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ドワダシャムシャ(D12)で読み解く過去生が残した課題

執筆者の写真: 鹿村文助鹿村文助

更新日:2023年12月13日






前々回に続き本投稿でも使用頻度の低い分割図を再分析してみたい





今回は両親から受ける利得や直前の過去生を示唆するともされるD12に注目した





ずっと以前にマイナー分割図のD5(パンチャムシャ)を取り上げた記事で

上記の英語サイトの詳述を参考としたが

最初に同サイトからD12についての有用性を確かめてみる



D12の当該説明箇所を抜粋すると





和訳文は





またネット検索でざっと見渡したD12の定義に以下の伝聞がある







これだけでも興味深いテクニックだが更に正当な教義を示した論説もある



インド国内で

ジョーティッシュの大家コタムラージュ・ナラヤナ・ラオ氏(ラオ太師)が創設し

ジョーティッシュの研究と普及を目的としたヴァラーティヤ・ヴィディア・バーヴァンで

正規講師として教鞭を取る占術士が

自身のページでD12について解説した内容を以下に示す





重要だと思われる部分を和訳すると






私自身のD12に照らして読解してみたい






「アルーダ・ラグナは他人がチャート本人とその家族をどう見ているか」とあるが

上記のD12でラグナロードの火星は8室在住のため3室がアルーダ・ラグナになる



つまり3室双子座に住んだ太陽であり

私のラーシの10室双子座に太陽が住んでいて整合があり確かに当たっている

ただし3室は最も凶意の弱いウパチャヤ・ハウスで

良く言えば私や私の実父はスポーティーでフットワークが軽く

悪く言えば気忙しく軽薄気味な印象だったということだ



なるほどと思う なかなか面白い



また

私自身しっかりと肯いて感心させられたのがラグナロードの配置だった



私のD12は牡羊座ラグナでその星座自体が私のラーシで8室目であり

なおかつラグナロードの火星は8室蠍座で定座し高揚のケートゥが伴っている

そして幸か不幸かこの火星には土星だけが逆行位置から唯一アスペクトする所見でもある






この分割図の方がナヴァムシャよりもよほど端的に今生の私をよく表意出来ていると思う



火星は逆行しているので7室天秤座からラグナにアスペクトバック出来るようにも働くが

コンジャンクションのケートゥが長い時間で私に不可避な労苦と諦めを強いてくる



その他にも己の不遇ぶりを感じられる配置ばかりで

私のD12は赤の他人には悟られたくない私の生い立ちの最も暗い影の部分を物語っている






木星と土星が星座交換しそれは11室が12室に象意を損なわれるラージャ・ヨーガである




9室10室が木星土星の絡みであるため

「父親(グル ≒ 木星)が自己実現の才能に恵まれた大成者」と読めるが

私の実父がどのような人物だったかは過去に包み隠さず書き綴った通りである



牡羊座ラグナでは10室11室支配の土星が自分本位なエゴで生きる年長者を指しており

木星は二重に「父親」の象意を備えた重要な吉星で

こともあろうにその木星が10室で減衰し星座交換で土星の悪意を濃厚に浴びている



特に逆行した土星というのは生来的凶意だけが強く働いて正しい影響を与えてくれない



10室に住んだ減衰の木星が星座交換することでそこに土星が伏在するようにもなり

待っていましたとばかりに火星が逆行した7室天秤座の位置から10室へアスペクトする






ラグナロードの逆行木星に更に逆行した火星土星が絡む実父のラーシを実証している




私はこのD12を少し前に自分の土星期を見積もろうとした記事で簡単に目視した以外は

ほとんど精査してこなかった分割図であるが

私自身の家庭環境や家族との間柄がここまで正確に記号化されていると分かり感心している

今以てなお私が試みた実父のラグナ検証は大いに正しかったことを追体験できた



父は2室9室支配の火星と11室12室支配の土星が星座交換し

配置そのものを見ても火星が逆行位置からラグナに仮想アスペクトし

土星もラグナに逆行しラグナロードの木星自体は定座しながら12室に隠れるように働く



落ち着いていると少しへつらい気味な笑顔で人にヘドモドと気遣いを掛け

欲の虫が疼くと重くギラギラした表情と態度になって派手な口喧嘩を電話で繰り広げ

不眠症で睡眠誘導剤をオーバードーズしながら朝まで寝付けずゾンビのようになり

かと思えば私事で不動産の取引に関わった暴力団の組員と本気でステゴロのサシをやり

首から上に御大層な怪我を負い首輪そっくりの固定具を着け自社へと出勤していたような



そんな実父をよく説明できている所感である



火星も土星も木星も逆行して絡み合っていた父は

常に多重人格の内在闘争で心的な変性境界に縛り付けられていたかのようだった



下品で乱暴に振舞った分だけ理性を取り戻すとシオシオと誰かに優しくし

心を満たしていた母性的な感情が段々白けてくると

新興宗教の演説本やらマーケティング教則の音声テープやらが揃った自室で

ヘラヘラと知人の反社要員に「自前の雑居ビルで風俗経営を始めてみたい」等と電話していた



父は不安神経症の愁訴から強い不眠で苦しんだが私には躁うつと統合失調の合併症に見えた

客観的に後天性の精神疾患のようでいてジョーティッシュではそれが生来のものだとわかる



D12のこうしたとても有意な所見はより深く私を説明する最深部の分割図も相応している





最後の分割図である私のD150で水星は9室(父)を支配して減衰しラーフに傷つけられている




そもそも父は理性と虚妄が肉弾の相撲を取り続けているような不穏な心気症を具備していた



それを助けるように

ラグナロードで機能的には吉星の土星が水星にジャイミニ・アスペクトし

8室支配の太陽や12室支配の木星も同じくジャイミニ・アスペクトし

劣情に溺れかける薄弱な心を経営者としての社会人的ジェンダーが叱咤激励している



こんな「宇宙人が面白半分に遺伝子組み換えで試作した実験体」のような男を

なぜ私が実父として選ばなければならなかったといえばやはり理由は明快である





つまり私の場合はあれだけ憎み嫌っていた父が私の過去生の生き写しらしいからである






父のラーシで起こる火星と木星と土星の絡みはまさに私のラーシでも生じている

(火星のディスポジターが木星になり木星のディスポジターは土星になり火星に戻る)






私は今生で積み残した過誤を洗い清めるために魚座と対向の乙女座ラグナに生まれたようだ




また更に私が参考としたジョーティシャーの解説サイトからD12の定義を抜粋する





上記ページの中頃より手前あたりにかなり重要な記述が見て取れる





やはり以前に私がマイナー分割図でD5(パンチャムシャ)を読解した記事において

「5室は9室の本質なのでD5はナヴァムシャを簡略化した分割図だろう」との主旨を書いたが

それは厳密には誤っていてこのD12の方がナヴァムシャを表面的にマクロ化したものらしい



この解説では5室が過去生を示すとしていて

私のD12では5室が獅子座で支配星は父親のカーラカである太陽になりそれは双子座にある






即ち私は父の残した会社で社長となり会社経営を通して負のカルマと闘っていたのである




10室に住んだ今生の私を指す水星と職業を指示する太陽をアートマ・カーラカが傷つけ

その火星は私の過去生の具体でありながら機能的にも凶意しかない悪逆非道な星である







今でこそ「それはもう過ぎたことだ」と言える時運(木星期)がやって来たと思っていたが

D12でラグナロードの火星は8室で定座し高揚のケートゥに抑圧されたままである



しかしながら来世の自分を意味する9室射手座には4室支配で完全に吉星の月が住んでいる

つまりは今生の私の母を指すのである

もしかすると私は母のような生き方に段々と近づく人生になるのかも知れない






4室を母のラグナにすると射手座が「苦役」の6室になり筆頭株主の重責に耐えた事実を指す




母のラグナから見た3室で4室支配の金星が減衰してしまいつつ

対向でも減衰した水星と相互アスペクトし金星が高揚する星座を支配する木星は7室に住む

ニーチャ・バンガが幾重にも起こって特異運を増幅させていく所見が隠されている



木星は女性にとっての婚約者を意味するため土星との星座交換で強くなるのは救済であり

7室と9室の絡みで表向きはとても真面目な努力家の夫(私の父)という印象だが

それは6室と8室の星座交換でもあり

長い結婚生活で何度も仲違いを経て消えない怨恨が残ったことを物語っており実に精緻だ



だからこそ母にとっての私生活を指す2室支配の太陽が12室に住んでしまっている

(太陽が12室に住むのは私のラーシと同様に役員室に籠って一日の大半を過ごす様子を示す)



そして月というのはどんな分割図であれもう一つのラグナと見なす原則があり

射手座は深く潜在した別側面の私の功罪を読めるチャートにもなる



すると魚座で減衰した水星は7室支配で私の婚約者を指す配置に改まり

また対向の乙女座で減衰した金星とニーチャバンガを起こしており

それを見てナヴァムシャで起きたラグナロードと金星の星座交換に近似した所見だと気づく






月はD12の12室である魚座に住むので私は結婚してしまうことでカルマが再燃するはずだ




会社経営が嵐の前の静けさ同然の状況でとても自分が結婚している未来など望めないが

他の分割図と相補性を照会していくと

きっと私は望んでもいない出鱈目な格差婚を兵役に合格してしまうように強いられるだろう



というのも



前々回に扱った「獲得と自己実現」の分割図のD11で8室に土星が逆行して定座するからだ






木星は「結婚」の7室を支配してちょうど11室に住んで7室にアスペクトバックする




土星は「結婚後の私生活」と「子供(の本質)」を担う8室9室支配で8室に定座する

土星は自室から12室目へ逆行するがそこへ木星がアスペクトを返すので

むしろ不思議な吉兆の影響がジワジワ滲んで来る配置である



だけでなく






見る度に心の空がボンヤリと曇り出す土星のアスペクトバックがラグナで起きている




土星は12室へ逆行することで木星にアスペクトして絡むので木星の示す「子供」の象意が実る

子供が生まれる以上はその時点でまず結婚していなければおかしいのである




そしてこれらの分割図の比較から言えるのは

「私が不可避なままに体現させられる結婚は果報などではなくカルマの一端」であることだ






ラグナからの7室目と月からの7室目の支配星はどちらも見事に減衰してくれている




どう見ても本気では喜べない異性やその家族が私に第3種接近遭遇してくるはずだ



私が何を血迷ったかその関係を受け入れるのは

8室で定座しているはずのラグナロードの火星が7室へ逆行してアスペクトバックし

高揚したラーフの住む2室に二重のアスペクトを与えてしまっていたりして

なおかつ火星は8室を支配した凶星なので

なぜか私は普段からのこうした冷静さが一時的に失われるように「魔が差す」のだろう



アートマ・カーラカがラグナロードになる分割図はこのD12とD10のみで

ナヴァムシャよりも数字が大きく細かい分割図であるため

現実を動かすほどの物理的な運気はナヴァムシャに劣るはずだが

インド人ジョーティシャ-の論説にもあるとおり

私のD12は「人生の密かな俯瞰図」となりうることが痛感できた査読となった



腐れ縁の相方についてもずっと以前に電撃婚の余地を発見したが

結婚報告を本人から受け次第このD12も含んだ深層占断を改めて行ってみたい



以上

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