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「宗教にハマる人」「ハマらない人」の違いをパンチャムシャ(D5)で考える

執筆者の写真: 鹿村文助鹿村文助

更新日:2022年9月13日







安倍元首相の逝去を経て新興宗教の統一教会がその経緯に関係したとして問題視されている






安倍氏殺害を決行した山上容疑者の私生活を悪変させたのが実母の統一教会への隷属だった

統一教会を知る以前は別の宗教団体に入れ込んでいたらしく

実父がそうした私生活から飲酒癖を強めDVを常習し最後は自殺したこと自体は

むしろ山上の母が家庭内にもたらした悪影響の結果だったのである



山上の実兄が重篤な小児癌で失明してしまったほどの病苦を抱え

山上の母はあまりに過酷な現実に耐えられなかったようである



山上の実父が京都大学卒という極めて上流の階層であってもかつての日常は理想とは真逆で

社会的な自己保身を損なうしかなかったカルマがまた別のカルマに玉突きしたような結果だ



統一教会に心の救済を本気で求めるしかなかった山上の実母というのは

ラーシ・ナヴァムシャ両方で2室4室7室8室等が劣悪に傷ついていることが確実であるが

厳密な出生時刻が分かれば深い精神性や宗教的趣向を示すD5も吟味できただろう



D5はナヴァムシャの9室的な良い側面だけを単純化した分割図で

ラグナや5室や9室(即ちトリコーナ)が強ければ本人自身がグルのように賢明な人物となり

逆にそれらの支配星や月がとても悪い配置で8室の支配星が絡むのであれば

おそらくは精神的な弱さが「まやかしの教え」の犠牲にさせられるはずである



卑近な例だが過去の記事で挙げた私自身のD5を再確認するところから本稿を考えたい





言うまでもなくD5は5室の支配星の配置や5室の在住星や5室の結果たる9室が重要だ



私のD5はラグナロードの土星が9室乙女座で7室支配の月や5室支配の金星と結びつき

我ながら随分と出来過ぎた良い配置が実現している



だから下劣なくせに宗教にハマっていた実父のような男に悪影響を受けていても

私は自分の思想を試行錯誤して行き結果的に自我を損なわずに済んだらしい

(下品に振舞いながら写経や読経に励む父の間抜けな姿を見て宗教が嫌いになったからだ)



外から家に帰っても手を洗うのを面倒がりトイレに行った後も同じように億劫がる父は

それでも宗教哲学が好きで部屋の本棚には手塚治虫のブッダが全巻しっかり揃っていた

(統一教会と同等の某宗教団体と手塚治虫氏は交友が有ったが同教団を父は馬鹿にしていた)



父は魚座ラグナでラグナロードが定座して逆行し「宗教的組織」を意味する水瓶座に絡む



月が支配して感情的に支配されやすい蟹座には惑星集中が起こり

知的感性の表示体の水星も逆行して定座するようになり

木星も水星も正しく働くようでいて逆行の影響で落ち着きなく揺れ動いていて

早い話が「頭が良いのか悪いのか」イチイチ区別できず矛盾が激しいのである



父のD5は最も肝心な5室支配で「グル」の表示体の木星が3室で減衰し火星が高揚している



ラグナ対7室で10室支配の太陽と機能的凶星の土星がせめぎ合い

宗教的には最も避けたいラーフ・ケートゥ軸に巻き込まれてラーフ・ケートゥは減衰する



結局は私の父が知的支障を生まれ持つような精神分裂気味の性格だったためだが

私からすると宗教というのはそもそも非現実な営みであり

それを生活の一部にできるのは人としての生理感覚と精神性が別になった奇特な方である





だから私の父のようにトイレに行ってそのままの手で平然と食事できてしまう癖に

哲学書を好き好んで読んでいるような “ 知的な馬鹿 ” は自分から宗教に歩み寄ることだろう



他人がどう思っていようと「自分がやりたいようにやる」のが宗教の本質であり

つまりは排泄行為のようにプライベートな時と場所でただただ気持ち良くなりたいのである



宗教を生活の一部に出来てしまう人はやはり三大欲求に宗教的習慣が融け込んでいる



従って宗教が自分のためか他人のためかを問われた時にどう答えるかが最も本質的だ

「自分のためでしかない」と答えるのはバツが悪いから誰でも上手く言い繕うだろうし

「○○尊師のためです」と堂々と言う者が在れば「知ることが大事です」と言い逃れる者も在る



心が健全で人間性が満たされていれば利他的な宗教に励みそうでなければ独善の宗教を好む

所詮は宗教ですら趣味や教養の域を出ずボランティア的な意志が伴って初めて価値を持つ



殊に日本社会は自然災害や人災による事故が絶えないためか利己的な宗教が流行ってしまう

だから有名な新興宗教が今なお横行していて醜悪な個人崇拝(教祖への盲従)が永続している



新興宗教はその様式がどの宗教に属すかという器としての定義と説法を保持したいだけで

実際は信徒らが自らの信仰をファッション感覚で美化しパフォーマンス出来れば良いだけだ



新興宗教はほぼ全てが自らの組織のための美辞麗句で自己満足することが目的で

本当に誰かの幸せを願い自分の言葉で思想を語ることなど出来る訳がないのである



例えば私が病的にハマっているこのジョーティッシュでさえ一種の宗教だと言える

(私は自分の独り言のためにジョーティッシュを常々こうして綴っているだけだが

世界的にも悪名高い巨大カルトのオウム真理教はかつてジョーティッシュを悪用していた)



占いは事実よく新興宗教の勧誘で多用されてきた手段であり

「無料で占うから我々の集会所に来てください」と私自身も某宗教から口説かれたことがある

年齢不詳な中年手前頃の女性が占い師を名乗って自流派の説教を少しずつ聞かせて

最後は訳の分からない講義のビデオを見せられたが

その映像に出ていた男性導師のあからさまに精彩を欠いたやる気の無さに笑ってしまった

(私はその後しっかりと得意の屁理屈で例の占い師の女性を言い負かし喧嘩別れした)



私はラーシの6室水瓶座に7室支配の木星が住むので宗教に寛容なのである

水瓶座は一つの目的を持った秩序や組織や機械的な仕組みそのものを指すからだ

土星が水瓶座で定座してトリコーナや2室に位置すれば良い意味で宗教を拒絶するだろう



私と同い年で水瓶座がトリコーナやケンドラになったラグナの持ち主は

木星が水瓶座の象意で具現化してしまい組織活動に肯定的なため宗教にハマりやすい

(特に蠍座ラグナなら何かしら信じている宗教があるような配置が出来上がる)



ラーシで月齢が強く太陽の位置も吉意のハウスなら宗教とは距離を置けるかも知れない

ただしラーフがナヴァムシャやヴィムシャムシャで悪い配置だと危険が残ることだろう



パンチャムシャを取り上げた記事に貼付済みだが

実はその算出方法には秘伝が大別して2つあり

大家セシャドリ・アイヤー氏の口伝方式では

また異なるラグナで異なる配置のチャートが示される





こちらの方もまた嘘のように5室の配置が素晴らしく

アートマ・カーラカの火星は4室9室支配のヨーガ・カーラカで5室に住んでおり

ラーシと同じ位置でヴァルゴッタマになり逆行することで定座するほどである



月から見るとなおも不思議であり

木星が5室天秤座でかなり強いラージャ・ヨーガになってケートゥとコンジャンクトする



この時に5室対11室の軸でラーフと木星が対向してグル・チャンダラ・ヨーガになるが

木星に対向した土星が減衰し8室の象意が絶えるためパラーシャラの例外則になる

(本来のラグナから見ても土星は6室を支配するため同様である)



こちらのD5から言えるのは「むしろ私自身が危なっかしいグルになる」可能性だ



土星が減衰してラーフとコンジャンクトしてグル・チャンダラ・ヨーガを組む所見は

今生の個人的な問題意識をジョーティッシュで槍玉に挙げていく意志を指す



土星とラーフは本来のラグナから見て9室で起きたコンジャンクションで

元来は冷徹な抑圧と自浄作用を与える土星が全く働かずにラーフから毒されるため

おそらく私もまた善良なフリをして一度キレると容赦しない幼稚さが隠れている



来年11月初旬には「木星-土星期」が始まるがこのチャートでは明確に絡みがあり

きっと私は先輩ジョーティシャーから複雑な笑顔で迎えられる玉虫色の伝道師になっている



また



せっかくと言っては何だがここで私が個人的に崇拝するある著名人のD5を貼ってみる





5室山羊座に9室支配の金星が住んでおり逆行しても4室でラージャ・ヨーガになる吉相で

月をラグナにしても同じように土星が定座したヨーガ・カーラカで逆行しても定座になる



ただしラグナロードは12室に隠れてしまいグルとして聴衆の前に出るのは控えたがる性格だ



「メディア」を意味する12室支配の太陽が3室に住んで象意が重複するが

ラーフ・ケートゥは減衰してしまいかなり静かで内向的な言動を見せる方らしい






はてさてその正体は──










Ado氏である




かなり以前に私見として氏のラグナ検証を試みて

「2002年10月24日」の生年月日に対し18:11という出生時刻にレクティファイし

ラーシは牡牛座ラグナでナヴァムシャは山羊座ラグナとした



本当に氏の性格を良く指示できていて感心し切りである






実際にラーシでは水星がアートマ・カーラカであり獅子座がカラカムシャ・ラグナになる



氏のD5では乙女座がラグナになり

ラグナロードの水星は12室獅子座に住んでラーシとナヴァムシャの相関が反映されている



ラーシのラグナロードの金星も5室に逆行して減衰してしまうようになるが

水星が高揚してニーチャ・バンガになりその配置自体がD5のラグナである

そして金星はD5では2室9室支配で機能的吉星となりナヴァムシャのラグナと同位置に住む



おそらく過去生と今生のカルマのバランスが絶妙に保たれており

けしてAdo氏が周囲の業界人から作られたイメージを演じさせられていないことが分かる



等身大で有名人の風体を気取らずマイペースに活動していらっしゃる氏は

9室の支配星が5室に住んでそれがラーシのラグナロードに当たるため

本当に自分を偽らないまま奥ゆかしく水瓶座(SNS)的アーティストであり続けることだろう





しかしそれでもなお人気が絶えないのは11室支配の月が2室でガージャ・ケーサリだからだ

その位置は天秤座で幅広い層に知られて行く活動を意味し

しかもラーシではラグナロードが定座した星座でもあり

D5のラグナから2室目(声・容姿・素養)だからこそ氏は令和を代表する歌手なのである



月からみて9室12室支配の水星が11室の獅子座に住み

静かにその誇りを掲げる高潔な王かグルのようでやはり奥ゆかしい



アートマ・カーラカの水星がD5のラグナロードで獅子座に住むため

確かに氏は「ポップカルチャー」という宗教の担い手でもある




最後にもう一人だけD5を覗いて宗教への免疫力を確かめる実例とする







6室に住む金星が4室11室支配で機能的凶星になり5室へ逆行して火星土星と対向してしまう

月をラグナにするとアスペクトバックする5室支配の太陽は「組織・秩序」の水瓶座に住む



D5で最重要な表示体の木星もまた9室を支配してアスペクトバックするが

全く因果なことにラーフと対向しグル・チャンダラ・ヨーガを3室対9室で組んでいる



月は本来のラグナロードであり10室に住んでパーパ・カルタリ・ヨーガの抑圧を受ける

この者も私と同様に自らが独創性ある意思の担い手になって孤軍奮闘するようだ



なかなかに物々しいカルマの様相が伺える





これが誰かと言えば──





またコイツである



チャートを吟味するほど見えてきたのは

どうやら私の相方は過去生で破門された修験者や隠遁者だったらしいことだ



彼は一人っ子で女性とは深い縁がなくそのため女性の審美眼には並々ならぬこだわりがある

しかし女性といざ二人きりになると生理的な忌避感が沸き起こり「気持ちが悪くなる」そうだ



今でも彼に対し彼の実母は親しげに距離を詰めてくるとのことで

それが迷惑なようでありつつ月に一度ほどは実家に帰ると母と過ごすのだという



「母親」の表示体の月は彼のラグナに住んで満月となり位置した度数がとても若いため

母親自身が精神的に若々しく実の息子を友達のように扱う



その月と対向の7室天秤座は金星が定座した惑星集中で

家の外に出ると沢山の出会いがありその関わりの中に理想的な女性も含まれる所見だ



彼の生来的な異性に対する子供じみた好き嫌いはその配置にあった





金星はマハープルシャ・ヨーガだが逆行して減衰する星座に住むようになり

そこにはケートゥも住んでいて結局は金星の象意が外向きに働かないのである



それでも金星はラグナに住むヴァルゴッタマの満月にほだされて色気づき

「母親的な安心感と程々に女性的な魅力が備わった異性」を本気で求めている



ラグナ対7室で月が金星と対向するので

赤裸々な異性との触れ合いが恥じらいと喜びの行き交う人並みな恋愛感情にはならず

「母に抱き寄せられその身体に触れていた時の慰めや安心感」を思い出してしまう



彼が恋愛的経験を遂げようとすると精神退行が起きてしまい

幼稚で気色悪い痴態をさらけ出すことになるが

彼のラーシとナヴァムシャではヴァルゴッタマの月から8室目で土星もヴァルゴッタマで

魂に染み込んだ過去生の禁欲的覚悟が無意識に心情の発露をせき止めているらしい



土星はラーシでラグナロード(かつアートマ・カーラカ)の火星と星座交換し

月のディスポジターの火星が土星と星座交換してラグナ対8室の位相のヴァルゴッタマで

「自分の殻を押し破って異性と結びつく」経験がほとんど叶わない配置が生じている





「月-土星-土星期」の今は月と土星のヴァルゴッタマの位相が影響する時で

人生上でもかなり強く異性を拒絶したくなる妙なバイオリズムが働く



一方で



「子供の懐妊・出生」のD7では同じくヴァルゴッタマの月から5室目のラグナに土星が住む



彼は遠くないうちに執拗なカルマが襲い掛かってくるように働き

何故かトントン拍子に行きずりの異性と結婚することになり父親になることを強いられる



遠い過去において一部の女性から恋慕の情を受けていながらそれを頑固に拒絶したことが

今生になり立ち向かうべきカルマになってしまっているようである



女性に対し非現実な理想像を求め続けながら女性との交わりを不快に感じるのは

おそらく彼自身が過去生で色情を毛嫌いし潔白に生きようとした宗教家か何かだからだ



ラーシで金星よりも月の強さが優ってしまうのは

過去生の彼が周囲の異性にモラルある女性像を流布し自身も女性に深入りしなかったせいだ

彼自身の振舞いは必ずしも女性を傷つけなかったので今生で母親から可愛がられるのである





改めて彼のD5を見るに太陽火星木星金星土星がアスペクトバックし強く異様な働きを担う



しかし金星は6室から逆行して火星と土星に痛めつけられて威力が復調できず

火星は蠍座と対向してアスペクトを返すが土星が火星自身と蠍座を傷つけている



9室支配の木星が「言動・振舞い」の3室でグル・チャンダラ・ヨーガになり

太陽は「創意的な思想団体」の水瓶座からアスペクトを返す



アンタルダシャーの土星が11室に住んだ機能的凶星であり

彼自身は月が強いために世間を驚愕させた山上のような悲劇の主人公にならないが

結婚という不本意な経験により人間性が突然変異を起こしてしまいうる見込みがある





彼が41歳を過ぎた頃にはマハーダシャーが火星期となる



その将来には私自身も危惧を感じている

ナヴァムシャのラグナに住むアートマ・カーラカの火星は3室8室支配で粗暴な性格を作り

対向7室は異様に強い奇っ怪なグル・チャンダラ・ヨーガを帯びたハンムサ・ヨーガが生じる



思うに彼は新興宗教と無縁な凡百の独身男であるにもかかわらず

いずれ眠っていたカルマが激烈に動き出し彼を新興宗教の因業なグルにさせてしまうらしい



私も彼もタイミングこそ違うが独自の使命感を研ぎ澄ませて行くカルマを持ち

結果がどうであれ今生で数々の出会いを劇的に演じることになるとも思える



私は自分が間違ったドグマをまき散らす悪意など持っていないつもりだが

ジョーティッシュを通じて他者のカルマに立ち入る者として

おそらくは猥雑な思想犯罪たる新興宗教と闘うことになるのかも知れない



D5は思想の奴隷になってしまうか自身がグルになっていくかが見える分割図である

危険な出会いがあった時にはダシャーとラーシとD5の絡みを見ればいいことだろう



以上

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