私自身もそこまで注目していなかった芸人の木本武宏なる人物が
今更というべき仮想通貨の詐欺を「担う側」となって途方もない出資金額を集め
取り返しがつかなくなりとうとう事実上の芸能界引退に追い込まれた
おそらくは「投資」(投機)の5室が強くなる配置を持ち
本人を指すラグナロードも同様にかなり強くなければこうした詐欺には関わらないだろう
これほどに“ 有意な ” 条件をすでに示してくれているので
ラグナ検証はごく普通の相手と違って随分と簡単であるように思う
その点に留意して推し進めた木本氏本人のチャートは以下のようになった
木本武宏氏は1990年に木下隆行氏と共にコンビ「たむろ」(後に現在の「TKO」に改名)を組む
翌々年の1992年には正式デビューし関西圏で活動を開始する
重要なのはやはりデビュー年月日に対するダシャーがそれを説明できるか否かだ
「ラーフ-木星-土星期」あたりにはプロデビューしていたことになる
ラーフのディスポジターの土星がラグナに住んだ木星と対向している
ラーシチャートの土星はラーフのディスポジターでプラティアンタルダシャーのロードだ
ラーフがラグナロードとコンジャンクトしディスポジターの土星は7室(10室の本質)に住む
ラーフのディスポジターの太陽は木星とコンジャンクトし土星がアスペクトする
ラーフのディスポジターの金星に木星がアスペクトし土星はその木星にアスペクトする
特に重要な職業運の見取り図であるダシャムシャで
「物事の始まり」を指す5室にラーフが住んで高揚する配置は確実に「プロデビュー」の時運だ
このように
主要チャートの全てでラーフとそのディスポジターに木星がアスペクトする等し絡んでいる
おそらく木本氏はラーシが蠍座ラグナで生まれている可能性が高いと言える
投機に強い興味を持つ高揚の金星とナヴァムシャのラーフ
今回この木本氏をチャート検証してみようと思ったのも
その特徴がとても明確に出ていてラグナ特定が難しくないからだった
ラグナに住んでディグバラの木星は「投機」の5室を支配して逆行し金星と星座交換する
あくまで仮想的な影響なので正しく働くほどではないが
大吉星の木星が「私財」の2室と「投機」(ギャンブル)の5室を支配してラグナに住んで
逆行し「浪費」の12室に住むようになり
すると木星金星の強烈な星座交換となり5室と12室が絡んで「浪費」の影響を強く与える
またラグナロードの火星は3室で高揚しラーフも伴っていて
本人の目的意識に従ったままやるべきことを極限まで推し進める所見だ
その火星が6室で生じたスーリヤ・ブッダ・ヨーガにアスペクトを返し
10室支配で高揚する太陽と8室11室支配の水星に威力の底上げを与えている
スーリヤ・ブッダが生じているこの6室には対向12室に木星が逆行してくるため
「忍耐・奮闘」の6室在住であっても5室対10室や5室対11室のダーナ・ヨーガが仮想的に生じ
エンターテイナーとして売れっ子芸人になれる人生を歩んだと考えられる
ダシャムシャでも3室(パフォーマンス)支配の木星が10室から金星にアスペクトを返す
月をラグナにしても3室支配の水星が10室に住んで木星と対向し吉意の保護を受ける
3室(身振り手振り・演芸)の支配星が10室に住んで9室支配の生来的吉星と対向するので
自然と自己表現すること(芸人)が職業へと通じて行くことを示している
より華美な芸能の表示体である金星は本来のラグナから6室に住み月からは12室目に住んで
俳優やタレントのような理想的な自己実現にはつながらなかったのである
(逆に考えれば金星が5室10室支配で6室に住むのは奉仕的なサービス精神を意味している)
これら主要な運勢図を見て気付くのは
木本氏のラグナロードやラーフやそのディスポジターに5室の支配星や木星が絡むことだ
5室とは深い意思の伴う営為でありギャンブルの象意も含まれ
それに生来的吉星が関わるとスリルのある達成感を喜び楽しむ射幸心を強く促す所見になる
ナヴァムシャは8室支配の太陽が減衰してしまい木星と金星がそれをカバーリングする
ラグナでシャシャ・ヨーガになる強い土星以外にも4室11室支配の火星もアスペクトし
8室や12室や11室支配の機能的凶星の影響が10室で入り乱れる所見で
減衰してしまうのは太陽であるため「信用し切れない危うい交友」にハマりやすい傾向だ
減衰した太陽に強くなった土星や機能的にも凶意を持つ火星や木星が関わる配置が
「人が良く他者の悪意に流されやすい」といった性格を作るようである
ただしそれは単なる無知無能とも違う所見があり
ラグナで定座の土星とコンジャンクトする金星はヨーガ・カーラカとして土星に吉意を与え
2室(私財)も支配する土星に利殖に適した勘の良さと実践力をもたらしている
金星と土星が強い星位でコンジャンクションするのは事業家の才能が芽生えていく所見で
充実感のある成功体験を実際に体現できていた過去が木本氏にはあるのかも知れない
木本氏が今回の詐欺の窓口役になったのは「STEPN」なるネットゲーム形式の仮想通貨で
出資金でスニーカーを買いそのスニーカーをVRツールとしてゲーム内の世界を歩き
稼いだ歩数が仮想通貨の増減に直結していくといった仕組みらしい
添付した画像で述べられている通り「いかにも簡単に稼げてしまう」ロジックが伺えるが
私自身も『AIが自動で仮想通貨同士の取引を行い差益を無尽蔵に生み出す』という
とても未来的で現実味ある投資詐欺の被害に遭った過去を持つ者として
そうしたアプローチが上手く装われたポンジスキーム(預り金を循環するだけの詐欺)だと
今ではすぐ直感できる(あくまで今ではという話だが)
新規仮想通貨は必ず紹介者にもマージンが生じるルールが付加されており
おそらく木本氏が実に6億円ほどもの出資金を集めたのもその制度があったためだろう
再びナヴァムシャを見ると3室在住の11室(仲間)と7室(知人)を支配する月・火星に土星が絡む
その月と火星のディスポジターは木本氏の現在のマハーダシャーであり
アンタルダシャーのラーフのディスポジターの太陽とコンジャンクトし
プラティアンタルダシャーのケートゥのディスポジターの土星が太陽木星にアスペクトする
拙い出来心で芸人仲間を利用したその結果はラーフの8室と12室の木星が示した10室である
10室で減衰した太陽こそむしろ理性の死に絶えた8室的煩悩を大衆に見せつけている有様だ
ラーフのディスポジターとなった8室の支配星はラーフの貪欲さと悪意の経験となり
ほぼ正しい成果が残らないようなシナリオを描き出す
(これもまた去年10月手前まで8室のラーフ期だった私の私的経験から想像できることだ)
念のため「不可避な経験」を意味するD8(アシュタムシャ)も診ておく
木星と土星が星座交換し1室7室軸ではラーフ・ケートゥが減衰し間違った衝動に囚われる
木星は逆行し減衰したようになり
6室も支配するラグナロードの金星と絡んで土星と星座交換し
10室と8室11室が最も深く交わることになる
6室の支配星にも木星が逆行し
「欲得の泥沼で足掻いたまま犯罪的な悪意が露見する」といった様相を描いて見せている
最も主要な時運のラーフは7室で減衰しそのディスポジターの火星に木星がアスペクトして
木星の8室11室という「友人を利用した自己目的」の悪意が2室に住む12室支配の火星と絡み
結局は私財(2室)を空費する(12室)だけの最悪な損失を周囲にもたらした経験を意味する
土星期の影響が現れ始めた木本氏の今後
来年の6月15日から木本氏はマハーダシャーが土星期となる
つまり今回の事件は土星期的な経験の前触れだったとも言える
ラーシは土星が10室の本質たる7室でディグバラとなりナヴァムシャはラグナに住んでいる
ラーシの土星は3室4室支配で機能的にも凶星化し
ナヴァムシャでは吉星化するが12室支配で機能的凶星の木星が逆行位置からアスペクトする
ナヴァムシャの土星はラグナで定座したシャシャ・ヨーガなので
表社会から姿をくらましたとしても木本氏は全く異なる第二の人生が始まる様子である
10室で実際に10室の表示体の太陽が減衰し機能的凶星とばかり絡む悪い所見が影響している
ダシャムシャはナヴァムシャと似た配置を繰り返していて10室には12室支配の木星が住む
この配置では
やはり信用を無くし無職のようになるといった将来像が見受けられないが
月を見直すと土星と対向しており
つまり月をラグナにすると7室でシャシャ・ヨーガになっていて
土星が10室に住むのと同様に「露悪的かつ法外な方法論で生計を立てる」ことになるようだ
木星が住む天秤座というのは太陽が減衰し金星が定座する星座で
どうやら「賭場」(カジノ)の表示体でもあるらしく
3室12室支配の機能的凶星になった木星がその10室天秤座に住む配置は
「真面目に働くよりも遊ぶようにして稼げる仕事をしてみたい」自意識を秘めている
やはり木星は逆行することでラグナに住むラグナロードの土星にアスペクトし
木星のディスポジターの金星は「投機」の5室を支配して6室(利己心)に住むので
そもそも木本武宏氏その人とはカリスマのある遊び人ということなのかも知れない
ラーシの7室でディグバラの土星は月を高揚させる牡牛座に住み危険で無謀な冒険心を生む
スリルと欲得を楽しみたいというカルマが氏の土星期であり
その背徳感情から逃れられないままの20年を送るしかないようである
ラーフ期で一応は8室的経験を終えた私にもこの醜態はむしろ生きた薬となった一件だ
以上
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