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イアン・カーティス氏のラグナ検証

更新日:2022年2月14日





まずはこちらの動画をご視聴いただきたい(できれば最後まで)





なかなかラフな手作り感のあるサウンドだが渋く陰気な色気があり自然と耳に残る

あまり洗練されていないがためにストレートに個性が感じられて粒立ちが心地よい



ヴォーカルのイアンの鬼気迫る異様なアクトが凄まじい

なぜもっと早く彼らに出会っていなかったんだろうと私は少しだけ口惜しかった




3年程前──




その頃はコロナのコの字もなく世間はとある世界的ロックバンドの伝記映画に沸いていた

万感の期待に応えるべく製作された『ボヘミアン・ラプソディー』である







私が幼い頃にQueenを率いたフレディがエイズで逝去しバンドは事実上の解散となった

何となく知っているだけだった彼らを改めて学ぶ機会が不意にやってきた時だった



私自身はこの映画を真剣に観た訳ではないが

今も共に実家暮らしの姉が洋楽を好み出した頃であり

SNS経由でこの映画に前後してよくQueenを聴いたり彼らの特集番組を観たりしていた

(実姉のマハーダシャーは金星期に移って数ヶ月目の頃であり「音楽」の象意が現れたようだ)



私はといえば鬱病とその治療の後遺障害(離脱症)がようやく癒えた2015年から数年を経たが

やっと鬱病前の心的感応の繊細さが戻ってきたため洋楽を含め色々と音楽を聴き出していた

その当時のダシャーは「ラーフ-金星期」を終えた頃で

ラーフの意味する外国と金星が担う音楽の象意が特に旧世代の有名な洋楽への指向を与えた



私はビートルズ隆盛後の70年代のブリティッシュロックやUKポップが好きになっていた

(後からジョーティッシュの知識として一つの奇遇に出くわし驚きつつ確信したが

ラーシで私のラーフが住む牡羊座はイギリスのマンデン・チャートのラグナである)



鬱病に苦しむ一方で

実母が強いた鬼畜の所業で普通自動車免許を命がけで取得した経験談は

すでに記事として書いているが

その時期の私は「ラーフ-水星期」の半ば位であり

ナヴァムシャでは12室でその水星がラーフとコンジャンクションし金星と星座交換している



その頃の私は運転免許も取れて安堵し切って引きこもり生活に入り浸り

食事するよりも四六時中の飲酒で心身をスポイルさせ忘我の用に供する音楽を聴き散らした



私が最も楽しく最も惨めだった頃である(もちろん無業者として実母の脛をかじっていた)



その時にはよく聴いていた洋楽というとKISSだったりしたが

何かしらの趣向の変遷で気がつくとDeepPurpleやBlackSabbathなどに辿り着いていた



鬱がすっかり治まってからも私はWhiteSnakeやRainbowやロッド・スチュワートに親しみ

A型インフルエンザにかかって会社をドタキャン休みした時もAlcatrazzに聴き入っていた



























健全な脳(皮肉)が抗鬱剤の洗礼を浴びまくったせいか私は刹那じみた激越な音楽の虜だった

どこにでも居るくたびれたド陰キャ野郎はこうして自ら不穏な前衛作品へと変わり果てた

(ちなみに今ではThe Clashもよく聴いております)












(クンクン(; ̄y ̄)c●~~……このブログくっせえなぁ)













閑  話  休  題










イアン・カーティスは

1956年7月15日にイギリス本島の旧チェシャ―州マックルズフィールドで出生した



容貌や声からも分かる通り彼は生まれつき大人しく賢い性格の文化的な少年だった

密かに音楽に親しみ高校時代はプロに憧れ21歳の頃には有志でアマチュアバンドを結成した



後のJoyDivisionである




(左からドラムのスティーブン , ボーカルのイアン , ギターのバーナード , ベースのピーター)



ラフで素朴ながらやたら物語性のあるビビッドなフレーズを次々と生み出し

手弁当な異彩が超絶に不況だった当時のイギリスで新しい個性と見なされ人気を獲得した



このスナップからも伺えるように彼らはしみじみ庶民的でありそれほどロックではないのだ



しかし彼らのサウンドは劇的な心象風景を不意に掴んで見せつけるかのような優美さがある



Joy Division - Disorder - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)

(「Disorder」・・・個人的に最も鮮やかでDopeな一曲)



大体の曲がそのテーマをドラマチックに凝縮できている

ネガティブな曲は努めてヘビーで聴きづらくポジティブな曲は情景が視えるほど可憐である

その絶妙な狭間をテンポよく行き来して音楽性をブラッシュアップしていったのが分かる



時間のある読者諸氏はこちらもどうぞ





さて





この写真では特に四人四様の個性が伝わってくるが

たまにイアンは集中できているとこのように異様な眼力で射貫くような表情を見せる





この「心の最奥の闇から世界を見つめている」ような眼差しに

彼のラグナを特定する糸口がありそうだ



彼をすでに存知の諸兄にはくどい話だがイアンは23歳にして自らその成功した人生を閉じた



その事実も踏まえて自己流に彼のチャートを検討した結果が以下の通りである





ラーシでは生来的吉星が定座したりディグバラで強くいずれも3室(歌唱)と5室(音楽)に絡む

ナヴァムシャはラグナロードの水星が音楽の表示体の金星と星座交換しラージャ・ヨーガだ



ナヴァムシャの配置は全体としてあまり有意なコンディションではないが

ラグナで3室(パフォーマンス)支配の太陽が7室10室支配の木星とコンジャンクションして

権威と品格をもたらすスーリヤ・グル・ヨーガとなり木星はアスペクトバックする

この時にラグナでは3室対10室の絡みが完成し「音楽活動」へのコミットメントが伺える

(ラーシも同様で10室でマハープルシャの金星は3室を支配する甘美な芸能の星である)



太陽はヴァルゴッタマで高揚並みに強く

ラーシのラグナロードで11室在住という強みをより堅く盤石にしている

またラグナにダブルトランジットも生じており徐々にアイデンティティが成長する境遇だ



イアンの決して明るくない素顔の感情を吐露した低音の歌唱は

ラーシで3室に住む月へ6室支配の土星が逆行して高揚同等に振舞うせいだろうし

ナヴァムシャでも6室でヴァルゴッタマのラーフに減衰の月が傷つけられ吉意の保護はなく

2室に吉凶の不安定な土星が住んでラグナをパーパ・カルタリにしている配置が考えられる



ラグナには機能的吉星の木星が住むため温厚で大人しいが

その木星と対向する火星は土星と星座交換しヨーガ・カーラカとしての品位が損なわれる



またその土星にコンジャンクションするラーフ(とケートゥ)は

減衰する配置でありながらヴァルゴッタマであり

劣等感のような内向した病的な感情をだんだんと育ててしまう因業な所見である