イタリア発のLGBTQバンドMåneskin(モーネスキン)について

更新日:3月21日



このコロナ禍において混乱の最中から現れた彗星のような海外バンドが在る

以下の動画をまずはご覧いただきたい







この動画はアメリカ国内の音楽祭でのパフォーマンスだが

気品のあるやや暗い優雅さで明らかにアメリカンなロックではないのがわかる


低く渋みの深い声色で劇的な叙情を膨らませる歌唱に思わず聴き入ってしまった



(調べて分かったがこの曲は1966年にアメリカのソウル・ポップバンドFourSeasons

リリースした同名曲のカバーである)



The Four Seasons - Beggin' (Official Audio) - YouTube



なかなかに前時代的指向性で不思議な色気を内包したレトロサウンドのスタイル

デジャヴと情熱を両立させた温故知新の精神に新時代の個性が息づいている




その名を「Måneskin」(モーネスキン)

イタリアで結成された平均年齢20歳という真に新世代のロックバンドである



メンバーは以下の通り(画像は全てインスタグラムからの抜粋)




フロントマン(バンドのリーダー)のヴォーカル ダミアーノ・ダヴィド



ダミアーノの高校時代の友人でベースの ヴィクトリア・デ・アンジェリス



同じくダミアーノと高校時代からの友人であるギターの トマス・ラッジ



上記オリジナルメンバー3人によってオーディションで選ばれたドラマー エタン・トルキオ


Måneskinは2016年に結成されダミアーノは2人目のヴォーカルとして加入し

欧州全域からの出場者で競う伝統的式典「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト」において

2021年の優勝者となった



名実ともに2020年代初頭を飾った世界的なニューフェイスである



彼らがその栄えある勝利を果たした同コンテストで披露したのがこの【ZITTI E BUONI】だ





このサイムネイル画像を見て

私よりずっと上の世代の方々は「何でこんなに半端な古いスタイルがいいの?」と思うだろう

実際に彼らの標榜するスタイルは「グラム・ロック」でありオルドファッションに習っている



スーツを着て化粧をしていたりするスタイルは一時期のデヴィット・ボウイのようである



(デヴィッド・ボウイ - Wikipedia)




グラム・ロックとは「グラマラスなロック」を意味し

狭義には派手でサイケな両性的ヴィジュアルを装って振舞う前衛志向のロックを指す



(厳密には反戦歌等の私的情緒を自己主張する古いフォークソングがロック調の変化を遂げ

「社会に対する思想とは距離を置いたファッションとしての音楽」を目標にして

差別化を試みていった結果がグラム・ロックという着地点だったりするらしい)



しかしそのサウンド自体はプレイするバンドによって少しずつ異なるようでもあり

あのQueenですらデビュー当時はグラム系スタイルを掲げていたのである





ピッタリとしたタイトな衣装でメンバー全員が長髪を振りながらのパフォーマンスを見せ

曲調は陽気で明るい非ロック的な素朴さである



当時イギリスではすでにロックで試行錯誤し切って更にハードなやかましいスタイルが現れ

ビートルズ風の賢そうな牧歌的で優しい趣向はダサいとされてしまう時流にあった

だからこのデビュー頃のQueenは「グラムロックの残り滓」と扱き下ろされたほどだ



その旧世代の “半端な” スタイルを意識してむしろ鮮やかな個性を発揮したMåneskin



なぜ彼らの音楽が受けに受けたのかは占星術的に考えれば至極真っ当なことだと言える

彼ら4人のうち3人はバイセクシュアルな水瓶座的感性の実践者だからだ



以下にフロントマンのダミアーノを私が自己流にレクティファイしたチャートを示す






(ダミアーノ・ダヴィド - Wikipedia)



彼は両親が飛行機の客室乗務員だったため幼少から世界中を旅するように転居して暮らした


水瓶座(国際間の交流)に住む木星は彼のアートマ・カーラカでもあり

8室的な不可避の経験としてそれに馴染むうちに5室の音楽の象意が開花したのである

(「音楽」の5室を支配する木星が7室から「芸能」の3室にアスペクトしている)



4室支配でラージャ・ヨーガ・カーラカの火星は

「家族との暮らしぶり」を指す2室で12室支配の月とコンジャンクションし

どこか一ヶ所に定住できる生活ではないことを意味する



乙女座で成立したそのチャンドラ・マンガラ・ヨーガは

火星が月を傷つけて人格形成に悪影響を与えると考えるのが教科書的な定義だが

彼の場合は9室と12室の絡みが本人の潜在的な人間性である2室で起こっており

幅広く多くの価値観に寛容で興味を持とうとする純粋さになって働くようである



その良い傾向をしっかりと具体化させたのが

7室水瓶座からラグナと3室にアスペクトする機能的にも吉星の木星である



そしてやはり音楽の才能と恋愛に対する自意識を確立させているのは山羊座の配置にある





山羊座の金星は本来のラグナからでは3室10室支配で6室に住んでしまっているが

月からは5室目で9室の結果たる5室にケートゥとコンジャンクションした9室支配の金星だ両隣を水星と木星に挟まれてシューバ・カルタリとなりとても良好なコンディションである



月から見た「声」を表意する2室支配の金星は

凶星の土星が支配する山羊座に住むが山羊座は女性星座で相性自体は悪い訳ではなく

そこにケートゥが同居して対向のラーフも吉星化し

癖になる「声変わりし切れていないブルージーな低音の歌唱」をその持ち味にさせている



透き通った高音の中性的なヴォーカルに食傷気味だった全世界の聴衆が

そこまで美声ではないのに何故か聴き直したくなる魅惑の歌声だと感じたに違いない



なお今は同じイタリア人の女性モデルと交際中とのことだが

彼が両性愛の傾向を十二分に持つのは昨年夏にリリースの曲のPVからも如実に見てとれる





何度聴いてもジワジワと嗜虐的なアダっぽさが染みてくる後味を含んで

揺れ動くブランコのように誘惑と挑発が退いては満ちるアザトいフレーズがたまらない






こんな格好をわざわざ自信タップリに見せつけるロックスターというのはなかなか居ない




↑このカットは何の疑いもなく確信犯的である↓




ダミアーノがドラムのエタンと何とも天晴れなスキンシップを見せるカットを目にして

私はいてもたってもいられなくなり彼らをジョーティッシュしてみたくなった次第である



エタン・トルキオを自己流にレクティファイしたチャートが以下の通り











エタンの威風堂々でありながらも中性的な容貌は

やはり火星がラージャ・ヨーガ・カーラカとなってラグナに住む獅子座ラグナと判断できる

ドラマーはビートを正しく刻む能力が基本でありそれは5室のケートゥで表意される



打音を様々に変えながら一つのリズムを守ってフレーズとする演奏の才能は

3室天秤座で定座する金星と水星がコンジャンクションする配置も影響するだろうし

そもそも「音楽」の象意がある5室射手座に10室で逆行する木星が仮想アスペクトバックして

音楽的なポテンシャルを確かで底堅い素養にさせている配置から見えてくる



またラーシだけを注視すると





10室の木星土星が逆行することで9室に住むかのように働き

3室の水星金星に複雑な化学変化的影響力をもたらしているのが伺える



ジョーティッシュ的な惑星同士の相性と影響力においては

水星と金星はやはりそのチャートの本人の性自認を曖昧にさせるようで

土星と金星の絡みはそれ以上に性的な志向の衰微を生み出してしまうようである



エタンの金星には2室11室支配で機能的に凶星化した水星がコンジャンクションし

対向の牡羊座へと逆行する土星も6室7室支配で完全に機能的凶星として働く

(ただし土星は牡羊座に逆行して減衰し金星と対向してニーチャ・バンガとなり

長い時間の中で次第に吉意を帯びる良い土星となって働く)



「理性」を促す水星と土星が機能的凶星となって金星に絡むことで

エタンもまた両性愛者の自我を育んだ人物になったと言える



このように彼らMåneskinはジェンダーフリーという意味での自由な開放を志している



特にこのスナップショットは全員がユニセックスなグラムの趣向を演出しているのがわかる




そして上記写真でダミアーノとエタンに挟まれて立つ宇宙人のような衣装姿の彼



ギターのトマス・ラッジだ




彼の中性的な容姿もまた

牡牛座から逆行する機能的吉星の木星が12室とラグナと2室に次々とアスペクトするからで

あどけなく見えるほどの童顔は

おそらく月とラグナの両方から見て吉意の部屋(4室目・5室目)に位置した金星の影響である

(この時に金星が吉意の部屋に住むことで「音楽」の表示体として正しく働くのである)



ラグナロードの火星自体は12室の敵対星座に住んでしまうが

機能的にも良い影響だけ与える木星がかなり幅広く彼の人間性を保護し

夢想感も帯びたバイセクシュアルな容貌を形作ったと言える



ナヴァムシャは音楽的にとても強い才能を約束されているかのようで

5室支配の土星はラージャ・ヨーガも兼ねて4室定座でマハープルシャとなり

楽器の演奏力を左右する3室支配の木星も6室で逆行の定座となり

5室で11室へとアスペクトバックする太陽に絡む良好な配置を実現する



またその土星は4室から木星の定座する魚座へアスペクトを起こし

マハープルシャとラージャ・ヨーガの全快なる機能的吉意を3室の象意にもたらす



そしてケートゥの住むラグナには

対向7室で生じた賑やかな惑星集中の持つ複数のヨーガやアスペクトバックと

最良な機能的吉星としての土星がアスペクトし

情感ある静と動の抑揚を余すところなく表現しうる演奏力をトマスに与えている



音楽の素養がない単なるリスナーの私でも彼の秘めた描写力の機微については

上記に挙げた【I wanna be your slave】におけるフレーズの雄々しい余韻から

「マンモーニな面して漢くせぇ音を鳴らすじゃあねぇか」と感じ入るほどだった



何故かと思いナヴァムシャの5室6室を眺めて隠れたスーリヤ・グル・ヨーガに気が付いた

上述した通り木星は逆行することで5室水瓶座に住む太陽に重なるようにも働いている



道理で『思わずブルっちまう技巧』だったのである



人が見かけによらないのは洋の東西を問わないもので

ヴォーカルの声と等しくロックの命とも言えるギターの個性で

トマスはMåneskinをヨーロッパの頂点へと導いたのである




さてさてそして真打の登場である




紅一点のベーシスト

ヴィクトリア・デ・アンジェリスだ




ここまで勿体ぶって触れずに来たが

バンド名のMåneskinとは彼女がメンバー内で薦めたネーミングだったのである



ヴィクトリアはデンマーク人とイタリア人のハーフであり

デンマーク語で「月光」を意味するMåneskinなる詩的な響き

残りの優雅な男衆が満場一致したというエピソードに因む



そして何より妙なる事実としては

彼女は公の場面において自らが両性愛者(バイセクシュアル)であると自認し

LGBT的なアイデンティティを目指すべく

Måneskinの前身に当たるジェンダーフリーなバンドをトマスと共に創始していたことだ



その後にダミアーノが2人目のヴォーカルとして合流し

不在だったドラマーの席に奇遇にも正当なスキルを誇る両性愛者のエタンがたどり着き

そして昨年の伝説的な偉業の道へとつながって行くのである



出生地等のインフォメーションが量的にも質的にも不十分のため正確を期すことが難しいが

ここでは仮の想定チャートとして以下のように彼女を「見える化」した





月から見てもラグナから見ても5室と9室の象意が確実に絡み

「音楽」の表示体である金星はラグナロードの火星と星座交換し

筆舌できない広大無辺な情熱の炎が心の奥深くで猛っているかのようだ



ラグナとしての牡羊座を見ただけでも

5室(音楽)支配の太陽が高揚し水星と木星はディグバラの威力を得て光り輝き

「生まれたままの自分」を指すラグナと「生来の可能性」である2室が星座交換し

それは性を巡る快美な矜持と底堅い克己心のような自我を育ませ続けている



歴史を押し拓かんとする覇者の宿望を秘めて生まれてきたとすら思える

まさに魂の髄まで気骨で満ちているゴッドマザーと呼ぶべき女性である







ではこの彼女が何故LGBTの一員となったかである





アートマ・カーラカで「心」の4室支配の月のナクシャトラは


ダニシュター


である



私が懇意にさせていただいている先輩ジョーティシャーのナクシャトラ解説ページを

そのまま引用すると──


ヴァラーミヒラによると、「月がダニシュターにある人は、気前が良い、自由主義(liberal)、金持ち、勇気があり、音楽を好む

〔性格〕

ヴァ―スは「良い、優秀、有益」と「裕福、財産を持つ」との、2つの意味を持つ。

これらの性質はすべてダニシュターに関連し、貴重品、宝石、貴金属などを支配する。他の意味としては、「慈善」で、他人をコントロールする生来的な能力を持つ。

ラグナか月がこの星宿にあると、楽観主義で野心家(ambitious)、一つ前のシュラヴァナと似ており、人の話を聞いたり、情報を集めたり、それを伝え、教えたりすることを支配する。またドラムは音を示しており、とりわけ音楽やリズミリカルな音と関連する。

火星が支配星であり、勇敢で向こう見ず、アクティブさを持ち、自由を好む。



(情報引用元【ナクシャトラ】 23.ダニシュター | インド占星術. com ブログ (indian-vedic-astrology.com) )



このためにヴィクトリアはMåneskinのオリジンなのである



また一方で──



〔その他〕

ダニシュターにあるのが、結婚における不一致、または性的な障害である。土星がこのナクシャトラに入ると、この傾向に拍車をかける。またとりわけ、これが7室支配星だった場合は特にである。

その場合、結婚はしばしば遅れる、または完全に否定される。また、ダニシュターの傾向を強く受ける男性は、女性嫌いになる傾向がある。これらの傾向はチャートすべてを見て判断する必要がある。




とされる



しかし彼女は火星と金星が星座交換し非常にヨーロッパ人的な美貌に富んでいる

のみならず後天的な音楽の才能という奇跡を経て彼女は両性愛者となったのである




ヴォーカルのダミアーノもまた7室(パートナー)が「ボーダーレス」の水瓶座であり

そこには機能的吉星で良い影響だけ与える逆行しない木星が住む

(そして金星には9室で減衰した土星がアスペクトバックし性自認がノンセクシャルとなる)



これもまたMåneskinのオーソリティを作る重要な因子だと言える



バイセクシャルの意味と特徴とは?パンセクシャルとの違いも解説 (myethicalchoice.com)



加速する新時代の途上で性の多様性が個人対社会の意味論に不可欠となるのは今更すぎる


私もそこまで自覚が無い方だが

前回記事にした大学時代の先輩に対し持っていた尊敬の念にやや恋慕の情も含まれたと思う



先輩の2室支配の太陽が8室の水瓶座に住んでその8室は私の木星が住む6室だからである

先輩に対し私はかなり強引に6室的な態度で接し先輩はそれを嫌がっていた関係である

それでも私が最後まで自分の劣情に従ってしまったのは

先輩のラグナロードが定座する蟹座に私の金星が住む配置だからだと断言できる



では何が私の両性愛の傾向を作ったかといえば

風の星座(双子座/天秤座/水瓶座)に必ず木星が住むかアスペクトしているからである



木星は5室目と9室目にもアスペクトするので

風の星座のいずれかに住むと風の星座の性格が強調される



風の星座というのは無関係な物事同士を結び付け価値観上での相関性を作り出す働きを持つ



つまりナヴァムシャでも風の星座に木星が住んで

木星から5室目9室目で惑星が定座したり強くなった機能的吉星があれば

そのチャート本人は段々とノンセクシャルの傾向が自覚できるようになっていくのである



私は金星に土星が明確に絡んでこない配置なので性的な当惑感というほどの不和がない

ただしナヴァムシャの土星は5室(恋愛)で高揚する8室9室支配の不安定な生来的凶星であり

木星が吉意で包むように働きかけているので何とか自己同一な感覚が保たれているのだろう

(「なりたい自分になる」というのは何かの物真似なんだから無意味だという虚無感もある)



木星と土星と金星がトリコーナとケンドラの関係でラージャ・ヨーガだったり

2室や3室と5室の絡みで金星が傷つきながら強くなっている配置だと

おそらくは彼らMåneskinのような優れたカリスマを生み出すようである



私も一応は演劇に親しんだ身の上だから音楽も好きだったが

結果的にはジョーティシャーを目指すという不思議な境遇を歩むようになってしまった



しかしジョーティッシュを経ずして彼らをここまで肯定することは出来ていなかったはずだ

相互に学び支え合う向上力の螺旋階段である水瓶座世界を彼らは実践している




いつかどこかの未来で彼らと同じ時間を過ごし同じ空気を吸ってみたいと密かに願っている

 



以上

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