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イタリア発のLGBTQバンドMåneskin(モーネスキン)について

更新日:2月19日





このコロナ禍において混乱の最中から現れた彗星のような海外バンドが在る

以下の動画をまずはご覧いただきたい







この動画はアメリカ国内の音楽祭でのパフォーマンスだが

気品のあるやや暗い優雅さで明らかにアメリカンなロックではないのがわかる


低く渋みの深い声色で劇的な叙情を膨らませる歌唱に思わず聴き入ってしまった



(調べて分かったがこの曲は1966年にアメリカのソウル・ポップバンドFourSeasons

リリースした同名曲のカバーである)



The Four Seasons - Beggin' (Official Audio) - YouTube



なかなかに前時代的指向性で不思議な色気を内包したレトロサウンドのスタイル

デジャヴと情熱を両立させた温故知新の精神に新時代の個性が息づいている




その名を「Måneskin」(モーネスキン)

イタリアで結成された平均年齢20歳という真に新世代のロックバンドである



メンバーは以下の通り(画像は全てインスタグラムからの抜粋)




フロントマン(バンドのリーダー)のヴォーカル ダミアーノ・ダヴィド



ダミアーノの高校時代の友人でベースの ヴィクトリア・デ・アンジェリス



同じくダミアーノと高校時代からの友人であるギターの トマス・ラッジ



上記オリジナルメンバー3人によってオーディションで選ばれたドラマー エタン・トルキオ


Måneskinは2016年に結成されダミアーノは2人目のヴォーカルとして加入し

欧州全域からの出場者で競う伝統的式典「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト」において

2021年の優勝者となった



名実ともに2020年代初頭を飾った世界的なニューフェイスである



彼らがその栄えある勝利を果たした同コンテストで披露したのがこの【ZITTI E BUONI】だ





このサイムネイル画像を見て

私よりずっと上の世代の方々は「何でこんなに半端な古いスタイルがいいの?」と思うだろう

実際に彼らの標榜するスタイルは「グラム・ロック」でありオルドファッションに習っている



スーツを着て化粧をしていたりするスタイルは一時期のデヴィット・ボウイのようである



(デヴィッド・ボウイ - Wikipedia)




グラム・ロックとは「グラマラスなロック」を意味し

狭義には派手でサイケな両性的ヴィジュアルを装って振舞う前衛志向のロックを指す



(厳密には反戦歌等の私的情緒を自己主張する古いフォークソングがロック調の変化を遂げ

「社会に対する思想とは距離を置いたファッションとしての音楽」を目標にして

差別化を試みていった結果がグラム・ロックという着地点だったりするらしい)



しかしそのサウンド自体はプレイするバンドによって少しずつ異なるようでもあり

あのQueenですらデビュー当時はグラム系スタイルを掲げていたのである





ピッタリとしたタイトな衣装でメンバー全員が長髪を振りながらのパフォーマンスを見せ

曲調は陽気で明るい非ロック的な素朴さである



当時イギリスではすでにロックで試行錯誤し切って更にハードなやかましいスタイルが現れ

ビートルズ風の賢そうな牧歌的で優しい趣向はダサいとされてしまう時流にあった

だからこのデビュー頃のQueenは「グラムロックの残り滓」と扱き下ろされたほどだ



その旧世代の “半端な” スタイルを意識してむしろ鮮やかな個性を発揮したMåneskin



なぜ彼らの音楽が受けに受けたのかは占星術的に考えれば至極真っ当なことだと言える

彼ら4人のうち3人はバイセクシュアルな水瓶座的感性の実践者だからだ



以下にフロントマンのダミアーノを私が自己流にレクティファイしたチャートを示す






(ダミアーノ・ダヴィド - Wikipedia)



彼は両親が飛行機の客室乗務員だったため幼少から世界中を旅するように転居して暮らした


水瓶座(国際間の交流)に住む木星は彼のアートマ・カーラカでもあり

8室的な不可避の経験としてそれに馴染むうちに5室の音楽の象意が開花したのである

(「音楽」の5室を支配する木星が7室から「芸能」の3室にアスペクトしている)



4室支配でラージャ・ヨーガ・カーラカの火星は

「家族との暮らしぶり」を指す2室で12室支配の月とコンジャンクションし

どこか一ヶ所に定住できる生活ではないことを意味する



乙女座で成立したそのチャンドラ・マンガラ・ヨーガは

火星が月を傷つけて人格形成に悪影響を与えると考えるのが教科書的な定義だが

彼の場合は9室と12室の絡みが本人の潜在的な人間性である2室で起こっており

幅広く多くの価値観に寛容で興味を持とうとする純粋さになって働くようである



その良い傾向をしっかりと具体化させたのが

7室水瓶座からラグナと3室にアスペクトする機能的にも吉星の木星である



そしてやはり音楽の才能と恋愛に対する自意識を確立させているのは山羊座の配置にある





山羊座の金星は本来のラグナからでは3室10室支配で6室に住んでしまっているが

月からは5室目で9室の結果たる5室にケートゥとコンジャンクションした9室支配の金星だ両隣を水星と木星に挟まれてシューバ・カルタリとなりとても良好なコンディションである



月から見た「声」を表意する2室支配の金星は

凶星の土星が支配する山羊座に住むが山羊座は女性星座で相性自体は悪い訳ではなく

そこにケートゥが同居して対向のラーフも吉星化し

癖になる「声変わりし切れていないブルージーな低音の歌唱」をその持ち味にさせている



透き通った高音の中性的なヴォーカルに食傷気味だった全世界の聴衆が

そこまで美声ではないのに何故か聴き直したくなる魅惑の歌声だと感じたに違いない



なお今は同じイタリア人の女性モデルと交際中とのことだが

彼が両性愛の傾向を十二分に持つのは昨年夏にリリースの曲のPVからも如実に見てとれる





何度聴いてもジワジワと嗜虐的なアダっぽさが染みてくる後味を含んで

揺れ動くブランコのように誘惑と挑発が退いては満ちるアザトいフレーズがたまらない






こんな格好をわざわざ自信タップリに見せつけるロックスターというのはなかなか居ない




↑このカットは何の疑いもなく確信犯的である↓




ダミアーノがドラムのエタンと何とも天晴れなスキンシップを見せるカットを目にして

私はいてもたってもいられなくなり彼らをジョーティッシュしてみたくなった次第である



エタン・トルキオを自己流にレクティファイしたチャートが以下の通り











エタンの威風堂々でありながらも中性的な容貌は

やはり火星がラージャ・ヨーガ・カーラカとなってラグナに住む獅子座ラグナと判断できる

ドラマーはビートを正しく刻む能力が基本でありそれは5室のケートゥで表意される



打音を様々に変えながら一つのリズムを守ってフレーズとする演奏の才能は

3室天秤座で定座する金星と水星がコンジャンクションする配置も影響するだろうし

そもそも「音楽」の象意がある5室射手座に10室で逆行する木星が仮想アスペクトバックして

音楽的なポテンシャルを確かで底堅い素養にさせている配置から見えてくる



またラーシだけを注視すると