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執筆者の写真鹿村文助

インド仏教の再興者・ビームラーオ・アンベードカル氏のラグナ検証

更新日:2023年3月23日





前回に扱った上人・佐々井秀嶺氏のラグナ検証では

記事の受け持つ容量の上限が理由で

こちらの重要な先達者について検証の記述を略さなくてはならなかった



大変な無礼があったことをお詫びし

本稿でまだまだ簡略ながらラグナ検証に入りたい




*****




ビームラーオ・ラームジー・アンベードカル(マラーティー語: भीमराव रामजी आंबेडकर、Bhimrao Ramji Ambedkar、1891年4月14日 - 1956年12月6日)は、インドの政治家(ネルー内閣の法務大臣)、思想家。インド憲法の草案作成者。反カースト(不可触民改革)運動の指導者。


「アンベードカル博士」ことビームラーオ・ラームジー・アンベードカルは

近現代のインド史実では重要なインド独立時の大臣の一人で初代法務大臣である

カースト制度の最下層(ダリット)の家庭に生まれ、同国で長く続く身分差別の因習を打破するための活動に尽力したほか、死の2か月前に約50万人の人々と共に仏教に集団改宗し、仏教復興運動を始めたことで知られている。ナーグプルの集団改宗の場所はディークシャーブーミと呼ばれ、多くの巡礼者が訪れており、「バーバーサーヒブ・アンベードカル」(Babasaheb、baba は父、saheb は敬称で、「師父」といった意味)の敬称でも呼ばれる。
1952年6月15日にコロンビア大学より、1953年1月12日にオスマニア大学(英語版)より名誉法学博士(LL.D.)を授与されている。

(同上)


インドにおける悪しき因習たるカーストにおいて

「触れることさえ憚られる」という不可触民出身のアンベードカル博士は

その時代性に強く立ち向かえる知的才能を武器に

弁護士や国会議員に登り詰めてあのマハトマ・ガンディーと何度も対話したほどだった


アンベードカルの父はマハーラーシュトラ州のラトナーギリー地区出身で、ある程度の正規の教育をマラーティー語と英語の両方によって身につけていた。父は息子に勉強を教え、知識の獲得へと向けて励ました。1908年にアンベードカルは大学入学資格試験に合格。これは、彼の所属していたコミュニティでは、不可触民としては初めてのことだった。




同じく不可触民の父がその階層の者としてはかなり珍しく教育熱心だったことから

その擁護と支援で勉学に励んで学位の経歴を順調に築き上げて行った


双子座ラグナの生まれと仮定すれば

9室が強力なラージャ・ヨーガの木星と5室12室支配の金星による厚い吉意で守られて

ラグナロードの水星や3室支配の高揚した太陽が11室から5室の潜在力を励起する


3室獅子座からは8室9室支配の土星がアスペクトバックし

9室で二重にラージャ・ヨーガの木星が土星に相当な善意を注ぐようになり

「息子のために本気で尽力する父親」と言える所見が出来上がる


しかし土星は逆行して生来的凶意がかなり強く働いていて

8室を支配して3室( 8室から8室目でその本質 )に住むため

カースト制度の醜悪な差別と冷遇を浴び続けていた事実も説明されている

( 獅子座は王位を意味するがこの場合は「圧政を強いてくる目上の相手」を指す )





他方でラグナがヴァルゴッタマになったナヴァムシャにおいては

その土星が「高等教育」の9室支配で「文化活動・教育」の4室に住んでおり

逆行することでヴァルゴッタマの木星と対向する仮想の配置も影響し

土星期が始まって約半年の1920年頃に若干29歳でボンベイ大学講師に就任している






ダシャムシャはまさにラグナロードがラグナでマハープルシャになった時運で

12室に逆行しても定座する土星に「グル」の表示体の高揚木星が対向する


この6室で高揚した木星はドゥシュタナに住んだ機能的凶星であり

後にカースト撤廃を掲げてインド国内の権力者と粉骨砕身で戦い抜いた事実を指す


(高揚したケートゥが肝心な10室に位置してしまうのは

100年以上前の当時には大学教授や国会議員が超高度な上級職位だからだろう)


1923年7月には上級法廷弁護士として開業し、大学で教え、様々な公的組織に対して不可触民について証言し、新聞を発行、ボンベイ州立法参事会のメンバーに任命され指導的な役割を担うようになった。





特にプラティアンタルが太陽期や火星期になると全ダシャーが絡む躍動の時運で

太陽は重要な7室支配で高揚のヴァルゴッタマになって水星と対向し

火星はラグナでモロに土星と絡んで水星に対しやはり凶星的な突破力をもたらしている


また


1927年から1932年の間、支持者とともにヒンドゥー寺院への立ち入り、公共の貯水池や井戸の利用についての不可触民の権利の確認を求めた非暴力運動を推進。この二つの運動は特別な重要性を持っていた。





ナヴァムシャはやはり9室支配の土星が本来の位置で月に絡み

逆行することで火星と対向したりディスポジターが太陽になったり

獅子座からアスペクトする位置が天秤座と牡牛座になって金星に絡んだりしている


逆行した位置で9室にアスペクトバックできる配置の妙が

「正しい目的( 9室 )のために苦心する( 8室と4室の絡み )」配置になっているために

非暴力主義を徹底し悪意の恥辱に耐え抜いてでも抵抗運動を導いたことを示す


なおこの土星は本来の位置でケートゥにアスペクトし

ディスポジターの火星には逆行した位置で対向しており

ケートゥが6室で高揚するので敵対者からはかなりの恨みを持たれるが

最後には相手をやり込めて粘り勝ちすると言える所見である



1937年に英国統治下の「国民議会」議員として政界入り。





アンタルダシャーが木星期になると土星期最後のダシャーであり

つまりダシャーチッドラが明確に顕現する頃で

木星の対向位置に土星が逆行して絡みを持ちながら

獅子座から土星が水星にアスペクトし木星も水星にアスペクトして

ダシャーチッドラにより更に影響を与えていることが伺える


土星が支配する9室は11室( 選挙 )から11室目でその本質に当たり

ディスポジターのアスペクトバックを受ける木星は10室対9室の最高のラージャ・ヨーガで

7室10室と8室9室が絡んだ配置が国政の進出を約束していたと言えるし

すでに後続ダシャーとして働き出していた水星は

木星同様に二重のラージャ・ヨーガを帯びたラグナロードである


やはり木星同様にその水星には金星が対向からアスペクトバックし

5室11室の絡みを水星が受けるので「高位な階層への到達」を意味する自己実現の配置になる





ラーシでは明確に土星と木星が対向しナヴァムシャと同じ配置になっている一方で

ラグナロードの水星は4室も支配して11室に住んだ機能的吉星という最も理想の配置である


コンジャンクトしてスーリヤ・ブッダ・ヨーガを組む太陽は水星以上に高威力であり

3室支配で11室の象意が高揚して顕現するため

弁護士や経済学者としての権威を縦横に駆使して様々な施策を打ち出す功績を挙げた





ダシャムシャも土星と木星が絡んでいる配置で

水星は5室支配で5室の本質たる9室に住んで金星と星座交換する至高の吉意を備える


太陽は7室支配で3室に住んだ高揚のヴァルゴッタマであり

ダシャムシャでは極めて珍しいスーリヤ・ブッダ・ヨーガにもなっており

なおかつそれは5室と7室が絡んだラージャ・ヨーガですらある





しかし

これほどまでに奇跡的な栄達のカルマを生まれ持ったアンベードカル博士も

糖尿病を発症して65歳でその生涯を終えてしまうが

ラーシで土星と対向した木星金星は膵臓や肝臓の表示体で

土星が逆行することでマラカに等しい働きも帯びていて

「疾病」の6室で高揚したケートゥに火星が対向位置からアスペクトバックする配置が

難治性の致命的な重病の暗示になっていたようである


自らの余生の時間が限られていたのを知っていたかのように

博士は1950年になると世界仏教徒連盟の創立式典に参加し

それを機会により仏教へ接近する意思を強めていた






当時は水星期が最後から2つ目のアンタルダシャーまで来ており

つまりこの時もケートゥ期のダシャーチッドラが少しずつ影響し始めた頃合いだった


「諦念・悟り」の表示体であるケートゥは高揚し

ディスポジターの火星が「達成」の9室で宗教の表示体の木星とコンジャンクトしている





「精神性とその実践」を写したヴィムシャムシャでは

6室も支配した水星が見事にケートゥのディスポジターとなり

マハーダシャーが水星期の時点で博士の宗教的闘争を意味していただろうし

ケートゥ期のダシャーチッドラはこの分割図の5室と9室の絡みを励起するので

一度は途絶えた零細な宗教である仏教に自ら一縷の望みを託したのである


博士が生まれた地域も含め

ヒンドゥー教のカーストで不可触民とされた最低の貧困層の人々は

その価値や意味の形骸化した異常な宗教腐敗の支配下で虐げられるばかりであり

「仏教こそがダリット( 最下層の人種 )を救う手段になる」と信じ

マハーラーシュトラ州ナグプールで自身が教義を唱える新興仏教を創始した


ビルマに2度訪問し、1954年にインド仏教徒協会を創設した




1954年に博士は後に秀嶺氏が出会いを果たすインド仏教協会を創始しており

「水星-土星期」の終盤頃でほとんど上記のケートゥ期のような時運でもあり

土星が11室に逆行して水星と対向する配置が

そのままケートゥのディスポジターとして働く水星の時運に通じていた





ナヴァムシャは水星がまさにラグナロードで

5室天秤座に住んだところへ土星が逆行位置からアスペクトしたり

土星の本来の位置が乙女座であるため双子座にもアスペクトが起きて絡みが生じ

ラグナロードと9室の支配星の関わり合いのため

「自らのための宗教に取り組む」時だったのである


そして






双子座ラグナで7室10室支配のマラカに等しい木星と

8室支配でナチュラルキラーの影響力が強い土星が

ダブルトランジットで8室と12室を励起してしまい

山羊座をトランジットしていた月は2室を支配してアスペクトを返す配置だった




博士はラーシの6室12室軸でラーフ・ケートゥが高揚して火星がコンジャンクトし

マラカの凶意で6室12室を最悪の不運で染め上げてしまっていたことも影響し

土星の6室蠍座へのトランジットと上記のダブルトランジットが絶命を惹起したと言える



博士なくしては近代インドの平等博愛の精神性はその実践を待つことになっただろう




ジャイ・ビーム!

アンベードカルに栄光あれ!!



以上

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