべきシャスティアムシャでは
木星自体がラーフのディスポジターになって配置上でも絡み
7室支配の月のディスポジターにもなった重要な表示体である
木星にアスペクトされるシャシャ・ヨーガの土星と
ラグナの土星から見た4室目の水星が「子供」の9室を支配しており
必要十分にその経験を果たした時運だったことが分かる
こうして母子両名が収まった写真が
今まさにネットで「悼むべき思い出」となってしまったのは
私にとっても筆舌し切れない
代名詞「草薙素子」との不思議な符号
戦う女といえば、『攻殻機動隊』の草薙少佐だ。この作品は田中さんの声なしに成立しえただろうか。屈強で一癖ある男たちを束ね、様々な政治的折衝をこなしながら、クールに自らの役割を全うし、敵と対峙するその姿は、戦う女の代名詞とも言えるほど、大きな影響を与えている。
このシリーズで田中さんの芝居は、その深遠な世界観を体現するような、深慮の効いた芝居だった。深く思索し、物事の本質を掴み取る。知性と情熱のほとばしるそのパフォーマンスあってこそ、草薙少佐は名キャラクターたり得た。
「ありそうでなかった」と本当に言い切れる女性を主人公としたSF劇の攻殻機動隊は
日本製のサイバーパンクではあのAKIRAと並んで世界中に認知され
この10年来でハリウッドが実写化した数少ない日本のサブカル作品の一つである
( ゴースト・イン・ザ・シェル )
脳と脊髄の一部を除き全身を義体化した女性型サイボーグで、公安9課の現場指揮官。
単純にご本人の来歴に沿ってレクティファイした結果
ナヴァムシャは水瓶座ラグナだったが
水瓶座というのはこれまで何度も言及してきたように
「ボーダーレス」という象意や「超越的な科学と技術」といったサインで
攻殻機動隊の世界観そのものがまさに水瓶座であるのは全く奇妙な偶然だった
ラグナロードの土星は火星と星座交換することで
化学や物理学などのテクノロジーの表示体として強く働くことになり
その凶星同士の星座交換に含まれる水星は中性の惑星で更に知的技能の表示体になり
見れば見るほどまるで田中敦子氏ご本人が草薙素子( 人型サイボーグ )のようである
水瓶座は様々な目的とそのための手段が相互に影響し補い合う様子を模写するため
複雑系の科学知見のサインでもあり端的には深遠な演算力のある精密機器を指す
一つの大まかな指向性を持った思想と運動なども水瓶座であり
「最先端技術の集約」という表現も出来る水瓶座は確かにサイボーグを指すサインである
( 当然ながらAIも水瓶座が司る )
最も素朴な「その人らしさ」を写実したラーシは山羊座で
ラグナのシャシャ・ヨーガが7室で減衰した火星をバンガするのも
やはり「土星的な孤高の女性が木っ端同然の小悪党をねじ伏せる」といった様子で
逞しい底堅さが近未来世界の公安要員たる草薙素子の姿を模写できている
( またラグナと7室の相対を見直すと「軍属や公安関係者」の要件である火星土星の絡みだ )
以前に公称の出生時刻に従いチャート解読した中森明菜氏の検証でも述べたように
「俳優や歌手が見せる演技の表現は本人自身の隠喩になっている」という類型が
田中敦子氏の場合も例外ではなかったのである
全ての行い( カルマ )を指す10室天秤座が太陽をバンガする惑星集中なのも
「エゴを排し徹頭徹尾して社会の秩序を守る」ことを使命とした草薙素子の立場を指すようで
その奇妙な符合ぶりを見てジョーティッシュの神妙さがしみじみ実感できた
その訃報がもたらすもの
「皆さん、攻殻機動隊はこの『最後の人間』でいったん結末を迎えるのかもしれません。でも、どうか忘れないでください。みなさんがネットにアクセスする時、攻殻機動隊にアクセスする時、私たちは、私はいつでもみなさんのそばにいます。どうか、忘れないでください」
ネットではこの氏の生前の発言が “ 予告 ” であったことを知るに至り
ひたすら哀悼の言葉が募っていく最中である
これから3ヶ月弱を経た「水星-金星-火星期」においても
国内外を問わず追悼の私信などが続くはずである
10室でコンジャンクトして星座交換まで起こる水星金星に火星がアスペクトし
9室10室の絡みに対し11室支配の火星がバンガされた良い象意を与えてくることは
一人の声優であった田中氏の軌跡が注目され世界から称えられる様子を伝える
( 10室天秤座には2室水瓶座から12室支配の木星もアスペクトして国際的な話題を意味する )
ラーシ以上に影響するナヴァムシャは
マハープルシャの金星が逆行した位置に住む水星を巻き込んで火星土星が星座交換し
12室で高揚した3室支配の火星が3室に定座したようになって木星がアスペクトする
9室や5室の象意に3室と12室が関わって木星の保護を受けることから
こちらでもSNSで世界的な哀悼と表敬の言葉がまだまだ積もっていくらしい
D11はとても神妙な時運の励起があり
10室に逆行した金星が水星と星座交換すると
その位置( 9室や10室 )からトリコーナやケンドラになったラグナに火星が住み
まさにエカダシャムシャの象意が顕現する一時が巡って来る
トランジットの土星は今も水瓶座を逆行するが
それは田中氏の木星が住んだ2室に起こっていることであり
山羊座ラグナでは木星が3室12室支配でそれがSNSを指す水瓶座に在るため
今すでに日本も世界も各々がその逝去を強く率直に哀悼し始めていることだろう
心より
ご冥福をお祈りいたします
以上
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