top of page

占いに頼ってみたいだけの人

更新日:2022年2月10日






私もジョーティシャーを志すようになって2年強になる



私が声をかけて占断の訓練にさせていただいた方々には日々感謝すべきであるが

それなりの頻度で占断を練習していると

やはりどの占いの分野にも出現する “ よく分からない人 ” にぶつかることがある







上記は私がまだまだ手探りで占断を試みてかなり試行錯誤していた頃に

私が偶然に選んだ女性のチャートである



ご本人の主観的な人生傾向は

「とにかく人として順調な経験がなくコミュニケーションが何かと不器用で

恋愛等の人間関係も不十分なままでとにかく容量が悪くて自信が持てない」とのことだった



また肝心な問題点が一つこの彼女にはあった



奇跡的に結婚はできたが

その生活は破綻しどうにか子供(男児)を養育しつつも

経済的には夫に頼らざるを得ないにもかかわらず

その夫から離婚を求められており

まだ幼い実子のためにもより良いパートナーを見つけ

何とか再婚を果たすことが悲願だとのことだった



(また私が引っ掛かったのは

この彼女が自身の結婚について「夫からの婚姻費用」という

独特で意味深長な表現を用いていた様子である

身売り同然の格差婚というような関係だったのだろうか)



今こうして彼女のD1やD9を眺めてみても

実際の彼女の体感や主観とチャートの実態には

やはり差が開いているように思えてならない



まず月齢は私のラーシよりも1ハウス分も多いほどで

月からの4室目で金星は定座となり

ディグバラのマハープルシャ・ヨーガにさえなっており

これは決して重篤なケマドルマ・ヨーガとは言えない



それどころか

牡牛座では木星が機能的にも吉意を以て逆行している配置で

金星と対向した牡羊座にも住むように働くため

天秤座で定座の金星がおびただしいほど吉意の反復増大を起こす所見である

(なおかつ木星が逆行の位置からケートゥの住むラグナにも仮想アスペクトを起こす)



そして定座した月から見てその木星は逆行することで10室目にも伏在し

優れた素養と持続力をもたらすガージャ・ケーサリ・ヨーガの亜種的配置になっている



機械的な判断でラーシを一瞥する限り

「ここまで恵まれていてどうしたら人生の途上で行き詰まるのか」の一言に尽きる



私のラーシと比べれば私が生まれ持たない良い配置をいくつも与えられている

正しい目的を持って努力できていればとうに私を上回る先達者のようになれる人だ







仮にご本人の出生時刻が何かの酷い手違いで

2時間ほど早かったり遅かったりしたとして

ラグナが蟹座にずれたり乙女座にずれたりしても

月も木星も金星も

吉意の部屋で定座したりヨーガを帯びたりする上等な配置の持ち主になる



輪をかけて何が彼女の人生を滞らせているのか首を傾げるばかりである



どうやら

ラグナと月のナクシャトラやラーシの太陽が

彼女の生まれ持った性格と精神性を鈍く重たくしているらしいことが

チャートを掘り下げていく中でわかった



12室に定座する月は

何かと悪影響のある「アーシュレーシャ」に位置し

ラグナのナクシャトラはケートゥの支配する「マガー」であり

あろうことかラグナにはまさにケートゥが住んでしまっている



アーシュレーシャとは以前の投稿でも扱った「サルパ・ドレッカナ」に位置し

何かにつけて不穏な人物との出会いや経験をもたらし

人間性を不純な方向に導こうとする悪意が外からやってくるナクシャトラである



以下に私が生まれて初めてラーシとナヴァムシャを診ていただいた恩師のページを抜粋する



アシュレーシャー - あべのインド占星術学習帖 (fc2.com)



月がプライベートな経験を意味する12室に住むこと自体は悪くない配置だと思ってしまう

12室に定座する吉星は月以外であれば「一人の時間を楽しく過ごせる人」という所見で

月が定座した場合は月齢と月からのケンドラに吉星が住むかどうかで良し悪しが決まる







月からは4室目に金星が定座しディグバラのマハープルシャであり

木星は月から9室目を支配して逆行して10室に絡んで仮想のラージャ・ヨーガである



まずまず十分に強く月を底堅い強さで守ってくれていると思えるコンディションだ



金星は本来のラグナから3室目に在り木星は10室目に住む

女性らしく知的で優雅に立ち振る舞う理想の自己像を所有できている印象だ



ただし一方で月から見た6室には7室8室支配の土星が住み

それは本来のラグナから見ても6室7室支配となって5室に置かれている



そして7室にはその部屋の象意を極端にさせ運勢を不安定にするラーフが住む



これが原因で彼女は間違った人間関係を選びやすく

月から見ると「パートナー」を表意する土星が7室支配で6室に住み

「不本意なままの結婚」を遂げてしまったのである



土星が月から見て8室(結婚後の私生活)も担って「争い」の6室に住むため

内弁慶の外地蔵といった力任せの陰険さで夫と家で渡り合っている裏の顔を持つようだ



また

9室支配で貴重なラージャ・ヨーガ・カーラカの火星は「煩悩」の8室に住んでしまっており

これも8室牡羊座にラーフが在る私自身に照らしてよく分かる配置だが

「外面は真面目で不器用なフリをしてその実ムッツリと出来心を持て余す」所見である







客観的に容赦なく彼女を品評するならば

わざと自分の不幸に浸る哀れな自惚れたがり】とでも

言うべきキャラクターなのかも知れない



なおD9のラグナは双子座であり

より緻密な計算が可能な有料ソフトでD9の度数を確かめた場合

もしかすると彼女のD9のラグナはナクシャトラが「アルドラー」の可能性もある



⚹(Jagannatha Horaでナヴァムシャのナクシャトラを精査してみた結果

まさにラグナと土星のナクシャトラはアルドラーだった)



アルドラーも支配星がラーフであり

自己流の線引きを遠慮なく実践して見せる意固地な性格を与えてしまう

(私自身ナヴァムシャのラグナに住む木星がアルドラーでありよく当たっている)



そこに吉凶が揺れやすい8室9室支配の土星が住むので

D1とD9の両方で極めてネガティブな感情ばかりが勝っている余地がある



その頃の私も今以上に大味な占断力しか持ち合わせていなかったが

明快な所見として

彼女のラーシの4室で起こるスーリヤ・ブッダ・ヨーガは

ラグナロードの太陽がサルパ・ドレッカナの蠍座でヴァルゴッタマであるため

この配置が彼女の家庭内での違和感(≒実父との不仲)と言える不穏な感情を

示していることが悪い余韻として大きいようだ



(とはいえその太陽には10室から木星が対向してくるのだから徐々に健全になれるはずだ)



私はなるべく多くの方の味方でいたい立場ではあるが

今回のこの彼女ばかりは庇いかねるほどの曲者である



私との対話において彼女からは

「父からは『お前とは性格が合わない』と言われ居場所がなく辛いです」等の旨があったが

木星は9室の本質たる5室を支配してラージャ・ヨーガになって彼女の4室と対向している



父親やグルの象意がある木星がここまで強くなって8室の影響を与えるのだから

彼女の実父の本当の人物像は

「手厳しくも愛情のある誠実な年長者」でなければおかしいほどだ



本当に自らの父と不仲だった私や私の実姉は

10代の頃お互いに父と本気でぶつかった記憶があるし

私のラーシの4室に住む3室8室支配の火星は実姉のアートマ・カーラカでもあり

時と場合によっては姉の捻れた負の感情が私へ矛先を向けてくることさえあった

(実姉のラーシで私を指す3室の月に9室で高揚した6室支配の水星が対向する配置がそれだ)



素直に白状するが

私はいつぞや家で散々に酩酊した勢いで居間でテレビを見ていた母に向かって

「墓参りなんて出来れば行きたくないし俺はいつか親父の位牌をへし折ってみたいんだ」と

思い切り嘲って見せたものである



(母は酔った息子の悪フザケだからと気にも留めなかったが普通の家なら大喧嘩が始まる)



本当に家族が不仲であれば

両親のどちらかが鬼籍に入ろうと一切の温情を残さないものだ



トラウマになるほどの心の傷を負ったこともないまま

行きずりの結婚をして子供さえ残し

その自己責任と向き合う覚悟もなく

タダで占ってもらうことでそれを自分の答えにしようとした彼女



彼女に対しチャート上から正しく指摘できることがあと一つだけ残っている──



貴女はそんなことだからナヴァムシャでグル・チャンダラ・ヨーガを持っているんですよ




グル・チャンダラ・ヨーガとは不徳そのものを指す罪のヨーガであり

狭義では「師を裏切ってその道に背くことで実の子や目下の者から無情に蔑まれる」とされる

(ただし一方では旧態依然を否定する前衛的知性が現れるとされ奇抜な才能も示す)



彼女の場合はヨーガの影響力がとても深くから作用するナヴァムシャでそれが起きている

あと数年もしてお子さんに物心がついてくる頃には確実にその非業が顕現し始めるだろう



彼女は今このコロナ禍でラグナロードがマハーダシャーとなった太陽期が始まっている

ナヴァムシャでは6室で太陽が蠍座のヴァルゴッタマであり

3室支配の凶星であるため苦境の真っ只中を進むことになる



しかし彼女のナヴァムシャは「創意」の9室で生来的吉星の惑星集中となり強い好影響がある

新時代の代名詞でもある水瓶座の英知と自負で多くの耳目にその声を響かせるかも知れない



彼女はその人生で過去を正しく清算し切れず人間的に満身創痍にならないとも言い切れない

もう二度とないとは思うが仮に彼女が平然と私に占断を依頼してきたらこう答えるのみだ








以上

閲覧数:183回10件のコメント
bottom of page